特定事業所医療介護連携加算とは?35回・15回の要件と数え方

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「特定事業所医療介護連携加算の要件が厳しくなったと聞いたけど、うちは来年度も算定できる?」「退院・退所加算の35回は、算定回数で数えるの?」。特定事業所医療介護連携加算は、事業所の医療連携の実績を評価する加算で、令和6年度の改定で要件が引き上げられました。

結論からいうと、特定事業所医療介護連携加算は、特定事業所加算(Ⅰ)〜(Ⅲ)を算定している事業所が、前々年度の3月から前年度の2月までに、退院・退所加算の算定にかかる医療機関等との連携を35回以上、ターミナルケアマネジメント加算を15回以上算定している場合に、1か月につき125単位を算定できる加算です。この記事では、要件の内容と数え方、令和6年度改定の変更点、実績を積み上げるための取り組みをまとめました(令和6年度介護報酬改定時点の内容です)。

この記事でわかること
  • 特定事業所医療介護連携加算の単位数と3つの要件
  • 退院・退所の連携35回、ターミナル15回の数え方
  • 令和6年度改定で変わった点と経過措置
  • 実績を積み上げるために事業所でできること
目次

特定事業所医療介護連携加算とは?

特定事業所医療介護連携加算は、2021年度(令和3年度)の介護報酬改定で新しくできた加算です。医療機関との連携や在宅での看取りに、事業所として継続して取り組んでいることを評価します。

項目内容
単位数125単位(1か月につき)
算定の対象事業所が担当するすべての利用者(体制を評価する加算)
前提となる加算特定事業所加算(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)のいずれかを算定していること

この加算は、個々の利用者への支援ではなく事業所の体制と実績を評価する加算です。要件を満たせば、すべての利用者について毎月算定できるため、事業所の収入への影響は小さくありません。

新人ケアマネ新人

特定事業所加算(A)の事業所は、算定できないんですか?

ベテランケアマネ先輩

そうなの。前提になるのは(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)のいずれかで、(A)では算定できないのよ。小規模な事業所が(A)から(Ⅲ)を目指すときは、この加算も含めて収入を試算してみるといいわね。

特定事業所医療介護連携加算の3つの要件

要件内容
①退院・退所の連携前々年度の3月から前年度の2月までの間に、退院・退所加算の算定にかかる病院・診療所・介護保険施設などとの連携の回数が合計35回以上
②ターミナルケアマネジメント同じ期間に、ターミナルケアマネジメント加算を15回以上算定している
③特定事業所加算特定事業所加算(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)のいずれかを算定している

「連携35回」の数え方

①の35回は、退院・退所加算を算定した件数ではなく、その算定にかかる連携の回数で数えます。たとえば、退院・退所加算(Ⅲ)を算定した利用者について、3回の情報収集を行っていれば3回と数えます。

連携の回数で数えるため、1人の利用者について複数回情報を受けるほど、実績が積み上がります。退院前に2回、3回と面談やカンファレンスに参加することは、利用者の在宅復帰にも、事業所の加算の要件にもプラスになります。

令和6年度改定の変更点と経過措置

令和6年度の改定で、②のターミナルケアマネジメント加算の回数要件が「5回以上」から「15回以上」に引き上げられました。在宅での看取りへの対応を、より強く求める内容です。

期間ターミナルの回数要件の扱い
令和7年3月31日まで従来どおり(5回以上)
令和7年4月1日〜令和8年3月31日経過措置として、改定前後の期間の実績を換算して判断
令和8年4月1日以降前々年度3月〜前年度2月の実績で15回以上

経過措置の具体的な計算方法は通知で示されています。令和8年度からは経過措置がなくなるため、実績が要件を満たしているかを改めて確認しておきましょう。

新人ケアマネ新人

15回となると、小さな事業所ではかなり大変ですね。

ベテランケアマネ先輩

そうね。年間15人以上の在宅看取りに関わる必要があるから、在宅医療に力を入れている診療所や訪問看護との関係づくりが欠かせないわ。数字だけを追うのではなく、看取りを支えられるチームをつくることが先よ。

実績を積み上げるために事業所でできること

  • 実績を毎月集計する退院・退所加算の連携回数とターミナルケアマネジメント加算の算定回数を、月ごとに集計し、年度の見込みを確認します。
  • 退院前の連携を増やす入院の連絡を受けたら早めに医療機関と面談し、退院前カンファレンスにも積極的に参加します。
  • 在宅医療とのつながりをつくる訪問診療を行う医療機関や訪問看護ステーションと、看取りの方針や連絡体制を共有しておきます。
  • 記録の要件を確認するターミナルケアマネジメント加算は、訪問や情報提供の記録がそろって初めて算定できます。算定漏れがないよう、記録の様式を整えます。

要件を満たさない年度に算定を続けると、返還の対象になるおそれがあります。毎年度の初めに、前年度の実績で要件を満たしているかを確認し、満たさない場合は体制の届出を変更しましょう。

収入への影響を試算してみる

特定事業所医療介護連携加算は、要件を満たせばすべての利用者について毎月算定できます。たとえば、担当する利用者が月平均120人の事業所なら、125単位×120人=1か月15,000単位になります。1単位を10円として計算すると月15万円程度、年間では180万円程度の収入になります(地域区分によって1単位の単価は変わります)。

利用者数(月平均)1か月の単位数年間の単位数
60人7,500単位90,000単位
120人15,000単位180,000単位
180人22,500単位270,000単位

この加算を算定できるかどうかで、事業所の収入は大きく変わります。在宅医療との連携に力を入れることが、利用者の支援の質と事業所の経営の両方につながることを、職員全体で共有しておきましょう。

よくある質問

特定事業所医療介護連携加算と特定事業所加算は同時に算定できますか?
算定できます。むしろ特定事業所加算(Ⅰ)〜(Ⅲ)の算定が要件の一つになっています。
実績の期間はなぜ「3月から2月」なのですか?
年度の初めに体制を判断できるよう、前々年度の3月から前年度の2月までの1年間を実績の期間としています。
新しく開設した事業所は算定できますか?
実績の期間を通じた回数が必要なため、開設直後は要件を満たすことが難しいのが一般的です。取り扱いは保険者に確認しましょう。
ターミナルケアマネジメント加算を算定できなかった看取りも数えられますか?
要件は「ターミナルケアマネジメント加算の算定回数」です。算定していない看取りは回数に含まれません。
要件を満たさなくなった場合はどうすればいいですか?
年度の初めに前年度の実績を確認し、要件を満たさない場合は体制の届出を変更して算定をやめます。
まとめ
  • 特定事業所医療介護連携加算は、医療連携と看取りの実績を評価する1か月125単位の加算
  • 退院・退所の連携35回以上、ターミナル15回以上、特定事業所加算(Ⅰ)〜(Ⅲ)が要件
  • 35回は退院・退所加算の件数ではなく、連携の回数で数える
  • 令和6年度改定でターミナルは5回から15回に引き上げられ、経過措置は令和8年3月で終了
  • 実績を毎月集計し、在宅医療とのつながりを日ごろからつくる

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