高齢者のノロウイルス対策|嘔吐物の処理と家庭での消毒方法

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「親が急に吐いた。ノロウイルスかもしれない」「家族にうつらないように、どう片づければいいの?」。ノロウイルスによる感染性胃腸炎は、11月ごろから冬にかけて増え、家庭や介護施設で広がりやすい感染症です。

高齢者は嘔吐や下痢で脱水になりやすく、吐いたものがのどに詰まる危険もあるため、早めの対応が大切です。また、ノロウイルスはアルコールが効きにくく、正しく消毒しないと家族に広がります。この記事では、高齢者のノロウイルスの症状と受診の目安、嘔吐物の処理と消毒の方法、家庭での予防策をまとめました。

この記事でわかること
  • ノロウイルスの症状と、高齢者が気をつけたいこと
  • 受診したほうがいいサイン
  • 嘔吐物の処理と消毒液(次亜塩素酸ナトリウム)の作り方
  • 家庭で感染を広げないための予防策
目次

ノロウイルスの症状と高齢者が気をつけたいこと

ノロウイルスに感染すると、24〜48時間ほどの潜伏期間のあと、吐き気・嘔吐・下痢・腹痛などが出ます。発熱は軽いことが多く、通常は1〜2日で回復します。ただし、高齢者や持病のある人は症状が重くなることがあります。

気をつけたいこと理由
脱水嘔吐と下痢で水分が失われる。高齢者はのどの渇きを感じにくい
嘔吐物の誤嚥・窒息寝たまま吐くと、吐いたものが気管に入ることがある
体力の低下食事がとれない日が続くと、回復後も動けなくなることがある
家族への感染ごく少量のウイルスで感染し、便や嘔吐物から広がる

ノロウイルスには、効く薬(抗ウイルス薬)やワクチンはなく、水分補給をしながら回復を待つのが基本です。下痢止めの薬はウイルスが体の外に出るのを妨げることがあるため、自己判断で使わず医師に相談しましょう。

新人ケアマネ新人

吐いたあと、すぐに水を飲ませても大丈夫ですか?

ベテランケアマネ先輩

吐いた直後はまた吐きやすいから、少し落ち着いてからにしてね。スプーン1杯くらいの経口補水液を、少しずつ回数を分けて飲んでもらうのがいいわ。

吐いたときの姿勢

横になっているときに吐きそうになったら、顔を横に向けるか、体ごと横向きにして、吐いたものがのどに詰まらないようにします。口の中に残ったものは、ガーゼなどでやさしく取り除きましょう。

受診したほうがいいサイン

  • 水分がとれない、飲んでもすぐ吐いてしまう
  • 半日以上おしっこが出ない、尿の色がとても濃い
  • ぐったりしている、呼びかけへの反応が鈍い
  • 便に血が混じる、強い腹痛が続く
  • 吐いたあとに咳きこみ、息苦しそう・熱が上がってきた(誤嚥のおそれ)

かかりつけ医に電話で症状を伝え、受診の方法を相談しましょう。意識がはっきりしない、呼吸が苦しそうなときは救急車を呼びます。判断に迷うときは、地域の救急相談窓口(#7119など、地域によって番号や有無が異なる)も使えます。

ノロウイルスの嘔吐物の処理と消毒方法

ノロウイルスはアルコール消毒が効きにくいため、嘔吐物や便の処理には、家庭用の塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)を薄めて使います。

使う場所濃度作り方の目安(原液5%の場合)
嘔吐物・便が付いた床や衣類0.1%水500mlに原液10ml(ペットボトルのキャップ約2杯)
ドアノブ・手すり・便座など0.02%水500mlに原液2ml(キャップ約半杯)

製品によって原液の濃度が違うため、ラベルの表示を確認して薄めます。消毒液は時間がたつと効果が落ちるので、使うたびに作り、残りは捨てます。

  • 窓を開けて換気し、身を守る使い捨て手袋・マスク・エプロンを着けます。ほかの家族は近づかないようにします。
  • 嘔吐物を外側から内側へ集めるペーパータオルなどで覆い、外側から内側に向けて静かに拭き取り、ビニール袋に入れます。
  • 0.1%の消毒液で消毒する吐いた場所と周りの広い範囲を消毒液をしみこませたペーパーで覆うか拭き、しばらくおいてから水拭きします。
  • ゴミは袋の口をしっかり縛る手袋なども同じ袋に入れ、消毒液を少し入れてから口を縛って捨てます。
  • 石けんと流水で手を洗う手袋を外したあと、指の間や手首まで丁寧に洗います。
乾く前に片づけることが大切 嘔吐物が乾くと、ウイルスが空気中に舞い上がり、口から入って感染することがあります。見つけたらすぐに処理しましょう。塩素系の消毒液は金属をさびさせ、布の色落ちの原因にもなるため、消毒したあとは水拭きします。酸性の洗剤とは混ぜないでください。

汚れた衣類・シーツの洗い方

汚れを取り除いたあと、ほかの洗濯物と分け、85℃以上のお湯に1分以上つけるか、塩素系漂白剤で消毒してから洗濯します。洗濯物を扱うときも手袋とマスクを着けましょう。

家庭でノロウイルスを広げない予防策

  • 石けんと流水の手洗い:トイレのあと、食事の前、介護のあとは必ず手を洗います。
  • タオルを分ける:手ふきタオルは共用せず、ペーパータオルを使うと安心です。
  • トイレの消毒:便座、レバー、ドアノブを0.02%の消毒液で拭きます。ふたを閉めてから流しましょう。
  • 食品は中心まで加熱する:二枚貝などは、中心部が85〜90℃で90秒以上になるように加熱します。
  • 回復後もしばらく注意する:症状がおさまっても、便には1週間ほど、長いと1か月ほどウイルスが出ることがあります。

いざというときの備え

冬の前に、使い捨て手袋・マスク・エプロン、ペーパータオル、ビニール袋、塩素系漂白剤、計量に使う空のペットボトルを、1つの袋や箱にまとめておくと、夜中に吐いたときも慌てずに処理できます。経口補水液やゼリー飲料も少し買い置きしておくと安心です。一人暮らしの親の家にも、同じセットを置いておくとよいでしょう。

新人ケアマネ新人

デイサービスやショートステイは、いつから行けますか?

ベテランケアマネ先輩

事業所ごとに決まりがあるから、症状がおさまったら、ケアマネや事業所に連絡して再開の時期を相談してね。施設に広がると大変だから、連絡は早めが大事よ。

よくある質問

ノロウイルスに一度かかれば、もうかかりませんか?
ノロウイルスにはいくつもの型があり、免疫も長く続かないため、何度もかかることがあります。
手指のアルコール消毒は意味がないのですか?
ノロウイルスにはアルコールが効きにくいため、石けんと流水でしっかり手を洗うことが基本です。外出先などで手洗いができないときの補助として使いましょう。
家族が介護するときに気をつけることは?
おむつ交換や嘔吐物の処理は、使い捨ての手袋とマスクを着けて行います。できれば介護する人を決め、ほかの家族との接触を減らしましょう。
食欲がないときは、何を食べればいいですか?
無理に食べる必要はなく、まずは水分補給を優先します。吐き気がおさまってきたら、おかゆ、うどん、すりおろしたりんごなど、消化のよいものを少しずつ食べましょう。
経口補水液がないときは?
スポーツドリンクや、少し塩を入れた湯冷ましなどで代用することもあります。持病で水分や塩分の制限がある人は、医師に相談しましょう。
まとめ
  • ノロウイルスは冬に増え、高齢者は脱水や嘔吐物の誤嚥に注意が必要
  • 水分がとれない、尿が出ない、ぐったりしているときは受診する
  • アルコールは効きにくく、消毒には薄めた次亜塩素酸ナトリウムを使う
  • 嘔吐物・便には0.1%、ドアノブなどには0.02%の濃度が目安
  • 手洗い、タオルを分ける、トイレの消毒で家族への感染を防ぐ

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