緊急時等居宅カンファレンス加算とは?算定要件と算定できるケース

「訪問診療の先生から、急に自宅でカンファレンスをしたいと連絡があった」「状態が急に変わってサービスを組み直したけど、加算の対象になる?」。在宅療養中の利用者の状態が急に変わったとき、医師や看護師とその場で話し合うことは、ケアマネジャーの重要な役割です。
結論からいうと、緊急時等居宅カンファレンス加算は、病院・診療所の求めにより、その医師や看護師などと一緒に利用者の自宅を訪問してカンファレンスを行い、必要に応じてサービスの利用を調整した場合に、1回200単位を1か月に2回まで算定できる加算です。この記事では、算定要件、算定できるケース・できないケース、記録のポイントをまとめました(令和6年度介護報酬改定時点の内容です)。
- 緊急時等居宅カンファレンス加算の単位数と算定要件
- 算定できるケース・できないケースの考え方
- カンファレンスの進め方と、サービスの調整
- 算定のための記録と、医療側の報酬との関係
緊急時等居宅カンファレンス加算とは?
緊急時等居宅カンファレンス加算は、在宅で療養する利用者の状態が急に変わったときに、医療と介護が自宅に集まって方針を話し合うことを評価する加算です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 単位数 | 200単位(1回につき) |
| 算定の回数 | 1か月に2回まで |
| 主な要件 | 病院・診療所の求めにより、その医師または看護師等と共に利用者の居宅を訪問し、カンファレンスを行い、必要に応じてサービスの利用に関する調整を行う |
医療側にも、医師が関係者と自宅でカンファレンスを行った場合の診療報酬(在宅患者緊急時等カンファレンス料)があります。医療と介護の両方から、在宅での急な変化に一緒に対応することを後押しする仕組みといえます。
新人こちらから先生にお願いしてカンファレンスを開いた場合も対象ですか?
先輩要件は「病院・診療所の求めにより」となっているの。医療機関が必要と判断して呼びかけたカンファレンスであることがポイントね。ケアマネから相談して、医療機関がカンファレンスを求める形になることもあるから、経緯を記録に残しておきましょう。
算定要件のポイント
- 医療機関の求めがある:病院・診療所の医師などから、カンファレンスへの参加を求められている
- 医療職と一緒に自宅を訪問する:その医療機関の医師または看護師等と共に、利用者の居宅でカンファレンスを行う
- サービスの調整を行う:カンファレンスの結果をふまえ、必要に応じてサービスの種類や回数を調整する
- 記録を残す:実施日、場所、参加者、話し合った内容、調整の結果を記録する
カンファレンスの場所は利用者の居宅です。医療機関や事業所で行う会議、オンラインだけの会議は、この加算の要件にあてはまらないと考えておきましょう。判断に迷う場合は保険者に確認します。
算定できるケース・できないケース
| ケース | 考え方 |
|---|---|
| 訪問診療の医師から、病状の悪化で自宅でのカンファレンスを求められ、医師・訪問看護師と訪問して話し合い、訪問看護の回数を増やした | 算定できる |
| 終末期の利用者について、診療所の看護師から求められて自宅で話し合い、福祉用具と訪問介護を追加した | 算定できる |
| ケアマネが自分で開いたサービス担当者会議に、主治医が参加した | 求めがないため、この加算の対象とは考えにくい |
| 病院の退院前カンファレンスに参加した | 退院・退所加算で評価される |
| 電話で医師と方針を相談した | 自宅でのカンファレンスではないため対象外 |
新人緊急でサービスを増やしたら、ケアプランも変える必要がありますか?
先輩そうね。サービスの内容が大きく変わるなら、ケアプランの変更が必要よ。急ぎのときはまずサービスを調整して、あとから手順を整えることもあるけれど、担当者会議や同意の手続きは忘れないようにね。
カンファレンスの進め方と記録
- 連絡を受けて日程を合わせる医療機関から連絡を受けたら、訪問の日時と参加者を確認し、必要に応じて訪問看護や訪問介護の担当者にも声をかけます。
- 現在の状況を整理する直近のサービス利用状況、家族の介護の状況、利用者や家族の希望をまとめて持参します。
- カンファレンスで方針を共有する医師から病状と今後の見通しを聞き、本人・家族の意向を確認しながら、必要な支援を話し合います。
- サービスを調整するサービスの種類や回数、福祉用具の追加などを調整し、事業所に連絡します。
- 記録してケアプランを見直すカンファレンスの内容と調整の結果を記録し、必要に応じてケアプランを変更します。
| 記録する項目 | 記録の例 |
|---|---|
| 経緯 | 〇〇診療所の〇〇医師から、食事量の低下と発熱のため自宅でのカンファレンスの依頼あり |
| 日時・場所・参加者 | 〇月〇日、利用者宅。〇〇医師、訪問看護師〇〇、本人、長女、ケアマネ |
| 話し合った内容 | 点滴の実施と、看取りも視野に入れた今後の方針を確認 |
| 調整の結果 | 訪問看護を週2回から毎日に増やし、介護ベッドを導入 |
急な変化にすぐ動ける体制をつくる
緊急時のカンファレンスは、急に日程が決まることがほとんどです。いざというときに参加できるよう、ふだんから準備しておきましょう。
- 医療機関と連絡の方法を決めておく:訪問診療の医療機関とは、急ぎの連絡をどの手段で行うかを事前に確認しておく
- 事業所内で予定を調整できるようにする:担当のケアマネジャーが参加できるよう、ほかの訪問の日程を変える手順を決めておく
- サービス事業所の連絡先をまとめる:すぐにサービスを増やせるよう、利用者ごとの事業所の連絡先と、追加で頼める事業所の情報を整理しておく
- 本人・家族の意向を日ごろから聞いておく:急変時や終末期にどこで過ごしたいかを、話せるときに聞いて記録しておく
特に終末期の利用者では、状態が変わってから意向を確認するのでは間に合わないことがあります。人生の最終段階の過ごし方について、本人・家族と少しずつ話し合っておくことが、緊急時の判断を支えます。
よくある質問
同じ月に3回カンファレンスを行った場合は?
ターミナルケアマネジメント加算と同じ月に算定できますか?
訪問看護ステーションの看護師から求められた場合も対象ですか?
サービスの調整が不要だった場合は算定できますか?
- 緊急時等居宅カンファレンス加算は、1回200単位・月2回まで
- 病院・診療所の求めにより、その医師や看護師等と共に自宅でカンファレンスを行う
- カンファレンスの結果をふまえ、必要に応じてサービスを調整する
- 自分で開いた担当者会議や電話での相談は対象外と考える
- 経緯・日時・参加者・内容・調整の結果を記録し、ケアプランも見直す
















