通院時情報連携加算とは?算定要件と受診同席の進め方・記録の書き方

「利用者さんの受診に付き添ったけど、加算は取れるの?」「歯医者さんへの同席も対象になる?」。受診に同席して主治医と直接話すことは、医療との連携を深めるよい機会です。その取り組みを評価するのが通院時情報連携加算です。
結論からいうと、通院時情報連携加算は、利用者が医師または歯科医師の診察を受けるときにケアマネジャーが同席し、医師などに利用者の情報を提供するとともに、医師などから情報を受けてケアプランに記録した場合に、1か月に1回50単位を算定できる加算です。この記事では、通院時情報連携加算の算定要件、同席の進め方、記録のポイントをまとめました(令和6年度介護報酬改定時点の内容です)。
- 通院時情報連携加算の単位数と算定要件
- 令和6年度改定で対象に加わった歯科医師への同席
- 受診に同席するときの準備と進め方
- 算定のための記録と、注意点
通院時情報連携加算とは?
通院時情報連携加算は、2021年度(令和3年度)の介護報酬改定で新しくできた加算です。ケアマネジャーが受診に同席し、医師と直接情報をやり取りすることで、医療と介護の連携を強めることがねらいです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 単位数 | 50単位(1か月に1回まで) |
| 対象となる診察 | 医師または歯科医師の診察(令和6年度改定で歯科医師を明記) |
| 主な要件 | 受診に同席し、医師等に利用者の心身の状況や生活環境などの情報を提供するとともに、医師等から情報を受けてケアプランに記録する |
単位数は大きくありませんが、主治医の考えを直接聞けること、ケアマネジャーの顔を知ってもらえることに大きな価値があります。その後の照会や相談がしやすくなり、急な体調の変化にも対応しやすくなります。
新人付き添って待合室にいるだけでは、算定できないんですよね?
先輩そうよ。大切なのは診察に同席して、双方向で情報をやり取りすること。こちらから在宅での様子を伝え、医師から治療方針や生活上の注意を聞いて、それをケアプランに反映させる。この流れがそろって算定できるの。
通院時情報連携加算の算定要件
- 診察に同席する:利用者が医師または歯科医師の診察を受ける際に、ケアマネジャーが同席する
- 情報を提供する:利用者の心身の状況や生活環境など、必要な情報を医師等に提供する
- 情報を受ける:医師等から、利用者に関する必要な情報を受ける
- ケアプランに記録する:受けた情報をケアプラン(支援経過など)に記録する
- 本人の同意を得る:同席について、利用者の同意を得たうえで、医療機関にも事前に伝えておく
令和6年度改定で、歯科医師の診察への同席も対象であることが明記されました。入れ歯の不具合や口の中の状態は、食事の量や栄養状態に直結します。歯科との連携も積極的に考えましょう。
受診に同席するときの進め方
- 同席の目的を決める服薬の調整、リハビリの方針、食事の注意点など、主治医に確認したいことを整理します。
- 本人と医療機関に連絡する本人・家族に同席の同意を得て、医療機関にもケアマネジャーが同席することを事前に伝えます。
- 伝える情報をまとめる最近の生活の様子、体調の変化、サービスの利用状況、家族の心配ごとを短くまとめておきます。
- 診察に同席する診察の時間は限られています。要点をしぼって伝え、医師の説明や指示を聞き取ります。
- 記録してケアプランに反映する受けた情報を記録し、必要に応じてケアプランを見直し、サービス事業所と共有します。
新人診察の時間は短いので、何を話すか迷いそうです。
先輩そうね。伝えたいことを3つくらいにしぼって、メモにして渡すと、医師も短い時間で状況をつかみやすいわ。「家での様子」と「確認したいこと」を分けて書くのがコツよ。
記録のポイントと注意点
| 記録する項目 | 記録の例 |
|---|---|
| 日時・医療機関・医師名 | 〇月〇日、〇〇クリニック、〇〇医師の診察に同席 |
| 提供した情報 | 夜間のトイレの回数が増え、ふらつきがあることを伝えた |
| 受けた情報 | 降圧薬を減量し、2週間後に血圧を再確認する。転倒に注意するよう指示あり |
| ケアプランへの反映 | 訪問介護で夜間のトイレ動線を確認し、福祉用具の導入を検討する |
- 家族が同席している場合も、ケアマネジャー自身が医師と情報をやり取りしていることが必要です
- 同じ月に複数回同席しても、算定は月1回までです
- オンライン診療に同席した場合の扱いなど、判断に迷うときは保険者に確認しましょう
同席が効果的な場面
- 退院後はじめての外来受診で、治療やリハビリの方針を確認したいとき
- 薬が増えて、ふらつきや食欲の低下が気になるとき
- 認知症の症状が進み、本人や家族だけでは状況を十分に伝えられないとき
- 入れ歯の不具合で食事の量が減っているなど、歯科との連携が必要なとき
同席のたびに、主治医とケアマネジャーの間で「次に何を確認するか」を共有しておくと、その後の照会や担当者会議もスムーズになります。
主治医に伝えるメモの作り方
短い診察時間で要点を伝えるには、事前にメモを用意しておくのが効果的です。A4の紙1枚程度に、次の項目をまとめましょう。
| 項目 | 書く内容の例 |
|---|---|
| 最近の生活の様子 | 食事の量、睡眠、排泄、外出の頻度などの変化 |
| 気になる症状 | ふらつき、むくみ、物忘れの進み方など、サービス事業所や家族から聞いた情報 |
| サービスの利用状況 | デイサービスやヘルパーの利用回数、リハビリの内容 |
| 確認したいこと | 入浴してよいか、運動の制限はあるか、薬の飲み方の注意など |
メモは医師に渡すだけでなく、受けた回答をその場で書き込み、そのまま記録のもとにすると、事業所に戻ってからの記録の手間も減らせます。家族にも内容を共有しておくと、次の受診で家族が伝えるときの助けになります。
よくある質問
通院の送迎をケアマネが行ってもいいですか?
看護師から説明を受けた場合も算定できますか?
入院中の病院での面談でも算定できますか?
毎月同席しないといけませんか?
家族の代わりにケアマネが一人で付き添う必要がありますか?
同席にかかった時間は、ほかの業務と調整できますか?
- 通院時情報連携加算は、受診に同席して医師等と情報をやり取りした場合に月1回50単位
- 令和6年度改定で、歯科医師の診察への同席も対象であることが明記された
- 情報の提供と受け取りの両方を行い、ケアプランに記録することが要件
- 伝えたいことをメモにまとめ、短い診察時間で要点を伝える
- 主治医と顔の見える関係をつくり、その後の連携に生かす
















