介護職のカスハラ|利用者・家族からのハラスメントの例と対応

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「利用者さんからたたかれたり、暴言を言われたりする」「家族から無理な要求をされて、断れない」「体をさわられて、嫌な思いをした」。介護の現場では、利用者や家族からのハラスメント(カスタマーハラスメント、カスハラ)に悩む職員が少なくありません。

結論からいうと、介護現場のカスハラには、暴力などの身体的なもの、暴言や威圧などの精神的なもの、セクシュアルハラスメントがあります。職員が一人で我慢するものではなく、事業所には職員を守るための対策が求められています。被害を受けたら一人で抱えこまずに記録して上司に報告し、職場として対応してもらいましょう。職場が対応しない場合は、職員を守る体制のある職場へ移ることも選択肢です。この記事では、介護職のカスハラの例と、受けたときの対応、職場の対策をまとめました。

この記事でわかること
  • 介護現場のカスハラの種類と具体例
  • カスハラを受けたときの対応
  • 事業所に求められるカスハラの対策
  • 職場を変えることを考えるタイミング
目次

介護職のカスハラの種類と具体例

厚生労働省の介護現場のハラスメント対策マニュアルでは、利用者や家族からのハラスメントを、次の3つに分けて示しています。

種類具体例
身体的暴力たたく、ける、物を投げつける、つねる、唾を吐く
精神的暴力大声でどなる、人格を否定する、威圧する、サービスの範囲をこえた要求をくり返す
セクシュアルハラスメント体をさわる、性的な話をする、抱きつく、わいせつな画像を見せる
新人ケアマネ新人

認知症の症状による行動も、ハラスメントになるんですか?

ベテランケアマネ先輩

認知症などの病気や障害による行動は、ケアの工夫で対応することが基本になるわ。でも、職員がけがをしたり、強い苦痛を受けたりしていることに変わりはないの。原因が何であっても、一人で我慢せずにチームで対応を考えることが大切よ。

カスハラを受けたときの対応

  • 安全を確保する危険を感じたら、その場を離れて自分の身を守ります。
  • 上司に報告する小さなことでも、できるだけ早く上司やリーダーに報告します。
  • 記録を残す日時、場所、言われたこと・されたこと、けがの有無を記録します。
  • けがは受診するけがをした場合は受診し、労災の手続きについても確認します。
  • チームで対応を考える担当の変更や、二人での訪問など、職場として対応を決めてもらいます。

業務中に利用者からの暴力でけがをした場合は、労災保険の対象になることがあります。職場に相談し、手続きを確認しましょう。

事業所に求められるカスハラの対策

介護サービスの事業所には、職場のハラスメントを防ぐための対策が求められており、利用者や家族からのハラスメントについても、対策をとることが望ましいとされています。

対策内容
方針の明確化ハラスメントを許さない方針を示し、職員に周知する
相談窓口の設置職員が相談できる窓口と担当者を決める
契約時の説明重要事項説明書などで、ハラスメントが起きた場合の対応を利用者・家族に説明する
情報の共有リスクのある利用者の情報を、職員やケアマネジャーと共有する
研修の実施ハラスメントへの対応や、認知症の理解についての研修を行う
職員のケア被害を受けた職員の心のケアや、休みの調整を行う
新人ケアマネ新人

家族から無理な要求をされたとき、断ってもいいんですか?

ベテランケアマネ先輩

介護サービスには、契約で決まった範囲があるの。範囲をこえた要求は、職員個人ではなく事業所として断るのが基本よ。その場で答えずに「上司と確認します」と伝えて、持ち帰るようにしてね。

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訪問介護など一人で対応する場面での注意

訪問介護や訪問入浴など、利用者の自宅で一人で対応する場面では、周りに助けを求めにくいことがあります。

  • 訪問の前に、ハラスメントのリスクがある利用者の情報を確認する
  • 危険を感じたら、サービスを中断してその場を離れてよいことを、事業所で決めておく
  • リスクが高い場合は、二人での訪問を検討してもらう
  • すぐに連絡できるよう、携帯電話を身につけておく

職場を変えることを考えるタイミング

  • 報告しても、職場が対応してくれない
  • 「我慢するのも仕事のうち」と言われる
  • 同じ利用者からの被害が続いている
  • 眠れない、出勤がこわいなど、心や体に不調が出ている

職員を守る体制があるかどうかは、職場によって大きく違います。転職するときは、ハラスメントの相談窓口やマニュアルがあるか、被害があったときにどう対応しているかを面接で確認しましょう。

新人ケアマネ新人

カスハラを受けたあと、その利用者さんの担当を続けるのがつらいです。

ベテランケアマネ先輩

無理をする必要はないわ。担当の変更や、二人での対応を上司に相談していいのよ。つらい気持ちを話せる場をつくることも、事業所の大切な役割なの。一人で抱えこまないでね。

よくある質問

カスハラが原因で心の不調が出たら、労災になりますか?
業務による強い心理的な負担が原因と認められれば、労災の対象になることがあります。職場や労働基準監督署に相談しましょう。
新人のうちは我慢したほうがいいですか?
経験に関係なく、我慢する必要はありません。新人だからこそ、早めに先輩や上司に相談しましょう。
訪問先でペットや家族に困ったときは?
安全が確保できない場合は、事業所に連絡して対応を相談しましょう。ペットを別の部屋に入れてもらうなど、事前に取り決めておく方法もあります。
カスハラを受けたことを報告したら、評価が下がりませんか?
報告はハラスメントを防ぎ、ほかの職員を守るためにも大切なことです。報告したことで不利な扱いを受けるべきではありません。
サービスの提供を断ることはできますか?
事業所は正当な理由なくサービスの提供を拒むことはできませんが、ハラスメントが続く場合には、ケアマネジャーや市区町村と相談しながら対応を検討します。
ケアマネジャーには伝えたほうがいいですか?
事業所を通じてケアマネジャーに伝え、ほかのサービス事業所とも情報を共有することで、利用者に合った支援の方法を一緒に考えられます。
セクハラを受けて、男性の上司に相談しにくいときは?
同性の職員や、事業所の相談窓口に相談しましょう。職場の中で相談しにくいときは、総合労働相談コーナーなど外部の窓口も使えます。
カスハラ対策がしっかりした職場はどう探せばいいですか?
面接でハラスメントの対応方針を質問するほか、介護業界に特化した転職支援サービスに、職場の対策の状況を確認してもらう方法があります。
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まとめ
  • 介護現場のカスハラには、身体的暴力・精神的暴力・セクシュアルハラスメントがある
  • 被害を受けたら安全を確保し、上司に報告して記録を残す
  • 範囲をこえた要求は、個人ではなく事業所として断る
  • 事業所には方針の明確化や相談窓口などの対策が求められている
  • 職場が対応しないときは、職員を守る体制のある職場への転職も考える

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