退院・退所加算とは?5区分の単位数と算定要件・カンファレンスの数え方

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「退院・退所加算って、何回連携すれば何単位になるの?」「カンファレンスに参加できなかったら算定できない?」。退院支援は居宅ケアマネの大切な仕事ですが、退院・退所加算は区分が5つあり、算定のルールも細かいため迷いやすい加算です。

結論からいうと、退院・退所加算は、病院や介護保険施設から退院・退所する利用者について、医療機関や施設の職員から必要な情報を受けてケアプランを作成し、サービスの調整を行った場合に、入院・入所期間中1回に限り算定できる加算です。情報収集の回数とカンファレンスの有無で、450単位から900単位までの5区分に分かれます。この記事では、退院・退所加算の単位数と算定要件、カンファレンスの扱い、算定の流れと記録のポイントをまとめました(令和6年度介護報酬改定時点の内容です)。

この記事でわかること
  • 退院・退所加算とは何か、対象となる退院・退所の範囲
  • 5つの区分の単位数と、回数・カンファレンスの数え方
  • 算定要件と、初回加算との関係などの注意点
  • 退院前から算定までの流れと、記録に残すこと
目次

退院・退所加算とは?

退院・退所加算は、利用者が病院・診療所や介護保険施設などから自宅に戻るときに、ケアマネジャーが入院先・入所先の職員と面談して情報を受け取り、それをもとにケアプランを作成してサービスを調整したことを評価する加算です。

退院直後は、体の状態や必要な医療的ケアが入院前と大きく変わっていることが多く、在宅での生活を立て直すには医療機関との連携が欠かせません。「退院してから慌てて調整する」のではなく、「退院前から準備しておく」ことを報酬で後押しするのが、この加算の趣旨です。

項目内容
対象となる退院・退所病院・診療所への入院、地域密着型介護老人福祉施設・介護保険施設への入所からの退院・退所
算定のタイミング退院・退所後に居宅サービスの利用を開始した月
算定の回数入院・入所期間中につき1回まで
新人ケアマネ新人

入院中に病院へ何度か足を運んだら、そのたびに算定できるんですか?

ベテランケアマネ先輩

いいえ、1回の入院について算定できるのは1回だけよ。何度も連携した場合は、回数に応じて上の区分を算定する、という考え方になるの。

退院・退所加算の単位数(5区分)

退院・退所加算の区分は、入院先・入所先から情報を受けた回数と、そのうちカンファレンスに参加したかどうかで決まります。

区分単位数情報を受けた回数と方法
(Ⅰ)イ450単位カンファレンス以外の方法で1回
(Ⅰ)ロ600単位カンファレンスで1回
(Ⅱ)イ600単位カンファレンス以外の方法で2回以上
(Ⅱ)ロ750単位2回で、うち1回以上がカンファレンス
(Ⅲ)900単位3回以上で、うち1回以上がカンファレンス

回数の数え方には決まりがあります。同じ日に複数回情報を受けても「1回」と数え、別の日に受けた情報がそれぞれ1回になります。また、情報収集は退院・退所前に行うのが原則ですが、退院・退所後7日以内に受けた情報も回数に含められます。

カンファレンスとは

ここでいうカンファレンスは、単なる打ち合わせではなく、要件が決められています。病院・診療所の場合は、診療報酬の退院時共同指導料の算定要件を満たす、多職種が参加する退院前カンファレンスなどが該当します。介護保険施設の場合は、施設の職員が参加して行う会議です。対象となる参加者や形式は解釈通知で定められているため、迷ったときは保険者に確認しましょう。

退院・退所加算の算定要件と注意点

  • 情報を受けてケアプランを作成する:入院先・入所先の職員と面談し、利用者の心身の状況や必要な支援について情報を受け、それを踏まえてケアプランを作成し、サービスの調整を行う
  • 記録を残す:情報を受けた日時、相手、方法、内容を記録する(国が示す「退院・退所情報記録書」などの様式を使うと漏れが少ない)
  • 初回加算とは同時に算定できない:新規の利用者が退院をきっかけに契約した場合でも、どちらか一方のみ
  • 入院・入所期間中1回まで:同じ入院について複数の区分を重ねて算定しない

面談は、テレビ電話などのオンラインで行うことも認められています。ただし、利用者や家族の同意、個人情報の取り扱いへの配慮が必要です。「電話で少し様子を聞いた」だけでは、要件を満たす情報収集といえない場合があるため注意しましょう。

新人ケアマネ新人

新規の方が退院してきたら、初回加算と退院・退所加算のどちらを取ればいいんですか?

ベテランケアマネ先輩

両方の要件を満たしても、算定できるのはどちらか一方よ。単位数は退院・退所加算のほうが大きいので、要件を満たすならこちらを選ぶのが一般的ね。介護ソフトで初回加算が自動で付く設定になっていないかも確認しておいてね。

退院前から算定までの流れ

  • 入院の連絡を受ける入院時に医療機関へ利用者の情報を提供し、退院の見込みが出たら連絡をもらえるよう依頼しておきます。
  • 退院前に情報を集める病棟の看護師や医療ソーシャルワーカー、リハビリ職などと面談し、病状、ADL、医療処置、退院後の注意点を確認します。
  • 退院前カンファレンスに参加する本人・家族の意向を確認し、退院後に必要なサービスや福祉用具、住宅改修について話し合います。
  • ケアプランを作成して調整する集めた情報をもとにケアプランを作成し、サービス担当者会議を開いて事業所と共有します。
  • 記録を整えて算定する情報を受けた日・相手・方法・回数を確認し、区分を判定して、サービス利用開始月に算定します。

退院前に確認しておきたいこと

分野確認する内容の例
医療病名・治療の経過、服薬の変更、医療処置(吸引、点滴、褥瘡のケアなど)、通院の予定
生活機能移動・移乗・排泄・入浴・食事の自立度、リハビリの内容と今後の目標
住環境段差や手すりの必要性、ベッドや車いすなどの福祉用具
本人・家族退院後の暮らしの希望、家族の介護力や不安

こうした情報を退院前にそろえておくと、退院当日から必要なサービスを使い始められ、再入院のリスクを下げることにもつながります。

よくある質問

退院後にサービスを使わないまま再入院した場合は算定できますか?
退院・退所加算は、退院後に居宅サービスの利用を開始した月に算定するのが基本です。サービス利用前に再入院や死亡となった場合の扱いは、解釈通知やQ&Aで確認し、迷うときは保険者に相談しましょう。
病院の看護師と電話で話した場合も回数に含められますか?
情報を受ける方法は面談が基本で、テレビ電話などのオンラインも認められています。電話だけで済ませた場合の扱いは慎重に判断し、保険者の見解を確認しておくと安心です。
ショートステイからの退所でも算定できますか?
短期入所は対象になりません。対象は病院・診療所への入院と、地域密着型介護老人福祉施設・介護保険施設への入所からの退院・退所です。
カンファレンスに参加できなかった場合はどうなりますか?
カンファレンス以外の方法で情報を受けていれば、(Ⅰ)イや(Ⅱ)イで算定できます。カンファレンスを含むほうが単位数は高くなります。
まとめ
  • 退院・退所加算は、入院先・入所先から情報を受けてケアプランを作成した場合の加算
  • 情報を受けた回数とカンファレンスの有無で、450〜900単位の5区分に分かれる
  • 同日の情報は1回と数え、退院後7日以内の情報も回数に含められる
  • 入院・入所期間中1回まで、初回加算とは同時に算定できない
  • 日時・相手・方法・内容を記録し、算定の根拠を残す

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