フレイル予防の運動|自宅でできる筋トレ・バランス運動のやり方

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「親の足腰が弱ってきたので、家でできる運動を知りたい」「利用者さんにすすめやすいフレイル予防の運動は?」。フレイルを防ぐには、毎日の生活の中で無理なく続けられる運動を取り入れることが大切です。

結論からいうと、フレイル予防の運動は、脚の筋力をつける筋トレ、転倒を防ぐバランス運動、体力を保つ有酸素運動の3つを組み合わせるのが基本です。自宅でも、椅子や壁を使って安全に行えます。この記事では、フレイル予防に運動が大切な理由、自宅でできる運動の具体的なやり方、続けるコツと注意点をまとめました。

この記事でわかること
  • フレイル予防に運動が大切な理由
  • 自宅でできる筋トレ・バランス運動・有酸素運動のやり方
  • 運動の頻度と強さの目安
  • 安全に続けるための注意点とコツ
目次

フレイル予防に運動が大切な理由

フレイルの中心には、筋肉量と筋力が落ちる「サルコペニア」があります。筋肉が減ると、歩く・立ち上がるといった動作がおっくうになり、活動量がさらに減って筋肉が落ちる、という悪循環が起こります。

運動には、この悪循環を断ち切るはたらきがあります。

  • 筋力を保つ:高齢になっても、筋肉はトレーニングによって強くなる
  • 転倒を防ぐ:バランス能力が保たれ、つまずいても踏ん張れる
  • 食欲が出る:体を動かすとおなかがすき、栄養をとりやすくなる
  • 気分が前向きになる:外に出る、人と一緒に運動することで心の健康にもつながる
新人ケアマネ新人

高齢になってからでも、筋肉は増えるんですか?

ベテランケアマネ先輩

増えるわ。90歳代の人でも筋トレで筋力が上がったという報告があるの。「年だからもう遅い」ということはないのよ。大切なのは、その人に合った強さで続けることね。

自宅でできるフレイル予防の運動①筋トレ

とくに大切なのは、立つ・歩くを支える太もも・お尻・ふくらはぎの筋肉です。椅子を使えば、安全に行えます。

運動やり方回数の目安
椅子からの立ち座り椅子に浅く座り、足を肩幅に開く。少し前かがみになってゆっくり立ち、ゆっくり座る。不安な人は机に手をつく10回×2〜3セット
かかと上げ椅子の背もたれにつかまって立ち、かかとをゆっくり上げて下ろす10〜20回×2セット
座って膝のばし椅子に座り、片方の膝をゆっくりのばして3秒止め、ゆっくり下ろす左右10回ずつ
座って足踏み椅子に座ったまま、太ももを交互に高く上げる左右20回ずつ
壁腕立て壁に手をつき、ひじを曲げて体を壁に近づけ、押し戻す10回×2セット

動作は反動をつけず、ゆっくり行うのがコツです。「少しきつい」と感じる程度が目安で、楽にできるようになったら回数やセット数を増やします。

自宅でできるフレイル予防の運動②バランス運動

バランス運動は、転倒を防ぐために欠かせません。必ず椅子の背もたれや壁など、すぐにつかまれる物の近くで行いましょう。

  • 片脚立ち:つかまりながら片足を少し上げ、10〜30秒保つ。左右交互に行う
  • つぎ足立ち:片方の足のかかとを、もう片方の足のつま先につけて一直線に立つ
  • 横歩き:台所のシンクなどにつかまり、横に数歩ずつ移動する
  • 体重移動:足を肩幅に開いて立ち、体重を左右・前後にゆっくり移す

有酸素運動も組み合わせる

体力や心肺機能を保つには、ウォーキングなどの有酸素運動も大切です。最初は1日10分程度の散歩から始め、慣れてきたら少しずつ時間を延ばします。会話ができるくらいの速さが目安です。雨の日は、家の中での足踏みや、ラジオ体操でもかまいません。

新人ケアマネ新人

全部やるのは大変そうですが、どれから始めればいいですか?

ベテランケアマネ先輩

まずは椅子からの立ち座りとかかと上げがおすすめよ。生活動作に直結するし、短時間でできるわ。慣れてきたらバランス運動や散歩を足していけばいいの。

体力に合わせた運動の選び方

体力の段階おすすめの運動
立つのが不安な人座って膝のばし、座って足踏み、足首の曲げのばし。ベッドの上での足の運動から始める
つかまれば立てる人机に手をついた立ち座り、背もたれにつかまったかかと上げ、つかまり片脚立ち
屋外を歩ける人手をつかない立ち座り、スクワット、散歩、地域の体操教室への参加

無理に難しい運動をすると、転倒やけがのもとになります。今の体力で安全にできるものから始め、少しずつ段階を上げることが、結果的に長続きにつながります。家族が一緒に行うと、見守りにもなり、励まし合えます。

運動の頻度と強さの目安

運動の種類頻度の目安強さの目安
筋トレ週2〜3回(毎日でなくてよい)10回くり返すと「少しきつい」程度
バランス運動できれば毎日、短時間つかまりながら安全にできる範囲
有酸素運動できれば毎日、合計20〜30分を目標に会話ができる程度の速さ

厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、高齢者に対して、筋トレやバランス運動を含む多様な運動を週3日以上行うことなどがすすめられています。数字にこだわりすぎず、今より少しでも多く体を動かすことから始めましょう。

安全に続けるための注意点とコツ

注意点

  • 持病(心臓病、高血圧、骨粗しょう症、関節の痛みなど)がある人は、始める前にかかりつけ医に相談する
  • 体調が悪い日、血圧が高い日、熱がある日は休む
  • 痛みが出たらすぐに中止する。息を止めずに、数を声に出しながら行う
  • 夏は水分補給、冬は部屋を暖めてから行う

続けるコツ

  • 時間を決める朝食の後、テレビ番組の前など、毎日の生活の流れに組み込みます。
  • 記録をつけるカレンダーに丸をつける、歩数計で歩いた数を記録するなど、続けたことが見えるようにします。
  • 仲間をつくる地域の通いの場や体操教室に参加すると、人との交流も生まれ、続けやすくなります。
  • 専門職に相談する介護保険を使っている人は、通所リハビリや訪問リハビリで、その人に合った運動メニューを作ってもらえます。

運動と同時に、たんぱく質をしっかりとる食事も大切です。運動で筋肉に刺激を与え、栄養で材料を補うことで、筋肉が保たれやすくなります。

よくある質問

膝が痛くても運動していいですか?
痛みの原因によって、すすめられる運動が違います。まずは医師や理学療法士に相談し、座って行う運動など、膝に負担の少ない方法から始めましょう。
どのくらい続ければ効果が出ますか?
個人差はありますが、筋トレは2〜3か月ほど続けると、立ち上がりが楽になる、歩く速さが上がるといった変化を感じやすくなります。効果を確かめるため、始める前に椅子の立ち座りにかかる時間などを測っておくと励みになります。
毎日やらないと効果はありませんか?
筋トレは週2〜3回でも効果が期待できます。毎日でなくてもよいので、長く続けることを優先しましょう。
地域の運動教室はどうやって探せばいいですか?
地域包括支援センターや市区町村の介護予防の窓口で、通いの場や体操教室の情報を教えてもらえます。参加費が無料または低額のものも多いです。
まとめ
  • フレイル予防の運動は、筋トレ・バランス運動・有酸素運動の組み合わせが基本
  • 椅子からの立ち座りとかかと上げは、自宅で安全に始めやすい
  • バランス運動は、必ずつかまれる物の近くで行う
  • 筋トレは週2〜3回、「少しきつい」程度の強さが目安
  • 持病がある人は医師に相談し、たんぱく質をとる食事と組み合わせて続ける

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