認知症の種類と特徴|4大認知症の違いと見分けのポイント・ケア

「認知症にはいくつも種類があると聞いたけど、何が違うの?」「アルツハイマー型とレビー小体型では、対応も変わるの?」。認知症は一つの病気の名前ではなく、さまざまな原因で起こる状態の総称です。
結論からいうと、認知症の代表的な種類は、アルツハイマー型・血管性・レビー小体型・前頭側頭型の4つで「4大認知症」と呼ばれます。原因や初期の症状、進み方がそれぞれ違うため、種類に合わせた対応やケアが大切です。この記事では、4大認知症の特徴と違い、見分けのポイント、治療可能な認知症、種類に合わせたケアのコツをまとめました。
- 認知症の種類と、4大認知症のそれぞれの特徴
- 初期症状や進み方の違いがわかる比較表
- 治療で改善が期待できる認知症
- 種類に合わせたケアと関わり方のポイント
認知症の種類とは?4大認知症の全体像
認知症は、脳の病気や障害によって、記憶や判断などの認知機能が低下し、日常生活に支障が出ている状態のことです。原因となる病気は数十種類あるといわれますが、多くを占めるのが次の4つです。
| 種類 | 主な原因 | 割合の目安 |
|---|---|---|
| アルツハイマー型認知症 | アミロイドβなどのたんぱく質がたまり、脳の神経細胞が減る | 最も多く、半数以上 |
| 血管性認知症 | 脳梗塞や脳出血で、脳の一部が傷つく | 2割前後 |
| レビー小体型認知症 | レビー小体というたんぱく質のかたまりが脳にたまる | 数% |
| 前頭側頭型認知症 | 脳の前頭葉や側頭葉が縮む | 1%前後 |
割合は調査によって差があります。また、アルツハイマー型と血管性が重なる「混合型」も少なくありません。
新人認知症といえば物忘れ、というイメージでした。
先輩アルツハイマー型ではそうね。でもレビー小体型や前頭側頭型では、初期に物忘れが目立たないこともあるの。だから種類を知っておくことが、早く気づくためにも大切なのよ。
4大認知症それぞれの特徴
アルツハイマー型認知症
最も多いタイプで、ゆっくりと少しずつ進みます。新しいことを覚えられない「記憶障害」が初期から目立ちます。数分前の会話を忘れる、同じことを何度も聞く、物をしまった場所を忘れて「盗られた」と思い込む(物盗られ妄想)などが見られます。進むと、日付や場所がわからなくなる、料理などの段取りができなくなるといった変化が出ます。
血管性認知症
脳梗塞や脳出血のあとに起こります。脳のどこが傷ついたかによって、できることとできないことの差が大きい(まだら認知症)のが特徴です。記憶は比較的保たれていても、意欲の低下、感情のコントロールが難しい、歩きにくさや飲み込みにくさなどが出ることがあります。脳卒中を起こすたびに、階段状に悪くなることがあります。
レビー小体型認知症
初期には物忘れより、実際にはいない人や動物がはっきり見える「幻視」が目立つことがあります。ほかに、手足のふるえや小刻み歩行などのパーキンソン症状、頭がはっきりしている時とぼんやりしている時の差が大きい(認知の変動)、眠っている間に大声を出したり手足を動かしたりする(レム睡眠行動障害)などが特徴です。転倒しやすく、薬への反応が敏感な人もいます。
前頭側頭型認知症
比較的若い年齢(65歳未満)で発症することが多いタイプです。性格の変化や、社会のルールに合わない行動が目立ちます。たとえば、店の物を支払わずに持ち帰る、同じ道順や同じ時間にこだわる、同じ食べ物ばかり食べる、相手の気持ちを考えない言動が増える、などです。初期には記憶は比較的保たれます。
認知症の種類による違いがわかる比較表
| 種類 | 初期に目立つ症状 | 進み方 | ケアの注意点 |
|---|---|---|---|
| アルツハイマー型 | 物忘れ、日付がわからない | ゆっくり少しずつ | できることを生かし、失敗を責めない |
| 血管性 | 意欲低下、感情の起伏、歩行障害 | 階段状に悪くなることがある | 脳卒中の再発予防(血圧・糖尿病の管理) |
| レビー小体型 | 幻視、パーキンソン症状、認知の変動 | 波があり、日によって差が大きい | 転倒予防、幻視を否定しすぎない、薬の副作用に注意 |
| 前頭側頭型 | 性格の変化、こだわり、ルールに合わない行動 | ゆっくり進むことが多い | こだわりを生かした日課づくり、叱らない |
種類を判断するのは医師です。家族やケアマネは「いつから、どんな変化があったか」を具体的に記録して受診時に伝えることで、診断の助けになります。
新人レビー小体型の幻視には、どう対応すればいいんですか?
先輩本人には本当に見えているから、頭ごなしに否定すると不安が強くなるの。「何が見えますか」と落ち着いて聞いて、部屋を明るくする、見間違えやすい物を片づけるといった環境の工夫が役立つわ。
治療で改善が期待できる認知症
認知症のような症状があっても、原因によっては治療で改善が期待できるものがあります。「年のせい」と決めつけず、早めに受診することが大切な理由の一つです。
- 正常圧水頭症:脳の中に髄液がたまる病気。歩きにくさ、尿失禁、物忘れが特徴で、手術で改善することがある
- 慢性硬膜下血腫:頭を打ったあと、数週間〜数か月かけて血がたまる。手術で改善することが多い
- 甲状腺機能低下症:甲状腺ホルモンが不足し、意欲や記憶が低下する。薬で補える
- ビタミン不足:ビタミンB1やB12の不足で認知機能が低下することがある
- 薬の影響:睡眠薬や抗不安薬などの影響で、ぼんやりしたり物忘れが増えたりすることがある
また、うつ病でも、物忘れや意欲の低下など認知症に似た症状が出ることがあります。
認知症の種類に合わせたケアのポイント
- 診断名と症状を共有する主治医の診断と、本人に今出ている症状を、家族とサービス事業所で共有します。
- 症状の背景を考える同じ「怒りっぽい」でも、記憶障害による不安なのか、前頭側頭型の特徴なのかで対応が変わります。
- 環境を整える転倒しやすいレビー小体型なら段差や照明、こだわりの強い前頭側頭型なら日課を固定するなど、種類に合わせて工夫します。
- できることを生かすどの種類でも、残っている力を生かして役割を持ってもらうことが、本人の自信と安定につながります。
よくある質問
認知症の種類はどうやって診断されますか?
若年性認知症も同じ種類がありますか?
診断名が途中で変わることはありますか?
種類によって使う薬は違いますか?
- 認知症の代表的な種類は、アルツハイマー型・血管性・レビー小体型・前頭側頭型の4つ
- アルツハイマー型は物忘れ、レビー小体型は幻視、前頭側頭型は性格の変化が目立ちやすい
- 血管性は脳卒中のあとに起こり、再発予防が大切
- 正常圧水頭症など、治療で改善が期待できる認知症もあるため早めの受診を
- 種類と症状の背景を理解し、環境の工夫とできることを生かすケアを行う















