特定事業所集中減算とは?対象サービス・80%の計算方法と正当な理由

「併設のデイサービスばかり使っていると減算になるって本当?」「80%を超えてしまったら、どうすればいいの?」。特定事業所集中減算は、居宅介護支援事業所の中立性を確かめるための減算で、毎年2回の判定が必要です。
結論からいうと、特定事業所集中減算は、判定期間に作成したケアプランに位置づけた訪問介護・通所介護・地域密着型通所介護・福祉用具貸与のいずれかで、同じ法人の事業所が占める割合が80%を超え、正当な理由がない場合に、すべての利用者について1か月200単位が減算される仕組みです。この記事では、対象サービス、判定期間と計算方法、正当な理由、80%を超えたときの対応をまとめました(令和6年度介護報酬改定時点の内容です)。
- 特定事業所集中減算の目的と、対象となる4つのサービス
- 判定期間・減算の適用期間と、割合の計算方法
- 減算にならない「正当な理由」の例
- 判定の手順と、80%を超えたときの対応
特定事業所集中減算とは?
ケアマネジャーには、利用者がサービス事業所を自由に選べるよう、公正・中立にケアマネジメントを行うことが求められています。特定事業所集中減算は、特定の法人のサービスばかりをケアプランに位置づけていないかを確かめるための仕組みです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象サービス | 訪問介護、通所介護、地域密着型通所介護、福祉用具貸与 |
| 判定の基準 | サービスごとに、紹介件数が最も多い法人の割合が80%を超えている |
| 減算の額 | 1か月につき200単位(すべての利用者が対象) |
| 判定の回数 | 毎年度2回(前期・後期) |
対象サービスは、平成30年度の改定でそれまでの多くのサービスから4つに絞り込まれました。減算は事業所が担当するすべての利用者に適用されるため、該当すると事業所の収入に大きく影響します。
新人併設の事業所を使うこと自体がいけないんですか?
先輩そうではないのよ。併設の事業所が利用者にとって一番合っているなら、選んで問題ないわ。大切なのは利用者が選んだ結果であることを説明できるか。そのうえで、割合が高くなる場合は正当な理由があるかを確認するの。
判定期間と計算方法
| 区分 | 判定期間 | 報告の期限(目安) | 減算の適用期間 |
|---|---|---|---|
| 前期 | 3月1日〜8月末日 | 9月15日 | 10月〜翌年3月 |
| 後期 | 9月1日〜翌年2月末日 | 3月15日 | 4月〜9月 |
割合は、サービスごとに次の式で計算します。
紹介率最高法人の割合 = そのサービスで紹介件数が最も多い法人を位置づけたケアプランの数 ÷ そのサービスを位置づけたケアプランの数
4つのサービスのうち、どれか一つでも80%を超えると判定の対象になります。
たとえば、判定期間に通所介護を位置づけたケアプランが延べ100件あり、そのうち同じ法人の通所介護が85件だった場合、割合は85%となり80%を超えます。法人単位で数えるため、同じ法人が運営する複数の事業所は合わせて計算します。
減算にならない「正当な理由」の例
80%を超えていても、正当な理由があると保険者が認めれば減算になりません。主な例は次のとおりです(具体的な基準は保険者の示す内容を確認してください)。
- 特別地域居宅介護支援加算を算定している
- 通常の事業の実施地域に、そのサービスの事業所が少ない(目安として5事業所未満など)
- 判定期間の1か月あたりの平均のケアプラン件数が少ない(目安として20件以下など)
- そのサービスを位置づけたケアプランの数が、1か月あたり平均で少ない(目安として10件以下など)
- サービスの質が高いことを理由に、利用者の希望を勘案して選んだと保険者が認める場合
「利用者の希望」を理由にする場合は、選択肢を示したうえで利用者が選んだことを記録で示す必要があります。厚生労働省は令和6年8月に、特定事業所集中減算の適正な適用について事務連絡を出しています。保険者が判断の根拠を確認する場面が増えているため、記録を整えておきましょう。
新人判定の結果、80%を超えていなければ何もしなくていいんですか?
先輩いいえ、超えていなくても、すべての事業所が判定の書類を作って保存しておく必要があるの。保険者への提出は、超えた場合に求められるのが一般的だけど、扱いは保険者によって違うから確認してね。
判定の手順と80%を超えたときの対応
- ケアプランの件数を集計する判定期間に作成したケアプランについて、4つのサービスごとに、位置づけた事業所と法人を集計します。介護ソフトの集計機能を使うと便利です。
- 割合を計算するサービスごとに紹介率最高法人の割合を計算し、判定の書類(様式)を作成します。
- 80%を超えたら理由を確認する正当な理由にあたるかを確認し、根拠となる資料をそろえます。
- 保険者に提出する期限までに判定の書類と、正当な理由の資料を保険者に提出します。
- 書類を保存する提出の有無にかかわらず、判定の書類を保存します。
日ごろからできる予防策
- 契約時に、複数の事業所を紹介できることや、選んだ理由を説明できることを伝える
- サービスを選ぶときは、複数の事業所の情報を示し、利用者が選んだ経緯を支援経過に残す
- 半年ごとの判定を待たず、毎月の割合を確認しておく
判定の書類を作るときのポイント
判定の書類は、保険者が示す様式を使って作成します。集計のときは、次の点に注意しましょう。
| 注意点 | 内容 |
|---|---|
| 数える単位 | 判定期間に作成したケアプランの数で数える(同じ利用者でも月ごとに数える) |
| 法人の判断 | 事業所名ではなく、運営する法人で集計する |
| 対象のサービス | 訪問介護・通所介護・地域密着型通所介護・福祉用具貸与のみを集計し、それぞれ別に計算する |
| 端数の扱い | 割合の端数の扱いは保険者の様式にしたがう |
介護ソフトには、集中減算の集計表を作る機能があるものが多くあります。ソフトの集計結果をそのまま使う場合も、法人の登録が正しいかを確認しておきましょう。事業所の運営法人が変わった場合などは、集計が正しくならないことがあります。
よくある質問
減算になると、利用者の負担はどうなりますか?
特定事業所集中減算に該当すると、特定事業所加算はどうなりますか?
同じ法人の別の事業所を使った場合も合わせて数えますか?
判定の書類はどのくらい保存すればいいですか?
80%を超えそうなときは、ほかの事業所に変えるべきですか?
- 特定事業所集中減算は、ケアマネジメントの公正・中立を確かめるための減算
- 対象は訪問介護・通所介護・地域密着型通所介護・福祉用具貸与の4サービス
- 紹介率最高法人の割合が80%を超え、正当な理由がなければ全利用者に1か月200単位の減算
- 判定は年2回、超えていなくても判定の書類を作成して保存する
- 利用者が選んだ経緯を記録し、毎月の割合を確認して予防する
















