障害福祉の人員基準と常勤換算|計算方法と短時間勤務の特例

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「常勤換算の計算方法がいまいちわからない」「パート職員が多いけれど、人員基準を満たしているか不安」「育休中の職員がいる場合はどう数えるの?」。障害福祉サービスの事業所では、人員基準を満たしていないと減算や、悪質な場合は指定取消しにつながります。

結論からいうと、障害福祉の人員基準は「常勤」「専従」「常勤換算」の3つの言葉の意味をおさえることが基本です。常勤換算は、職員全員の勤務時間の合計を常勤職員の勤務時間で割って、何人分の常勤職員がいるかを計算する方法です。この記事では、用語の意味、常勤換算の計算例、育児・介護の短時間勤務の特例、人員が欠けたときの減算と運営指導での注意点をまとめました。

この記事でわかること
  • 「常勤」「非常勤」「専従」「兼務」の意味
  • 常勤換算の計算方法と具体例
  • 短時間勤務の職員や休暇中の職員の扱い
  • 人員欠如減算と、運営指導で見られる書類
目次

人員基準で使う4つの言葉

用語意味
常勤事業所で決められた常勤の勤務時間数(週32時間を下回る場合は32時間が基本)に達して働いていること。雇用形態(正社員・パート)ではなく、勤務時間で判断する
非常勤常勤の勤務時間数に達しない働き方
専従勤務時間中、そのサービス以外の仕事をしないこと
兼務同じ時間帯に、ほかの職種や事業所の仕事もしていること

たとえば、事業所の常勤の勤務時間が週40時間の場合、週40時間働くパート職員は「常勤」になります。反対に、正社員でも週30時間しか働かない場合は、原則として「非常勤」として扱われます(育児・介護の短時間勤務などの特例を除く)。

新人ケアマネ新人

「常勤=正社員」だと思っていました。

ベテランケアマネ先輩

そこはよく間違えられるところね。人員基準の「常勤」は、雇用契約の形ではなく、勤務時間で判断するの。サビ管や管理者に「常勤」が求められているときは、勤務時間が足りているかを必ず確認してね。

常勤換算の計算方法

常勤換算は、次の式で計算します。

計算式 常勤換算の人数 = 職員全員のその職種での勤務時間の合計 ÷ 常勤職員が勤務すべき時間数

計算は、原則として暦月(1日〜末日)の勤務時間で行い、小数点第2位以下は切り捨てます。

計算の例

常勤の勤務時間が週40時間(4週で160時間)の事業所で、生活支援員が次のように働いた場合です。

職員4週の勤務時間
Aさん(常勤)160時間
Bさん(パート)96時間
Cさん(パート)64時間
合計320時間

320時間 ÷ 160時間 = 常勤換算2.0人になります。なお、常勤の職員(Aさん)は、休暇や出張で勤務しない日があっても、その月の勤務すべき時間を働いたものとして「1」と数えられます(暦月で1か月を超える休暇を除く)。

兼務している職員の数え方

サビ管と生活支援員を兼ねている場合など、兼務の職員は、それぞれの職種として働いた時間を分けて計算します。勤務表に、どの時間をどの職種として働いたかを分けて書いておくことが大切です。なお、サビ管はサービスの質の要となる職種のため、兼務できる範囲が決められています。

短時間勤務・休業中の職員の扱い

  • 育児・介護の短時間勤務:育児・介護休業法による短時間勤務制度などを使っている職員は、週30時間以上働いていれば、「常勤」として扱い、常勤換算でも「1」と数えることができます。
  • 産休・育休・介護休業中の職員:常勤の配置が求められる職種の職員が休業する場合、同じ資質を持つ複数の非常勤職員を常勤換算することで、基準を満たしているとみなせる特例があります。
  • 長期の病気休暇:暦月で1か月を超える休暇は、常勤換算の勤務時間に入れられません。
新人ケアマネ新人

職員が急に辞めたときは、どうなりますか?

ベテランケアマネ先輩

人員基準を満たせなくなると、「人員欠如減算」の対象になるわ。欠けた割合が小さい場合は翌々月から、大きい場合は翌月から減算されるのが基本の考え方よ。すぐに都道府県や市に相談して、採用の計画を立てることが大切ね。

人員欠如減算のしくみ

職種減算の考え方(概要)
サービス提供職員(生活支援員など)1割を超えて欠けた場合は翌月から、1割の範囲内なら翌々月から、解消されるまで減算。2か月を超えて続くと減算の割合が大きくなる
サービス管理責任者・児童発達支援管理責任者欠けた月の翌々月から、解消されるまで減算。長く続くと減算の割合が大きくなる

減算の割合や期間は、サービスの種類や欠けている期間によって違います。詳しくは減算の一覧や、都道府県の資料で確認してください。

運営指導で見られる書類とチェックポイント

  • 勤務表(予定と実績)職種ごと・日ごとの勤務時間がわかるか。兼務の職員の時間が分けて書かれているか。
  • 出勤簿・タイムカード勤務表と実際の出勤が一致しているか。
  • 雇用契約書・資格証雇用関係があり、必要な資格や研修修了を確認できるか。
  • 常勤換算の計算表毎月の計算が残っているか。基準を下回った月がないか。

勤務表は、指定申請のときの体制届と食い違いがないかもよく確認されます。職員の入れ替わりがあったときは、変更の届け出が必要な場合もあるので注意しましょう。

主なサービスの人員基準の例

人員基準はサービスごとに決められています。代表的なものは次のとおりです(概要)。

サービス主な職種と配置の考え方
生活介護管理者、サビ管、医師、看護職員・理学療法士等・生活支援員(利用者の平均区分に応じた人数を常勤換算で配置)
就労継続支援B型管理者、サビ管、職業指導員・生活支援員(利用者数に対して常勤換算で一定の割合)
就労移行支援管理者、サビ管、職業指導員・生活支援員、就労支援員
共同生活援助管理者、サビ管、世話人・生活支援員(利用者数や区分に応じて配置)
放課後等デイサービス管理者、児発管、児童指導員または保育士(障害児の人数に応じて配置)

配置の割合や、常勤でなければならない職種は細かく決められています。新しくサービスを始めるときや、定員を変えるときは、都道府県や指定都市の手引きで必ず確認しましょう。

よくある間違い

  • 管理者として働いた時間を、生活支援員の常勤換算に入れてしまう
  • 送迎の運転だけをしている時間を、支援の職員として数えてしまう
  • 勤務表の予定だけで計算し、実際の勤務時間で計算し直していない

よくある質問

常勤の勤務時間が週32時間の事業所もありますか?
就業規則で常勤の勤務時間を週32時間以上で決めている事業所もあります。32時間を下回る場合は、32時間が基本になります。
管理者は常勤換算に入りますか?
管理者としての時間は、生活支援員などの常勤換算には入りません。兼務している場合は、ほかの職種として働いた時間だけを数えます。
研修や会議の時間は勤務時間に入りますか?
業務として参加する研修や会議の時間は、勤務時間に含めるのが一般的です。扱いは指定権者に確認しておくと安心です。
まとめ
  • 人員基準の「常勤」は雇用形態ではなく勤務時間で判断する(週32時間が下限の基本)
  • 常勤換算は、勤務時間の合計を常勤の勤務時間で割って計算する
  • 育児・介護の短時間勤務は、週30時間以上で常勤として扱える特例がある
  • 人員が欠けると人員欠如減算の対象になり、長く続くと割合が大きくなる
  • 勤務表・出勤簿・資格証・計算表を毎月そろえておく

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