ケアマネ不足の対策|事業所ができる定着の工夫と国の動き

「ケアマネを探しているのに、どこの事業所も受けてもらえない」「担当の人が辞めて、次のケアマネが決まらない」。こうした声が各地で聞かれるようになり、ケアマネ不足は利用者や家族にとっても身近な問題になっています。
この記事では、ケアマネ不足の原因と、現場や利用者への影響、国や事業所が進める対策をわかりやすく解説します。家族がケアマネを見つけにくいときの相談先もまとめました。
- ケアマネ不足が起きている5つの原因
- ケアマネ不足による利用者・家族・現場への影響
- 国が進めている主な対策
- 事業所ができる対策と、ケアマネ個人ができること
- ケアマネが見つからないときの家族の相談先
ケアマネ不足の5つの原因
ケアマネ不足は、ひとつの理由ではなく、いくつもの要因が重なって起きています。
① 高齢化で支援が必要な人が増えている
高齢者の増加にともない、要介護認定を受ける人も増えています。一方で、ケアマネとして働く人は十分に増えておらず、需要と供給の差が広がっています。
② 業務量が多く、負担が大きい
アセスメント、ケアプラン作成、会議、モニタリング、給付管理に加え、家族の相談や医療機関との連携など、仕事の幅が広がっています。本来の業務以外の相談まで引き受けているケースも多く、負担の大きさが離職につながっています。
③ 責任に見合う待遇と感じにくい
ケアマネは介護職の経験を積んだうえで就く専門職ですが、介護職員向けの処遇改善の対象から外れることが多く、給与の差が縮まりにくい状況が指摘されてきました。2026年6月からは居宅介護支援も処遇改善加算の対象に加わりましたが、待遇の差が縮まるかはこれからです。「介護職のほうが手取りが良い」と感じ、ケアマネにならない人もいます。
④ 資格取得と更新のハードル
受験には一定の実務経験が必要で、合格後も実務研修があり、資格の維持には定期的な更新研修が求められます。研修の時間や費用の負担が、資格を取らない・更新しない理由になることがあります。受験資格が見直された2018年度以降、受験者数が大きく減ったことも影響しています。
⑤ ケアマネ自身の高齢化と若手の不足
現役のケアマネは経験豊富な中高年層が中心で、今後の退職が見込まれる一方、若手の育成が追いついていません。新人を教える余裕がない事業所も多く、定着しにくい悪循環が起きています。
新人人手が足りないと、残っている人にさらに負担がかかりますよね。
先輩そうなの。一人が辞めると、その人の担当が周りに回ってきて、また疲れて辞める人が出る。この悪循環を止めるのが大きな課題なのよ。
ケアマネ不足による影響
| 影響を受ける人 | 起きやすいこと |
|---|---|
| 利用者・家族 | 担当のケアマネが見つからない、サービス開始までに時間がかかる、担当が頻繁に変わる |
| ケアマネ | 担当件数の増加、残業の増加、一人ひとりに向き合う時間の減少 |
| 事業所 | 新規の依頼を断る、採用が難しく事業の縮小や休止を検討する |
| 地域 | 地域包括支援センターに相談が集中する、在宅生活を支える体制が弱くなる |
ケアマネ不足に対する国の主な対策
- 担当件数の基準の見直し:2024年度の介護報酬改定で、1人のケアマネが担当できる件数の基準が引き上げられた
- ICTの活用:ケアプランデータ連携システムの普及や、テレビ電話を使ったモニタリングなどで業務の効率化を進める
- 資格・研修の見直し:受験資格や法定研修のあり方について、負担を軽くする方向で見直しが議論されている
- 業務範囲の整理:ケアマネが本来の業務以外に抱えている相談や手続きをどう扱うか、議論が進められている
制度の見直しは段階的に進んでいるため、最新の内容は厚生労働省や自治体の情報で確認することが大切です。
事業所とケアマネ個人ができる対策
事業所ができること
- 業務の効率化ケアプランソフトやタブレット、データ連携を導入し、記録や転記の手間を減らす。
- 事務の分担請求や書類整理を事務職員に任せ、ケアマネが相談援助に集中できるようにする。
- 育成と相談の体制主任ケアマネによる同行訪問や事例検討で、新人が一人で抱え込まない仕組みをつくる。
- 働き方の柔軟化直行直帰、短時間勤務、ブランクのある人の受け入れで、働ける人を増やす。
ケアマネ個人ができること
本来の業務範囲を意識し、何でも引き受けすぎないことが大切です。困難なケースは上司や地域包括支援センターと共有し、一人で背負わないようにしましょう。
新人家族からケアマネが見つからないと相談されたら、どう案内すればいいですか?
先輩まずは地域包括支援センターを案内するのが基本よ。事業所の空き状況に詳しいし、要支援なら包括が担当することもあるわ。
ケアマネが見つからないときの家族の相談先
| 相談先 | できること |
|---|---|
| 地域包括支援センター | 受け入れ可能な居宅介護支援事業所の紹介、要支援者の支援 |
| 市区町村の介護保険窓口 | 事業所の一覧の提供、制度の案内 |
| 入院先の医療ソーシャルワーカー | 退院に向けたケアマネの調整 |
| 利用中のサービス事業所 | 付き合いのある居宅介護支援事業所の情報 |
ケアマネ不足の時代に家族が準備しておきたいこと
ケアマネが見つかりにくい地域では、家族が早めに準備しておくことで、支援が始まるまでの時間を短くできます。
- 要介護認定の申請を早めに行う:介護が必要になりそうな段階で申請しておくと、ケアマネ探しを並行して進められる
- 本人の状況をメモにまとめる:病歴、服薬、困っていること、家族の連絡先を整理しておくと、相談がスムーズ
- 複数の事業所に問い合わせる:1か所で断られても、空きのある事業所が見つかることがある
- 入院中なら退院前に相談する:病院の医療ソーシャルワーカーに、退院後のケアマネの調整を早めに依頼する
ケアマネが決まった後も、困りごとを具体的に伝え、連絡の時間帯を配慮するなど、限られた時間の中で支援を受けやすい関係をつくることが大切です。
よくある質問(FAQ)
ケアマネ不足はこれからも続きますか?
ケアマネがいないと介護サービスは使えませんか?
ケアマネ不足の中で、ケアマネとして働くメリットはありますか?
ケアマネ不足で、担当ケアマネの訪問回数が減ることはありますか?
- ケアマネ不足の原因は、高齢化による需要の増加、業務量の多さ、待遇、資格取得と更新の負担、担い手の高齢化
- 利用者はケアマネが見つからない、ケアマネは件数と残業が増えるなどの影響が出ている
- 国は担当件数の基準の見直し、ICTの活用、研修や業務範囲の見直しを進めている
- 家族がケアマネを見つけられないときは、まず地域包括支援センターに相談する
















