重度心身障害者医療費助成とは?対象・自己負担と申請方法

「障害者手帳を取ったら、医療費が安くなると聞いた」「重度心身障害者医療費助成ってどんな制度?」「65歳を過ぎてからでも使える?」。障害のある人は通院や入院の機会が多く、医療費の負担は暮らしに大きく影響します。
結論からいうと、重度心身障害者医療費助成は、重い障害のある人が病院で払う医療費の自己負担を、都道府県と市区町村が助成する制度です。国の制度ではないため、対象になる障害の程度、所得制限、自己負担の有無は、住んでいる地域によって違います。この記事では、制度のしくみ、一般的な対象者、使い方、ほかの医療費の制度との関係をまとめました。
- 重度心身障害者医療費助成とは何か
- 対象になる人の目安と、地域による違い
- 受給者証の申請と、病院での使い方
- 自立支援医療・難病の医療費助成・高額療養費との関係
重度心身障害者医療費助成とは
重度心身障害者医療費助成は、健康保険で診療を受けたときの自己負担分(1〜3割)の全額または一部を助成する制度です。都道府県の補助を受けて、市区町村が実施しています。
地域によって呼び方が違い、「マル障」「重心医療」「心身障害者医療費助成」「福祉医療費」などと呼ばれています。子どもの医療費助成やひとり親家庭の医療費助成と同じく、地方自治体が独自に行う「福祉医療」のひとつです。
新人どこに住んでいても、同じ内容なんですか?
先輩そこが大事なところよ。国の制度ではないので、対象も負担も地域によってかなり違うの。引っ越しのときは、新しい市区町村の内容を必ず確認してね。
障害のある人は、持病の治療やリハビリ、障害にともなう合併症などで、長い期間にわたって医療を受け続けることが多くなります。1回あたりの負担は小さくても、通院が重なると家計への影響は大きくなります。この制度は、そうした負担を地域で支えるために作られています。
対象になる人の目安
多くの地域で、次のような重い障害のある人が対象になっています。
| 障害の種類 | 対象の目安(地域で違う) |
|---|---|
| 身体障害 | 身体障害者手帳1・2級(3級の一部をふくむ地域もある) |
| 知的障害 | 療育手帳A(重度)。IQ35以下など |
| 精神障害 | 精神障害者保健福祉手帳1級(対象にしていない地域や、通院だけの地域もある) |
このほか、本人や扶養義務者の所得が一定以上だと対象外になる所得制限がある地域が多いです。また、65歳以上で新たに障害者手帳を取得した人を対象外にしたり、後期高齢者医療制度に加入していることを条件にしたりする地域もあります。
助成の内容と自己負担
| パターン | 例 |
|---|---|
| 自己負担なし | 保険診療の自己負担分を全額助成 |
| 一部負担あり | 1回あたり数百円、または1か月の上限額までを本人が負担 |
| 住民税課税で負担あり | 住民税が課税の人は1割負担など |
助成の対象になるのは、保険が使える医療費の自己負担分です。入院中の食事代、差額ベッド代、診断書の料金、予防接種、健康診断などは対象外になるのが一般的です。調剤薬局で払う薬代は、多くの地域で対象になります。
申請と病院での使い方
- 市区町村の窓口で申請する障害者手帳、健康保険証(またはマイナ保険証の情報)、所得がわかる書類などを持って申請します。
- 受給者証を受け取る対象になると、医療費助成の受給者証が交付されます。
- 病院で提示する保険証と一緒に受給者証を窓口に出すと、自己負担がその場で助成されます(地域内の医療機関の場合)。
- 地域外の病院では払い戻しの申請受給者証が使えない病院でいったん払った場合は、領収書を持って市区町村に申請すると払い戻されます。
払い戻しの申請には期限(受診から2年や5年など)があります。遠方の専門病院に通っている場合は、領収書をまとめて保管しておきましょう。
受給者証を持っていても、病院の窓口で出し忘れると助成が受けられず、あとから払い戻しの手続きが必要になります。財布の中で保険証と一緒に保管しておくと安心です。
ほかの医療費の制度との関係
- 高額療養費:健康保険の制度で、1か月の医療費が上限を超えた分が戻ります。医療費助成は、高額療養費を使ったあとの残りの負担を助成するのが一般的です。
- 自立支援医療:精神科の通院や、障害を軽くするための手術などの負担を原則1割にする国の制度です。対象になる医療は、まず自立支援医療を使い、その残りを医療費助成で助成するのが一般的です。
- 難病の医療費助成:指定難病の人は、難病の医療費助成制度が優先され、残りを医療費助成で助成する形になります。
複数の制度を組み合わせることで、本人の負担がほとんどなくなることもあります。どの順番で使うかは窓口で確認しましょう。
新人ケアマネとして、利用者さんのどこを確認すればいいですか?
先輩新しく手帳を取った人や、障害が重くなった人には、医療費助成の受給者証を持っているかをたずねてみて。手帳を取っただけで、医療費助成の申請を忘れている人もいるのよ。
医療費の負担を減らすために確認したいこと
障害のある人やその家族が医療費の負担を減らすためには、使える制度をもれなく申請しておくことが大切です。次のような順番で確認してみましょう。
- 障害者手帳の等級が、医療費助成の対象になっているか
- 精神科の通院や、人工透析、心臓の手術などで、自立支援医療を使えるか
- 指定難病にあたる病気がある場合は、難病の医療費助成を申請しているか
- 健康保険の限度額適用認定(マイナ保険証なら不要な場合あり)を使い、入院時の窓口負担を抑えているか
- 払った医療費を、確定申告の医療費控除で申告しているか
とくに、障害が重くなって手帳の等級が上がったときは、医療費助成の対象に入ることがあります。等級が変わったら、あわせて医療費助成の窓口にも相談しましょう。また、医療費助成の受給者証にも有効期間があり、毎年の所得の確認や更新の手続きが必要な地域が多いので、案内が届いたら忘れずに手続きをしてください。
よくある質問
手帳を取れば、自動的に医療費助成も受けられますか?
65歳を過ぎて手帳を取った場合は?
歯科や整骨院でも使えますか?
入院の食事代も助成されますか?
- 重度心身障害者医療費助成は、重い障害のある人の医療費の自己負担を助成する地方の制度
- 対象は身体1・2級、療育手帳A、精神1級などが目安だが、地域によって違う
- 所得制限や、65歳以上の新規取得者の扱いも地域ごとに違う
- 手帳とは別に申請が必要。受給者証を病院で見せて使う
- 高額療養費、自立支援医療、難病の医療費助成と組み合わせて使う
















