高齢者が夜眠れない原因と対策|ぐっすり眠るための生活の工夫

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「親が夜中に何度も起きて、眠れないとこぼしている」「夜8時には布団に入るのに、朝3時に目が覚めてしまうらしい」「睡眠薬を飲みたいと言い出した」。年をとると、眠りに関する悩みが増えてきます。

年齢とともに眠りが浅くなり、夜中に目が覚めやすく、朝早く起きるようになるのは自然な変化です。ただし、布団に入っている時間が長すぎたり、昼寝をしすぎたりすると、かえって夜眠れなくなることがあります。この記事では、高齢者が夜眠れない原因と、生活の中でできる対策、受診したほうがいい不眠の見分け方をまとめました。

この記事でわかること
  • 年齢とともに眠りがどう変わるか
  • 高齢者が夜眠れない主な原因
  • 家族と一緒にできる、ぐっすり眠るための生活の工夫
  • 受診したほうがいい不眠と、睡眠薬の注意点
目次

年齢とともに眠りはどう変わる?

変化内容
必要な睡眠時間が短くなる若いころより、夜に眠れる時間は短くなるのが一般的
眠りが浅くなる深い眠りが減り、物音やトイレで目が覚めやすくなる
早寝早起きになる体内時計が前にずれ、夕方から眠くなり、朝早く目が覚める
昼間にうとうとしやすい夜の眠りが浅い分、日中に眠気が出やすい

厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、高齢者は床に就いている時間が8時間以上にならないようにすることがすすめられています。眠れないのに長く布団の中にいると、「眠れない」という気持ちが強くなり、眠りの質も下がりやすくなるためです。

新人ケアマネ新人

「8時間は寝ないといけない」と思っている親が多い気がします。

ベテランケアマネ先輩

そうなの。でも高齢になると、夜に6時間前後眠れていれば十分なことも多いのよ。日中に元気に過ごせているなら、睡眠時間の数字にこだわりすぎなくていいわ。

高齢者が夜眠れない主な原因

原因例
生活習慣早すぎる就寝、長い昼寝、日中の活動量が少ない、夕方以降のカフェインや寝酒
体の症状夜間の頻尿、痛み、かゆみ、咳、足のむずむず感、こむら返り
病気睡眠時無呼吸症候群、うつ病、認知症、心臓や呼吸器の病気
薬利尿薬を夜に飲んでいる、ほかの薬の副作用
環境寝室が暑い・寒い、明るい、騒がしい、寝具が合わない
心の状態心配ごと、さびしさ、配偶者との死別などの喪失体験

原因は一つとは限らず、いくつかが重なっていることもよくあります。「いつ目が覚めるか」「目が覚めたときに何をしているか」を書き出すと、原因が見えてきます。

睡眠の記録をつけてみる

眠れない原因を探すには、1〜2週間ほど睡眠の記録をつけるのが役立ちます。布団に入った時間、眠った時間、夜中に目が覚めた回数と理由、起きた時間、昼寝の時間を、カレンダーやノートに書くだけでかまいません。記録があると、「布団に入る時間が早すぎる」「昼寝が長い日は夜眠れていない」など、生活の中の原因に気づきやすくなります。受診するときも、医師に様子を正確に伝えられます。離れて暮らす家族は、電話のたびに「昨日は何時に寝た?」と聞くだけでも、変化に気づくきっかけになります。

記録すること例
布団に入った時間・眠った時間20時に布団、22時ごろ眠った
夜中に目が覚めた回数と理由2回、トイレ
朝起きた時間4時に目が覚め、5時に起きた
昼寝13時〜15時

高齢者が夜眠れないときにできる生活の工夫

  • 朝は決まった時間に起き、日光を浴びる朝の光は体内時計を整えます。カーテンを開けて、窓際で朝食をとるのもよい方法です。
  • 日中に体を動かす散歩、家事、デイサービスでの体操など、日中の活動が夜の眠りにつながります。
  • 昼寝は短く、早い時間に長い昼寝や夕方のうたた寝は、夜の眠りを浅くします。昼寝をするなら午後の早い時間に短めにします。
  • 眠くなってから布団に入る早すぎる時間に布団に入らず、眠くなってから寝室に行きます。眠れないときは一度布団から出て、明かりを落とした部屋で静かに過ごします。
  • 夕方以降のカフェインと寝酒を控えるお茶やコーヒーのカフェインは目をさえさせます。お酒は寝つきをよくしても、夜中に目が覚める原因になります。
  • 寝室の環境を整える暑すぎず寒すぎない温度にし、明かりや音を調整します。夜中のトイレのために、足元灯を置くと安心です。

夜中のトイレで目が覚める場合

夕方以降の水分のとり方を見直すことは大切ですが、水分を減らしすぎると脱水の原因になります。日中にしっかり水分をとり、寝る前の大量の水分を控えるようにしましょう。寝る前にトイレを済ませる習慣をつけ、寝室からトイレまでの通り道を明るくしておくことも大切です。夜間に何度もトイレに起きる場合は、前立腺の病気や心臓の病気が隠れていることもあるため、医師に相談しましょう。

新人ケアマネ新人

デイサービスに行く日は、夜よく眠れているみたいです。

ベテランケアマネ先輩

そうなのよ。日中に人と話して体を動かすことは、夜の眠りにとって大事なの。家にこもりがちな人は、デイサービスや地域の集まりに参加するのも、眠りの対策になるわ。

受診したほうがいい不眠と睡眠薬の注意点

次のような場合は、かかりつけ医に相談しましょう。

  • 眠れない状態が続き、日中にぼんやりする、転びやすくなった
  • 大きないびきや、寝ている間に呼吸が止まっていると言われる
  • 気分が落ち込む、何にも興味がわかない(うつ病の可能性)
  • 夜中に大声を出す、手足をばたつかせる
  • 足がむずむずして眠れない
睡眠薬は医師と相談して使う 睡眠薬の中には、翌朝まで眠気やふらつきが残り、転倒の原因になるものがあります。家族の薬を分けたり、自己判断で量を増やしたりせず、医師の指示どおりに使いましょう。夜中にトイレに起きるときは、ふらつきに注意が必要です。

よくある質問

昼寝はしないほうがいいですか?
昼寝そのものが悪いわけではありません。午後の早い時間に短めにとる昼寝は、体を休めるのに役立ちます。夕方以降のうたた寝や、何時間も寝てしまう昼寝は避けましょう。
認知症の親が夜中に起きて歩き回ります。
昼夜逆転は認知症でよくみられます。日中の活動を増やす、夕方に不安が強くなる前に声かけをするなどの工夫があります。家族の睡眠が取れない場合は、ショートステイなども検討し、ケアマネジャーに相談しましょう。
寝る前のテレビやスマホはよくないですか?
明るい画面の光は目をさえさせることがあります。寝る前の時間は、明るさを落とし、ラジオや音楽などで過ごすのもおすすめです。
眠れないときに、家族は何をすればいいですか?
「早く寝なさい」と言うより、日中に一緒に散歩する、買い物に誘うなど、昼間の過ごし方を一緒に工夫するほうが効果的です。眠れないことへの不安を聞いてあげることも大切です。
枕や布団を替えると眠れるようになりますか?
首や腰が痛くて目が覚める場合は、寝具を見直すことで楽になることがあります。高さや硬さが体に合っているか確認しましょう。
まとめ
  • 年齢とともに眠りが浅く短くなり、早寝早起きになるのは自然な変化
  • 高齢者は、布団に入っている時間が8時間以上にならないようにする
  • 朝の光、日中の活動、短い昼寝、眠くなってから布団に入ることが大切
  • 夜間頻尿・いびき・気分の落ち込みなどがあれば、医師に相談する
  • 睡眠薬は転倒の原因にもなるため、医師の指示どおりに使う

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