居宅介護とは?障害のホームヘルプの対象・4つの種類と料金

「障害のある家族のために、ホームヘルパーを頼みたい」「介護保険の訪問介護と、障害の居宅介護は何が違うの?」「家事だけ頼むこともできる?」。障害のある人が自宅で暮らし続けるうえで、ホームヘルプは欠かせないサービスです。
結論からいうと、居宅介護は、障害支援区分1以上の人の自宅にホームヘルパーが訪問し、入浴・排せつ・食事の介助や、調理・洗濯・掃除などの家事、通院の付き添いを行う障害福祉サービスです。この記事では、居宅介護の4つの種類、対象者、料金、重度訪問介護や介護保険の訪問介護との違いをまとめました。
- 居宅介護とは何か、対象になる人
- 身体介護・家事援助・通院等介助・通院等乗降介助の違い
- 頼めること・頼めないこと
- 料金の目安と、重度訪問介護・介護保険との違い
居宅介護とは?対象になる人
居宅介護は、障害者総合支援法の「介護給付」に入るサービスで、一般に「障害のホームヘルプ」と呼ばれます。障害のある人が自宅で自立した生活を送れるよう、ホームヘルパーが訪問して介助や家事を行います。
対象は、障害支援区分が1以上の人です。障害児の場合は、区分の認定はありませんが、これに相当する支援が必要と市区町村が認めた子どもが対象になります。身体障害・知的障害・精神障害(発達障害を含む)・難病のある人が使えます。
ホームヘルパーとして働くには、居宅介護職員初任者研修、介護職員初任者研修、実務者研修、介護福祉士などの資格が必要です。障害の特性に応じた関わりが求められるため、事業所によっては独自の研修を行っています。
新人介護保険のホームヘルプと同じようなものですか?
先輩内容は似ているわ。でも65歳以上や、特定疾病のある40〜64歳の人は、原則として介護保険の訪問介護が優先されるの。それでも、介護保険では足りない時間や内容があれば、居宅介護を上乗せして使えることもあるのよ。
居宅介護の4つの種類
| 種類 | 内容 | 主な対象 |
|---|---|---|
| 身体介護 | 入浴・排せつ・食事・着替えの介助、体位変換、見守りながら一緒に行う自立支援など | 区分1以上 |
| 家事援助 | 調理、洗濯、掃除、買い物、生活必需品の補充など | 区分1以上 |
| 通院等介助 | 病院への通院や役所での手続きの付き添い。身体介護を伴うものと伴わないものがある | 区分1以上(身体介護を伴う場合は区分2以上で、歩行などに介助が必要な人) |
| 通院等乗降介助 | ヘルパーが運転する車への乗り降りの介助と、受診などの手続き | 区分1以上 |
家事援助は、本人が一人暮らしの場合や、家族が障害・病気などで家事ができない場合が基本です。家族が同居している場合は、家族が家事をできない事情があるかどうかを市区町村が確認します。
頼めないこと
- 本人以外の家族のための家事(家族の分の食事づくり、家族の部屋の掃除など)
- 大掃除、庭の手入れ、ペットの世話など、日常の生活に必要とはいえないこと
- 医療行為(ただし、研修を受けたヘルパーは、たんの吸引や経管栄養の一部ができる)
- 趣味の外出への付き添い(これは移動支援や行動援護・同行援護の対象)
居宅介護の料金
居宅介護は、原則としてサービス費用の1割を負担します。ただし、世帯の所得に応じて月額の上限があり、それを超えて払うことはありません。
| 世帯の区分 | 月額の負担上限 |
|---|---|
| 生活保護・市町村民税非課税 | 0円 |
| 市町村民税課税(所得割16万円未満) | 9,300円 |
| 上記以外 | 37,200円 |
18歳以上の人の「世帯」は、本人と配偶者だけで判断します。親と同居していても、本人に収入が少なければ負担が0円になるケースが多くあります。障害児の場合は、保護者の世帯の所得で判断します(所得割28万円未満の世帯は月4,600円)。
使える時間数は、市区町村が「支給量」として決めます。区分や生活の状況、家族の介護の状況をもとに決まるため、困っていることを具体的に伝えることが大切です。
重度訪問介護・介護保険の訪問介護との違い
| 居宅介護 | 重度訪問介護 | 介護保険の訪問介護 | |
|---|---|---|---|
| 対象 | 区分1以上 | 区分4以上の重い障害のある人 | 要介護1以上 |
| 使い方 | 短い時間で必要なことを行う | 長時間の見守りを含めて総合的に支援 | 短い時間で必要なことを行う |
| 外出の支援 | 通院などに限る | 外出時の移動の支援も含む | 通院などに限る |
常に介護が必要で、長い時間の見守りが必要な人は、重度訪問介護のほうが合っていることがあります。どちらを使うかは、相談支援専門員と一緒に考えましょう。
新人65歳になったら、ヘルパーさんを変えないといけないんですか?
先輩事業所が障害と介護保険の両方の指定を受けていれば、同じヘルパーさんが続けて入れることもあるの。共生型サービスの制度もあるから、65歳の切り替えは早めに相談支援専門員とケアマネで話し合うのがおすすめよ。
居宅介護の利用の流れ
- 市区町村の障害福祉窓口に相談・申請困りごとを伝え、申請します。
- 障害支援区分の認定調査調査員が自宅などで聞き取りを行い、医師意見書とあわせて区分が決まります。
- サービス等利用計画の作成相談支援専門員が、どのサービスをどのくらい使うかの計画案を作ります。
- 支給決定・受給者証の交付使える時間数などが書かれた受給者証が届きます。
- 事業所と契約して利用開始ヘルパー事業所と契約し、訪問の曜日や時間を決めます。
居宅介護の事業所の選び方
同じ居宅介護でも、事業所によって得意な分野や対応できる時間帯が違います。契約の前に、次の点を確認しておきましょう。
- 障害の特性への理解:知的障害や精神障害、自閉スペクトラム症のある人の支援の経験があるか。こだわりや苦手なことを伝えたときに、対応を工夫してくれるか。
- 対応できる時間帯:早朝・夜間・土日に訪問できるか。急な予定の変更にどこまで対応できるか。
- ヘルパーの固定:毎回同じヘルパーが来るか。人が変わると不安が強くなる人は、担当を固定できる事業所が安心です。
- 医療的なケアへの対応:たんの吸引や経管栄養が必要な場合、研修を受けたヘルパーがいるか。
- 連絡のしやすさ:サービス提供責任者と連絡が取りやすいか。困ったことをすぐ相談できるか。
ヘルパー不足で、希望の時間に入れる事業所が見つからない地域もあります。一つの事業所で足りないときは、複数の事業所を組み合わせて使うこともできます。相談支援専門員に、地域の事業所の状況を聞いてみましょう。
よくある質問
家族が同居していても、家事援助は使えますか?
入院中も居宅介護は使えますか?
精神障害の人も使えますか?
- 居宅介護は、障害支援区分1以上の人の自宅にヘルパーが訪問するサービス
- 身体介護・家事援助・通院等介助・通院等乗降介助の4種類がある
- 家族のための家事や趣味の外出の付き添いは対象外
- 料金は原則1割で、所得に応じた月額上限がある
- 長時間の見守りが必要なら重度訪問介護、65歳からは介護保険が原則優先
















