障害者の短期入所(ショートステイ)とは?福祉型・医療型と費用・流れ

「家族が入院することになり、障害のある子どもを数日預けたい」「介護に疲れて、少し休む時間がほしい」「障害者のショートステイは、高齢者のショートステイと何が違う?」。在宅で障害のある家族を介護していると、こうした場面は必ず訪れます。
結論からいうと、障害者の短期入所(ショートステイ)は、介護する家族の病気や冠婚葬祭、休息(レスパイト)などのときに、施設に短期間泊まって入浴・排せつ・食事などの介護を受けられる障害福祉サービスです。福祉型と医療型があり、利用には受給者証が必要です。この記事では、短期入所の種類、対象者、費用、利用の流れ、上手な使い方をまとめました。
- 障害者の短期入所とは何か、介護保険のショートステイとの違い
- 福祉型・医療型の違いと対象者
- 費用の目安と利用日数のルール
- 利用の流れと、いざというときに困らないための準備
障害者の短期入所(ショートステイ)とは
短期入所は、障害者総合支援法にもとづく介護給付のひとつです。自宅で介護をしている家族が、病気や出産、冠婚葬祭、仕事、休息などの理由で一時的に介護できないときに、本人が施設に短期間入所して、夜間も含めた介護を受けられるサービスです。
障害者だけでなく、障害のある子どもも利用できます。家族の休息のための利用も認められており、長く在宅生活を続けるための大切なサービスです。また、本人にとっては、家族以外の人と過ごす経験や、将来のグループホームや施設での生活に向けた練習の機会にもなります。
新人介護保険のショートステイと同じようなものですか?
先輩仕組みは似ているわ。でも障害者の短期入所は、障害者支援施設や病院などに併設されていることが多く、障害の特性に合わせた支援を受けられるのが特徴よ。65歳を過ぎると、原則として介護保険のショートステイが優先になるの。
福祉型と医療型の違い
| 福祉型短期入所 | 医療型短期入所 | |
|---|---|---|
| 主な実施場所 | 障害者支援施設、グループホーム、単独の短期入所事業所など | 病院、診療所、介護老人保健施設など |
| 主な対象 | 障害支援区分1以上の人、障害児(支援の度合いが区分1以上相当) | 重症心身障害児・者、人工呼吸器を使うなど医療的ケアが必要な重い障害のある人 |
| 特徴 | 日常生活の介護が中心 | 看護師などによる医療的なケアを受けられる |
また、事業所の形にも、短期入所だけを行う「単独型」、施設に併設された「併設型」、施設の空いているベッドを使う「空床型」があります。医療型の事業所は数が少なく、予約が取りにくい地域も多いのが現状です。
費用の目安と利用日数
自己負担
サービスの費用は原則1割負担で、世帯の所得に応じた負担上限月額(0円、9,300円、37,200円など。障害児は4,600円の区分もあり)があります。ほかの障害福祉サービスと合わせて、上限を超えて払うことはありません。
このほかに、食費や光熱水費、日用品費などの実費がかかります。低所得の人は、食事の提供にかかる費用の負担が軽くなる仕組みがあります。送迎を頼む場合は、事業所によっては送迎の費用がかかることもあります。
利用できる日数
1か月に使える日数は、本人や家族の状況をもとに市区町村が支給決定で決めます。受給者証に書かれた日数の範囲で利用します。長期間の連続利用や、年間の利用日数が多くなる場合は、市区町村によって上限の考え方があるので、施設入所やグループホームなどほかの選択肢も含めて相談支援専門員と検討しましょう。
短期入所の利用の流れ
- 市区町村で受給者証を取る短期入所の支給決定を受けます。介護給付なので、障害支援区分の認定が必要です。
- 事業所を探して見学する相談支援専門員に、近くの事業所や空き状況を聞きます。本人と一緒に見学しましょう。
- 契約と事前の面談本人の特性、食事の形態、服薬、医療的ケア、苦手なことなどを詳しく伝えます。
- 予約して利用する多くの事業所は、利用したい月の1〜2か月前から予約を受け付けます。
新人急に家族が入院したときでも使えますか?
先輩空きがあれば使えるけれど、いきなり知らない事業所に泊まるのは、本人にとって大きな負担なの。だからこそ、元気なうちから定期的に使って、本人が慣れた事業所を作っておくことが大事よ。地域生活支援拠点として、緊急時の受け入れ先を確保している地域もあるわ。
上手に使うためのポイント
- 定期的な利用で慣れておく:月に1〜2泊など、ふだんから使っておくと、緊急時も受け入れてもらいやすくなります。
- 本人の情報をまとめておく:好きなこと、苦手なこと、こだわり、パニックのきっかけと落ち着く方法、服薬、食事の形態などを一枚にまとめると、どの事業所でも伝えやすくなります。
- 日中活動との組み合わせ:生活介護などに通いながら、夜だけ短期入所を使う形もあります。事業所間で送迎を調整できるか確認しましょう。
- 複数の事業所を確保する:予約が取れないときに備えて、使える事業所を2か所以上持っておくと安心です。
短期入所を使う前に家族ができる準備
はじめて短期入所を使うときは、本人も家族も不安が大きいものです。いきなり長い日数を使うのではなく、まずは1泊から始め、慣れてきたら日数を増やしていくと安心です。
持ち物は、着替え、洗面用具、服薬中の薬とお薬手帳、受給者証、健康保険証などが基本です。本人が安心できるお気に入りのタオルやおもちゃ、いつも使っている食器を持って行くと、慣れない場所でも落ち着きやすくなります。持ち物にはすべて名前を書いておきましょう。
利用後は、事業所から本人の様子を聞き取り、よかった点や気になった点を次回に生かします。本人が「また行きたい」と思える体験を積み重ねることが、長く使い続けるコツです。
よくある質問
日帰りで使えるサービスはありますか?
65歳を過ぎたらどうなりますか?
障害児も泊まれますか?
入所中に病院を受診することはできますか?
- 短期入所は、家族の事情や休息のときに、施設に短期間泊まって介護を受けられるサービス
- 福祉型(区分1以上)と、医療的ケアに対応する医療型がある
- 費用は原則1割で負担上限あり。食費などの実費は別にかかる
- 利用日数は市区町村が決め、受給者証に書かれた範囲で使う
- 緊急時に備えて、ふだんから定期的に使い、慣れた事業所を作っておく
















