住所地特例とは?介護保険の対象施設・手続きをわかりやすく解説

「親を別の市の老人ホームに入れたら、介護保険はどこの市になるの?」「住民票を施設に移したら、保険料も変わる?」。施設入所に合わせて住所を移すときに、知っておきたいのが介護保険の「住所地特例」です。
結論からいうと、住所地特例とは、他の市区町村にある介護保険施設や有料老人ホームなどに入所して住民票を移しても、入所前の市区町村が引き続き介護保険の保険者になる仕組みです。保険料も、入所前の市区町村に払い続けます。この記事では、対象になる施設、対象外の施設、手続き、使えるサービスの注意点をまとめました。
- 住所地特例とは何か、なぜある制度なのか
- 住所地特例の対象になる施設・ならない施設
- 住所地特例の手続きと、介護保険証の扱い
- 住所地特例の人が使えるサービスと注意点
住所地特例とは?わかりやすく解説
介護保険は、原則として住民票がある市区町村が保険者になります。引っ越しをすれば、新しい住所の市区町村の介護保険に入り直すのが基本です。
しかし、このルールのままだと、特別養護老人ホームや有料老人ホームが多い市区町村に、他の地域から高齢者が集まり、その市区町村の介護保険の財政負担だけが重くなってしまいます。そこで、施設に入所して住所を移した人については、元の市区町村が引き続き保険者になる例外を設けています。これが住所地特例です。
| 通常の引っ越し | 住所地特例の対象施設へ入所 | |
|---|---|---|
| 住民票 | 新しい住所 | 施設の住所 |
| 介護保険の保険者 | 新しい市区町村 | 入所前の市区町村のまま |
| 介護保険料 | 新しい市区町村の基準で払う | 入所前の市区町村の基準で払う |
| 介護保険証 | 新しい市区町村が発行 | 入所前の市区町村が発行 |
新人住民票は施設に移すのに、介護保険は前の市のままなんですね。ややこしいです。
先輩最初は混乱するわよね。「住民票は施設、介護保険は元の市」と覚えておくといいわ。施設が多い市町村の負担が偏らないようにするための仕組みなのよ。
住所地特例の対象になる施設・ならない施設
| 対象になる施設 | 対象にならない施設 |
|---|---|
| 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム・定員30人以上) | 地域密着型介護老人福祉施設(定員29人以下の特養) |
| 介護老人保健施設(老健) | 認知症対応型共同生活介護(グループホーム) |
| 介護医療院 | 地域密着型特定施設(定員29人以下の介護付き有料など) |
| 有料老人ホーム(介護付き・住宅型など) | 有料老人ホームに当たらないサービス付き高齢者向け住宅 |
| 軽費老人ホーム(ケアハウスなど)・養護老人ホーム | |
| 有料老人ホームに当たるサービス付き高齢者向け住宅 |
グループホームや定員29人以下の地域密着型の施設は、原則としてその市区町村の住民が使うサービスなので、住所地特例の対象になりません。入所するには、施設がある市区町村の住民であることが条件になるのが一般的です。
サ高住は、食事の提供などのサービスがあって有料老人ホームに当たるものは対象になります。対象かどうかは、施設や市区町村に確認しましょう。
住所地特例の具体例
実際の扱いは市区町村によって細かい違いがあるため、入所が決まったら、元の市区町村と施設の両方に手続きを確認しておきましょう。
住所地特例の手続きと介護保険証の扱い
- 入所前の市区町村に届け出る住民票を施設の住所へ移すときに、入所前の市区町村へ「住所地特例適用届」などを出します。施設が手続きを案内してくれることも多いです。
- 新しい介護保険証を受け取る住所が施設の住所に変わった介護保険証が、入所前の市区町村から届きます。保険者は元の市区町村のままです。
- 施設が施設のある市区町村に届け出る施設側も、住所地特例の対象者が入所・退所したことを届け出ます。
- 退所したら変更届施設を退所して別の住所に移る場合は、住所地特例の終了などの手続きが必要です。
要介護認定の更新や区分変更の申請先も、原則として元の市区町村(保険者)です。認定調査は、施設がある市区町村などに委託されることがあります。
新人保険料の納付書はどこから届くんですか?
先輩元の市区町村からよ。年金から天引きされている人は、そのまま続くことが多いわ。住所が変わるので、納付書の送り先や口座振替の扱いは元の市区町村に確認しておくと安心ね。
住所地特例の人が使えるサービスと注意点
地域密着型サービスは、原則としてその市区町村の住民だけが使えるサービスです。ただし、2015年度からは、住所地特例の人も、施設がある市区町村の地域密着型サービスの一部や、総合事業などの地域支援事業を使えるようになりました。
- 使えるもの:施設のある市区町村の地域密着型通所介護(小規模デイ)、定期巡回・随時対応型訪問介護看護など(施設の種類や市区町村の運用による)
- 相談先:施設がある地域の地域包括支援センターが、介護予防ケアマネジメントなどを担当します。
- 負担軽減の制度:高額介護サービス費、負担限度額認定(食費・居住費の軽減)なども、保険者である元の市区町村に申請します。
よくある質問
住民票を移さずに施設に入ることはできますか?
住所地特例で保険料が高くなることはありますか?
病院に入院して住所を移した場合も住所地特例になりますか?
ケアマネはどこの事業所に頼めばいいですか?
- 住所地特例は、他の市区町村の施設に入所して住所を移しても、元の市区町村が保険者のままになる仕組み
- 対象は特養(定員30人以上)・老健・介護医療院・有料老人ホーム・軽費・養護老人ホームなど
- グループホームや地域密着型の施設は対象外
- 介護保険証・保険料・認定の申請先は、元の市区町村
- 施設がある市区町村の地域密着型サービスの一部や地域支援事業は使える
















