ケアマネの家族支援に役立つ本おすすめ6選|介護者の理解が深まる

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「本人と家族の意向が違って、ケアプランがまとまらない」「介護している家族が疲れきっているのに、うまく支えられない」。ケアマネの仕事では、利用者本人だけでなく家族をどう支えるかが支援の成否を左右します。

この記事では、ケアマネの家族支援に役立つ本を6冊紹介します。家族のアセスメント・認知症の介護家族・虐待の予防・男性介護者やヤングケアラーなど、テーマ別に選べるよう、選び方と実務での活かし方もまとめました。

この記事でわかること
  • ケアマネの家族支援で本が役立つ場面
  • 家族支援の本を選ぶときのポイント
  • 家族支援に役立つ本6冊の特徴
  • 本で学んだ視点を面談やケアプランに活かすコツ
目次

ケアマネの家族支援で本が役立つ場面

家族は、介護の担い手であると同時に、支援を必要とする人でもあります。けれども、家族支援のやり方を体系的に学ぶ機会は多くありません。

  • 本人と家族の意向が食い違い、どちらを優先すべきか迷うとき
  • 家族がサービスの利用を拒む、あるいは無理な要望を続けるとき
  • 介護者の疲れやストレスが強く、共倒れが心配なとき
  • 男性介護者や働きながら介護する人、ヤングケアラーなど、介護者の事情が多様なとき
  • 虐待のおそれがあり、家族への関わり方に悩むとき

本で家族支援の考え方を学んでおくと、家族を「協力者」としてだけでなく「支援の対象」としても見られるようになります。

新人ケアマネ新人

家族の要望に振り回されて、本人の思いが置き去りになっている気がするんです……。

ベテランケアマネ先輩

家族の要望の裏にも、不安や疲れがあることが多いのよ。家族も支援の対象としてとらえると、関わり方が変わってくるわ。

家族支援の本を選ぶポイント

家族の「アセスメント」まで書かれているか

家族支援の本には、接し方のコツが中心のものと、家族の状況や関係性をどうアセスメントするかまで踏み込んだものがあります。ケアマネには、家族全体を見立てる視点を学べる本がおすすめです。

担当ケースのテーマに合わせる

悩み選ぶ本のテーマ
意向の違い・サービス拒否対応が難しい家族のアセスメント
認知症の介護家族の疲れ認知症の人の家族支援
虐待のおそれ虐待防止のための家族支援
男性介護者・ヤングケアラー介護者の実態を知る本

実務書と「実態を知る本」を組み合わせる

支援の手順を学ぶ実務書に加えて、介護者の実態や声をまとめた本を読むと、家族がどんな気持ちで介護しているかを想像しやすくなります。新書は手に取りやすく、移動時間にも読めます。

はじめの1冊 家族のアセスメントを学べる実務書を1冊選び、担当ケースで気になるテーマの本を1冊足すのがおすすめです。

ケアマネの家族支援に役立つ本おすすめ6選

ここからは、ケアマネの家族支援に役立つ本を6冊紹介します。

本出版社・発行テーマ
アセスメントでつかむ!家族の対応が難しいケースのケアマネジメント術第一法規・2024年家族のアセスメント
ケアマネ応援!! 自信がつくつく家族支援クリエイツかもがわ・2017年介護家族のアセスメントと支援
認知症の人の家族支援 介護者支援に携わる人へワールドプランニング・2015年認知症の介護家族
高齢者虐待防止のための家族支援誠信書房・2012年虐待の予防
男が介護する中央公論新社・2021年男性介護者
ヤングケアラー 介護を担う子ども・若者の現実中央公論新社・2018年ヤングケアラー

アセスメントでつかむ!家族の対応が難しいケースのケアマネジメント術

石山麗子さんによる、家族の対応が難しいケースのアセスメントに特化した本です(第一法規・2024年発行・192ページ)。「意向が違う」「サービスを拒む」「暴言・暴力を振るう」家族を支援するときの基本姿勢や留意点を解説しています。

出版社の目次によると、家族支援とは何か、なぜ家族支援は難しいのか、ケアマネが行う家族支援の基本形などを、解説編で整理しています。家族支援を体系的に学びたいケアマネの1冊目に向いています。

ベテランケアマネ先輩

家族支援を「言語化」してくれる本は少ないの。悩んだときの考え方の土台になるわよ。

ケアマネ応援!! 自信がつくつく家族支援 介護家族のアセスメントと支援

サブタイトルのとおり、介護家族のアセスメントと支援をテーマにしたケアマネ向けの本です(クリエイツかもがわ・2017年発行・99ページ)。100ページほどのコンパクトな本なので、忙しいケアマネでも短時間で読み通せます。

家族支援に苦手意識がある人や、まず全体像をつかみたい新人ケアマネに向いています。レビュー数は多くありませんが、ケアマネの家族支援をテーマにした数少ない本の1冊です。

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認知症の人の家族支援 介護者支援に携わる人へ

サブタイトルのとおり、認知症の人を介護する家族を支援する専門職に向けた本です(ワールドプランニング・2015年発行・262ページ)。認知症の介護家族ならではの負担や気持ちの揺れを理解し、支援を考えたいときに役立ちます。

認知症の利用者を多く担当するケアマネや、家族会・認知症カフェなどにかかわる人に向いています。発行がやや前のため、制度やサービスの情報は最新のものを確認しましょう。

高齢者虐待防止のための家族支援 安心づくり安全探しアプローチ(AAA)ガイドブック

地域包括支援センターの職員やケアマネなどの専門職向けに行われた研修プログラムをまとめたテキストです(誠信書房・2012年発行・184ページ)。高齢者だけでなく、虐待している家族への支援こそが欠かせないという考えにもとづいています。

独自のシートを使った危害状況とリスクの確認、家族との支援関係づくり、家族の強みや力を引き出す面接の方法を、解決志向アプローチをもとに解説しています。虐待のおそれがあるケースで、家族との関係づくりに悩む人に向いています。

新人ケアマネ新人

虐待している家族を責めるのではなく、支える視点なんですね。

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男が介護する 家族のケアの実態と支援の取り組み(中公新書)

家族を介護する夫や息子など、男性介護者のケアの実態を明らかにし、介護者が集う各地のコミュニティの活動を紹介する新書です(中央公論新社・2021年発行・256ページ)。

男性介護者は、家事に不慣れだったり、悩みを周りに打ち明けにくかったりすることがあります。男性介護者を担当するケアマネが、その背景を理解するのに役立ちます。新書で手に取りやすいのも魅力です。

ヤングケアラー 介護を担う子ども・若者の現実(中公新書)

18歳未満の子どもや若者が家族の介護を担う状況を、調査の結果や当事者の声、海外のケースをふまえて論じた新書です(中央公論新社・2018年発行・211ページ)。ヤングケアラーという言葉が広く知られる前から、その実態を伝えてきた1冊です。

利用者の家庭に子どもや孫がいて、介護を担っている様子が気になるケアマネに向いています。2024年には子ども・若者育成支援推進法の改正で、ヤングケアラーが国・自治体による支援の対象として明記されました。最新の支援策とあわせて確認しましょう。

本で学んだ家族支援の視点を実務に活かすコツ

家族支援は、面談の聞き方やケアプランへの書き方で差が出ます。本で学んだ視点を、次の手順で実務に落とし込みましょう。

  • 家族一人ひとりの状況を聞く主な介護者だけでなく、ほかの家族の関わり方、仕事や健康状態、介護に対する思いも聞き取ります。
  • 本人と家族の意向を分けて記録するアセスメントやケアプランでは、本人の意向と家族の意向を分けて書くと、違いが整理しやすくなります。
  • 介護者の負担を言葉にしてもらう「最近眠れていますか」「一人の時間はとれていますか」など、介護者自身の状態を聞く質問を用意しておきます。
  • 家族の強みに目を向けるできていないことだけでなく、これまで続けてこられた工夫や、家族が持つ力を一緒に確認します。
  • 介護者支援の資源につなぐレスパイトにつながるサービス、家族会、地域包括支援センターなど、家族自身が使える資源を紹介します。
ケアマネだけで背負わない 家族の問題が複雑なとき(経済的困窮、精神疾患、虐待のおそれなど)は、ケアマネだけで抱え込まず、地域包括支援センターや行政、専門機関と連携して対応しましょう。
新人ケアマネ新人

家族の話をしっかり聞くことが、本人の支援にもつながるんですね。

ベテランケアマネ先輩

そうよ。家族が少し楽になるだけで、本人の暮らしが安定することも多いの。家族支援はケアマネジメントの大事な柱ね。

よくある質問

本人と家族の意向が違うとき、どちらを優先すべきですか?
本人の意向を尊重するのが基本ですが、家族の負担や不安を無視すると在宅生活が続きません。両方の思いを聞き、背景を整理したうえで、話し合いの場を設けて折り合える点を探します。
家族支援の本は、新人ケアマネにも役立ちますか?
役立ちます。とくにコンパクトにまとまった本は、家族との面談の前に読んでおくと、聞くべきことが整理しやすくなります。
介護者がうつ状態のように見えるときは?
介護者自身の受診をすすめたり、レスパイトにつながるサービスを提案したりします。深刻な場合は、地域包括支援センターや保健センターと連携しましょう。
ヤングケアラーに気づいたら、どうすればいいですか?
子どもを責めたり、家族の問題として決めつけたりせず、まずは状況を把握します。子どもの支援は、自治体の子ども家庭福祉の窓口や学校との連携が必要になるため、事業所内で共有して相談先を確認しましょう。
家族支援で記録に残すべきことは?
家族の意向・介護の状況・負担の程度・提案した支援と家族の反応などを、事実として残しておきます。担当が替わっても支援を引き継げるようにするためです。
まとめ
  • 家族は介護の担い手であると同時に、支援の対象でもある
  • 家族支援の本は、家族のアセスメントまで書かれているものを選ぶ
  • 意向の違い・認知症・虐待・男性介護者・ヤングケアラーなど、テーマ別の本も役立つ
  • 本人と家族の意向を分けて聞き取り、介護者自身の負担も確認する
  • 複雑な問題はケアマネだけで抱えず、地域包括支援センターなどと連携する

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編集:中央法規「ケアマネジャー」編集部, 著:福島敏之
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