高齢者のハンドマッサージのやり方|手順と力加減・行わないほうがよいとき

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「施設で利用者さんにハンドマッサージをしてあげたい」「高齢の親の手をさすってあげたいけれど、強さがわからない」。手にふれるケアは、特別な道具がなくても始められ、会話のきっかけにもなります。ただ、高齢者の手は皮膚が薄く、関節が変形していることもあるため、やり方には配慮が必要です。

結論からいうと、高齢者のハンドマッサージは、声をかけて同意を得てから、手を温め、少量のオイルやクリームを使って、手の甲・指・手のひら・前腕の順に、手のひら全体で包むようにやさしくさするのが基本です。強く押したりもんだりせず、「気持ちいい」と感じる程度の力で、5〜10分ほどを目安に行います。この記事では、ハンドマッサージの手順と声かけ、行わないほうがよいときをまとめました。

この記事でわかること
  • 高齢者にハンドマッサージを行うときの考え方
  • 準備するものと、始める前の確認
  • ハンドマッサージの手順と力加減のコツ
  • 行わないほうがよいときと、注意点
目次

高齢者へのハンドマッサージの考え方

ここでいうハンドマッサージは、治療のための施術ではなく、手にやさしくふれて、心地よさや安心感を届けるケアです。介護の現場では、入浴後や余暇の時間、眠る前などに取り入れられています。

  • 手にふれることで、言葉が少ない人ともコミュニケーションがとりやすい
  • 手の皮膚や爪の状態、むくみなど、ふだん気づきにくい変化に気づくきっかけになる
  • ゆっくりした時間をつくることで、落ち着いて過ごす一助になる
新人ケアマネ新人

マッサージというと、しっかりもむイメージがあります。

ベテランケアマネ先輩

高齢者には、もむのではなく「さする」「包む」くらいの力で十分よ。皮膚が薄いから、強くこすると内出血したり、皮膚がむけたりすることがあるの。相手の表情を見ながら、ゆっくり行うのがコツね。

準備するものと始める前の確認

準備するものポイント
オイル・クリームすべりをよくして皮膚の摩擦を減らす。無香料のハンドクリームでもよい。アロマを使う場合は薄めたものを使う
タオルひざの上や机に敷き、手を置く台にする。終わったあとの拭き取りにも使う
楽な姿勢いすや車いすに座る、ベッドで背もたれを起こすなど、本人が楽な姿勢をとる

始める前に確認すること

  • 体調はどうか(熱、だるさ、痛みがないか)
  • 手に傷、湿疹、赤み、腫れ、熱をもっている部分がないか
  • 点滴や透析のシャント(血管の手術をした部分)がある腕ではないか
  • オイルやクリームで、これまで肌トラブルが出たことはないか
  • 本人がやってほしいと思っているか

ハンドマッサージの手順

  • 声をかけて同意を得る「手を温めましょうか」などと声をかけ、了解をもらってから始めます。
  • 自分の手を温める冷たい手でふれると驚かせてしまうため、自分の手を温め、オイルも手のひらで温めます。
  • 手の甲をさする手のひら全体で、手の甲を指先から手首に向かってゆっくりさすります。
  • 指を1本ずつ包む指の付け根から指先に向けて、1本ずつ軽く包むようにすべらせます。関節を無理に曲げたり伸ばしたりしません。
  • 手のひらをほぐす親指の腹で、手のひらに小さな円をえがくようにやさしくさすります。
  • 前腕をさする手首からひじに向かって、手のひらで包むようにさすります。
  • 包んで終わる最後に両手で相手の手を包み、ぬくもりを伝えてから離します。余分なオイルはタオルで拭きます。

片手5分ほど、両手で10分程度が目安です。途中で「痛くないですか」「この強さでいいですか」と確認しながら進めると、本人も安心できます。

新人ケアマネ新人

指が曲がったまま伸びない人には、どうすればいいですか?

ベテランケアマネ先輩

関節が固くなっている指を無理に伸ばそうとするのは避けて、そのままの形で包むようにさするだけにしましょう。関節を動かす練習が必要な場合は、リハビリ職に相談してね。

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行わないほうがよいときと注意点

こんなとき理由・対応
発熱や体調不良があるとき体に負担がかかるため、その日は見送る
傷・湿疹・やけどがあるその部分は避ける。悪化させるおそれがある
関節が赤く腫れて熱をもっている炎症が起きている可能性がある。さわらずに看護師や主治医に伝える
急に片方の腕だけがむくんだ、痛みがある病気のサインのことがある。さすらずに医療職に相談する
血液をさらさらにする薬を飲んでいる内出血しやすいため、特に力を弱くする
本人がいやがっている無理に続けない。別の時間や方法を考える

介護施設で行う場合は、施設の方針を確認し、持病のある人は看護師や主治医と相談してから始めましょう。行った日時や本人の様子を記録しておくと、職員どうしで共有できます。

ハンドマッサージ中の声かけと会話のコツ

ハンドマッサージの時間は、ゆっくり話を聞ける貴重な時間でもあります。手順だけに集中せず、会話を楽しむ気持ちで行いましょう。

場面声かけの例
始めるとき「手が冷えていますね。少し温めましょうか」
力加減の確認「この強さで痛くないですか」「もう少し軽くしましょうか」
会話のきっかけ「若いころはどんなお仕事をされていたんですか」「この指輪は思い出のものですか」
終わるとき「手がぽかぽかしてきましたね。また一緒にやりましょう」

手にふれていると、昔の仕事や家族の話が自然に出てくることがあります。聞いた話は記録に残し、ケアプランや日々の関わりに生かすと、その人らしい支援につながります。

よくある質問

オイルがなくてもできますか?
できます。無香料のハンドクリームやローションでも代わりになります。何も使わない場合は、皮膚をこすらないよう、より軽い力で包むようにふれましょう。
認知症の人にも行えますか?
行えます。急に手を取ると驚かせてしまうため、正面から目を合わせて声をかけ、ゆっくりふれてから始めましょう。
どのくらいの頻度で行えばいいですか?
決まりはありません。本人が楽しみにしているなら、入浴後や眠る前など、毎日の習慣にしてもよいでしょう。
ハンドマッサージの方法を学ぶにはどうすればいいですか?
本や動画で学ぶほか、高齢者への施術を学べる講座を受ける方法があります。実際に人の手で練習し、力加減を身につけることが大切です。
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まとめ
  • 高齢者のハンドマッサージは、心地よさと安心感を届けるケア
  • もまずに、手のひら全体で包むように「さする」力で行う
  • 手の甲・指・手のひら・前腕の順に、片手5分ほどが目安
  • 傷や炎症、急なむくみ、体調不良があるときは行わない
  • 施設では方針を確認し、持病のある人は医療職と相談してから始める

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