施設入所支援とは?障害者支援施設の対象・費用とGHとの違い

「親が高齢になり、障害のある子を家で介護し続けるのが難しくなってきた」「障害者の入所施設って、どんな人が入れるの?」「費用はどのくらいかかる?」。親なきあとを考え始めた家族にとって、入所施設は大きな選択肢の一つです。
結論からいうと、施設入所支援は、障害者支援施設に入所する人に、夜間や休日の入浴・排せつ・食事などの介護を行う障害福祉サービスです。原則として障害支援区分4以上(50歳以上は区分3以上)の人が対象で、日中は同じ施設などで生活介護を受けて過ごすのが一般的です。この記事では、施設入所支援の対象、1日の流れ、費用の目安、グループホームとの違い、入所までの流れをまとめました。
- 施設入所支援・障害者支援施設とは何か
- 入所できる人の条件
- 1日の過ごし方と、費用の目安(補足給付のしくみ)
- グループホームとの違いと、入所までの流れ
施設入所支援とは?障害者支援施設のしくみ
障害者支援施設は、障害者総合支援法にもとづく入所施設です。昔は「身体障害者療護施設」「知的障害者更生施設」などと障害の種類ごとに分かれていましたが、2006年の法改正で、「夜間の支援(施設入所支援)」と「日中の支援(生活介護など)」を組み合わせるしくみに変わりました。
| 時間帯 | サービス | 内容 |
|---|---|---|
| 夜間・休日 | 施設入所支援 | 入浴・排せつ・食事の介護、生活の相談、見守り |
| 日中 | 生活介護、自立訓練、就労移行支援など | 創作活動、生産活動、介護、訓練など |
多くの人は、同じ施設の中で日中に生活介護を受けています。日中だけ外の就労継続支援B型などに通う人もいます。
入所できる人の条件
| 対象 | 条件 |
|---|---|
| 生活介護を受けている人 | 障害支援区分4以上(50歳以上は区分3以上) |
| 自立訓練・就労移行支援を受けている人 | 入所して訓練を受けることが必要で効果的と認められる人、または地域の事情で通うのが難しい人 |
| 上記以外 | 区分が条件に満たなくても、市区町村が入所が必要と認めた場合など(経過措置の対象者を含む) |
区分の条件を満たしていても、すぐに入所できるとは限りません。地域によっては入所待ちの人が多く、数年待つケースもあります。国は施設から地域への移行を進めているため、入所施設の定員は増えにくいのが現状です。
新人グループホームでは暮らせない人が入るところ、というイメージでいいですか?
先輩重い障害や医療的な支援が必要で、24時間の手厚い介護が必要な人が多いのは確かね。でも最近は、重い障害のある人を受け入れる日中サービス支援型のグループホームも増えているの。どちらが合うかは、本人の状態や希望で考えていくのよ。
施設での1日の流れ(例)
| 時間 | 過ごし方 |
|---|---|
| 7:00 | 起床、着替え、洗面、朝食 |
| 9:30 | 日中活動(生活介護):体操、創作活動、軽作業、散歩 |
| 12:00 | 昼食、休憩 |
| 13:30 | 午後の活動、入浴(曜日ごとに交代) |
| 18:00 | 夕食 |
| 19:00〜 | 余暇(テレビ、音楽など)、就寝の準備 |
| 21:00 | 就寝。夜勤の職員が見守りや排せつの介助を行う |
季節の行事や外出、家族との面会・帰省などもあります。帰省の頻度は家庭によってさまざまです。
費用の目安と補足給付
施設入所にかかる費用は、サービスの利用料と、食費・光熱水費の実費です。所得の低い人には負担を軽くするしくみがあります。
- 利用料:原則1割で、月額の上限があります。生活保護・市町村民税非課税の世帯は0円です。
- 食費・光熱水費:施設ごとに決められた実費がかかります。
- 補足給付(特定障害者特別給付費):市町村民税非課税の人などは、食費・光熱水費の負担が軽くなり、手元に一定のお金が残るように調整されます。
補足給付のしくみにより、障害基礎年金だけが収入の人でも、月2万5千円程度が手元に残るよう負担額が計算されるのが基本です(年金の額や年齢によって変わります)。実際の負担額は、施設や市区町村に試算してもらいましょう。
グループホームとの違い
| 障害者支援施設(施設入所支援) | グループホーム | |
|---|---|---|
| 規模 | 数十人以上の大きな施設が多い | 1つの住居に数人程度 |
| 対象の目安 | 区分4以上(50歳以上は3以上) | 区分を問わない |
| 日中 | 同じ施設で生活介護などを受けることが多い | 外の事業所に通う(日中サービス支援型は住居で過ごせる) |
| 暮らし方 | 集団生活の決まりが多め | 地域の住宅で、より家庭に近い暮らし |
入所までの流れ
- 相談支援専門員や市区町村に相談する家族の状況や本人の希望を伝え、入所以外の選択肢も含めて検討します。
- 施設を見学し、申し込む複数の施設を見学し、入所の申し込みをします。待機者名簿に登録されることが多いです。
- 短期入所で慣れておく入所を希望する施設の短期入所を使っておくと、本人が環境に慣れ、施設も本人の様子を知ることができます。
- 支給決定と契約空きが出たら、市区町村の支給決定を受けて、施設と契約します。
施設選びで確認したいポイント
- 日中活動の内容:どんな活動をしているか、本人の好きなことができるか、外出の機会があるか。
- 医療的な対応:看護師の配置、協力医療機関、服薬管理、医療的ケアへの対応ができるか。
- 居室の環境:個室か多床室か、プライバシーへの配慮、私物をどこまで持ち込めるか。
- 家族との関わり:面会の時間や方法、帰省の受け入れ、家族会の有無。
- 地域とのつながり:地域の行事への参加や、将来のグループホームへの移行を支援しているか。
- 職員の様子:見学のとき、職員が利用者にどう声をかけているか、雰囲気を確かめます。
入所施設は長く暮らす場所になることが多いため、複数の施設を見学して比べることが大切です。短期入所を何度か使ううちに、本人がその施設を気に入るかどうかもわかります。
親なきあとに備えて
親が元気なうちに、本人の好きなこと・苦手なこと、体調の変化のサイン、こだわりなどをまとめた「サポートブック」を作っておくと、施設の職員に本人のことを伝えやすくなります。成年後見制度の利用も、あわせて検討しておきましょう。
入所したあとも、家族が面会や行事に参加し続けることで、職員との信頼関係が深まり、本人の小さな変化にも気づいてもらいやすくなります。施設に任せきりにせず、「一緒に本人を支えるチーム」として関わっていくことが大切です。
よくある質問
65歳になったら、特別養護老人ホームに移らないといけませんか?
入所中に入院したらどうなりますか?
特別障害者手当はもらえますか?
- 施設入所支援は、障害者支援施設での夜間・休日の介護。日中は生活介護などを組み合わせる
- 原則として区分4以上(50歳以上は3以上)が対象。入所待ちの地域も多い
- 非課税世帯は利用料0円で、補足給付により手元にお金が残るよう調整される
- グループホームより規模が大きく、24時間の手厚い介護が必要な人が多い
- 見学と短期入所で慣れておき、早めに相談・申し込みをする
















