身体障害者手帳の等級とは?1〜6級の基準と等級別の支援

「身体障害者手帳の等級は、どうやって決まるの?」「親が脳梗塞で片まひになったけれど、手帳はもらえる?」「1級と2級では受けられる支援が違うの?」。病気やけがで体に障害が残ったとき、身体障害者手帳の等級は、受けられる支援を左右する大事なポイントです。
結論からいうと、身体障害者手帳の等級は1級から6級まであり(障害の程度表には7級まで)、障害の種類ごとに決められた基準で判定されます。1・2級は「重度」とされ、医療費の助成や手当、税金の控除などで受けられる支援が手厚くなります。この記事では、等級の決まり方、障害の種類ごとの目安、等級別に受けられる支援、高齢者が取得するときのポイントをまとめました。
- 身体障害者手帳の等級(1〜6級)の決まり方
- 障害の種類ごとの等級の目安
- 等級別に受けられる主な支援
- 申請の流れと、高齢者・要介護の人が取得するときのポイント
身体障害者手帳の等級の決まり方
身体障害者手帳は、身体障害者福祉法にもとづき、都道府県知事(指定都市・中核市の市長)が交付する手帳です。等級は「身体障害者障害程度等級表」で、1級(もっとも重い)から7級までに分けられています。
ただし、7級の障害が1つだけでは手帳は交付されません。7級の障害が2つ以上ある場合や、6級以上の障害と重なる場合に交付されます。そのため、手帳に書かれる等級は実際には1〜6級です。
障害が2つ以上ある場合は、それぞれの障害の等級を指数に置きかえて合計し、総合的な等級が決まります。たとえば、ひざとひじにそれぞれ障害がある場合、単独では4級でも、合わせると3級になることがあります。
新人どの病院でも診断書を書いてもらえるんですか?
先輩いいえ、身体障害者福祉法第15条で指定された医師(指定医)の診断書が必要なの。主治医が指定医でない場合は、指定医のいる病院を紹介してもらうことになるわ。市区町村の窓口で、指定医の一覧を確認できるわよ。
障害の種類ごとの等級の目安
身体障害者手帳の対象になる障害は、次の種類に分かれます。等級の目安は代表的な例で、実際には細かな基準で判定されます。
| 障害の種類 | 等級の範囲 | 代表的な目安 |
|---|---|---|
| 視覚障害 | 1〜6級 | 両目の視力の和や視野の欠け方で判定 |
| 聴覚障害 | 2〜6級 | 両耳の聴力が100dB以上で2級、70dB以上で6級 |
| 平衡機能障害 | 3・5級 | 目を閉じて立っていられない、歩行がふらつくなど |
| 音声・言語・そしゃく機能障害 | 3・4級 | 声が出せない、言葉で意思を伝えられないなど |
| 肢体不自由 | 1〜7級 | 手足や体幹の動きの障害の程度で判定(片まひなど) |
| 内部障害(心臓・腎臓・呼吸器・ぼうこう・直腸・小腸・免疫・肝臓) | 1〜4級(種類で違う) | 人工透析は多くが1級、ペースメーカーは1・3・4級、人工肛門は4級以上 |
脳梗塞などによる片まひは「肢体不自由」として判定されます。人工透析をしている人や、ペースメーカーを入れている人、人工肛門(ストーマ)がある人も、内部障害として手帳の対象になります。
等級別に受けられる主な支援
受けられる支援は、等級だけでなく自治体によっても違います。おおまかな目安は次のとおりです。
| 支援 | 主な対象の等級の目安 |
|---|---|
| 重度心身障害者医療費助成 | 1・2級(自治体によって3級まで) |
| 特別障害者控除(所得税40万円) | 1・2級 |
| 障害者控除(所得税27万円) | 3〜6級 |
| JR運賃の割引 | 第1種(主に重度)は本人と介護者、第2種は本人のみ |
| 自動車税・軽自動車税の減免 | 障害の種類と等級で範囲が決まる |
| 補装具・日常生活用具の給付 | 障害の種類と程度に応じて(等級によらず必要性で判断されるものもある) |
| 障害者雇用枠での就職 | すべての等級(1・2級は重度としてダブルカウント) |
このほか、携帯電話料金やNHK受信料、公共施設の割引など、等級に関係なく使える支援もあります。
新人等級が重いほうが得、ということですか?
先輩支援が手厚くなるのは事実だけど、等級は障害の状態で決まるもので、自分で選べるものではないわ。大切なのは、状態に合った等級で認定されることね。状態が変わったら、等級の変更(再認定)を申請できるのよ。
身体障害者手帳の申請の流れ
- 市区町村の障害福祉の窓口に相談する申請書と、指定医用の診断書の用紙をもらいます。
- 指定医に診断書を書いてもらう障害の種類ごとの専用の様式です。症状が固定していることが前提です。
- 申請書類を出す申請書、診断書・意見書、顔写真、マイナンバーがわかるものなどを提出します。
- 審査・交付1〜2か月ほどで交付されることが多いです。
高齢者・要介護の人が取得するときのポイント
- 症状の固定を待つ:脳梗塞の後遺症は、発症からおおむね6か月以上たって症状が固定してから申請するのが一般的です。
- 介護保険とは別の制度:要介護認定を受けていても、手帳は別に申請が必要です。手帳があると、障害者控除や医療費助成などが使える場合があります。
- 補装具は手帳がカギ:車いすや補聴器などを障害者総合支援法で作るには、原則として手帳が必要です(介護保険の福祉用具貸与が優先されるものもあります)。
障害者手帳3種類の違い
障害者手帳には、身体障害者手帳のほかに、療育手帳と精神障害者保健福祉手帳があります。等級の分け方や更新の有無が違うので、整理しておきましょう。
| 手帳 | 対象 | 等級 | 有効期限 |
|---|---|---|---|
| 身体障害者手帳 | 身体障害(肢体・視覚・聴覚・内部障害など) | 1〜6級 | 原則なし(再認定あり) |
| 療育手帳 | 知的障害 | A・Bなど(自治体で違う) | 再判定の時期が決められることが多い |
| 精神障害者保健福祉手帳 | 精神障害(発達障害を含む) | 1〜3級 | 2年ごとに更新 |
障害が重なっている人は、複数の手帳を持つこともできます。たとえば、脳梗塞の後遺症で片まひと高次脳機能障害がある場合、身体障害者手帳と精神障害者保健福祉手帳の両方の対象になることがあります。
ケアマネが声をかけたい場面
要介護の人の中には、手帳の対象になるのに申請していない人が少なくありません。人工透析をしている人、ペースメーカーを入れている人、人工肛門がある人、脳梗塞の後遺症で手足に麻痺が残っている人などは、一度確認してみる価値があります。医療費の助成や税金の控除で、家計の負担が軽くなることがあります。
よくある質問
手帳に有効期限はありますか?
等級が軽すぎると思ったら、どうすればいいですか?
手帳の等級と障害年金の等級は同じですか?
- 身体障害者手帳の等級は1〜7級。7級単独では交付されず、手帳の等級は1〜6級
- 障害の種類ごとの基準で判定され、複数の障害は合わせて総合等級が決まる
- 1・2級は重度とされ、医療費助成や特別障害者控除などの支援が手厚い
- 指定医の診断書が必要で、脳梗塞の後遺症は症状固定後に申請する
- 要介護認定とは別の制度。手帳で障害者控除や補装具が使える場合がある
















