就労移行支援とA型・B型の違い|対象者・工賃・選び方を比較

「就労移行支援とA型・B型って何が違うの?」「自分に合うのはどれ?」「お給料(工賃)はどのくらいもらえる?」。障害のある人が働くための福祉サービスは名前が似ていて、違いがわかりにくいですよね。
結論からいうと、就労移行支援は「一般企業への就職を目指して訓練する場所」、A型は「雇用契約を結んで働く場所」、B型は「雇用契約を結ばず自分のペースで働く場所」です。この記事では、3つの違いを比較表で整理し、対象者、収入の目安、選び方と利用の流れをまとめました。
- 就労移行支援・就労継続支援A型・B型の違い(比較表)
- それぞれの対象者と、賃金・工賃の目安
- 自分に合うサービスの選び方
- 利用の流れと費用
就労移行支援・A型・B型の違いを比較
3つとも障害者総合支援法の「訓練等給付」にあたるサービスです。主な違いは次のとおりです。
| 就労移行支援 | 就労継続支援A型 | 就労継続支援B型 | |
|---|---|---|---|
| 目的 | 一般企業への就職 | 支援を受けながら働く | 自分のペースで働く・活動する |
| 雇用契約 | なし | あり | なし |
| 収入 | 原則なし(訓練が中心) | 賃金(最低賃金以上) | 工賃(作業の成果に応じる) |
| 利用期間 | 原則2年(必要なら最大1年延長) | 期限なし | 期限なし |
| 年齢 | 原則65歳未満 | 原則65歳未満 | 制限なし |
| 働き方の目安 | 週5日の通所で就職準備 | 1日4〜6時間程度の勤務が多い | 週1日・短時間から相談できる |
65歳以上でも、65歳になる前の5年間に障害福祉サービスの支給決定を受けていたなどの条件を満たせば、就労移行支援やA型を使える場合があります。
新人A型とB型は、AのほうがBより上という意味ですか?
先輩上下ではないのよ。A型は雇用契約がある「働く場」、B型は体調に合わせて通える「作業の場」という違いね。体調や働ける時間で選ぶものなの。
就労移行支援とは?一般就労を目指す人の訓練
就労移行支援は、一般企業で働きたい障害のある人が、就職に必要な知識やスキルを身につけるためのサービスです。
- ビジネスマナー、パソコン、コミュニケーションの訓練
- 企業での実習(職場体験)
- 履歴書の書き方、面接の練習、求人探しの支援
- 就職後の職場定着のフォロー(就職後6か月まで。その後は就労定着支援を使える)
障害者雇用枠での就職を目指す人が多く利用します。訓練中は原則として収入がないため、生活費をどうするか(障害年金、貯金、家族の支援など)を事前に考えておくことが大切です。
就労継続支援A型とは?雇用契約を結んで働く
A型は、一般企業で働くのは難しいものの、雇用契約にもとづいて働ける人のためのサービスです。事業所と雇用契約を結ぶため、最低賃金以上の賃金が支払われ、条件を満たせば雇用保険や社会保険にも加入します。
仕事の内容は、軽作業、清掃、飲食店、データ入力、農作業など事業所によってさまざまです。1日4〜6時間ほどの短時間勤務が多く、平均賃金は月8〜9万円台です(厚生労働省の賃金実績)。
A型で働くときの注意点
- 労働者としてのルールがある:遅刻や欠勤の連絡、勤務時間の守り方など、一般の職場に近いルールで働きます。
- 事業所の経営状態を確認する:A型は事業の収益から賃金を払うしくみのため、経営が苦しくなって閉鎖する事業所もあります。開設からの年数や、仕事の受注先を見学時に聞いておくと安心です。
- 収入と年金・手当の関係:賃金が増えると、障害年金や各種手当、利用者負担の区分に影響することがあります。
就職した後のフォロー(就労定着支援)
就労移行支援やA型・B型を経て一般企業に就職した人は、就職から6か月が過ぎた後、最長3年間「就労定着支援」を使えます。職場での困りごとの相談や、企業との調整をしてもらえるので、長く働き続けるための支えになります。
就労継続支援B型とは?自分のペースで働く
B型は、雇用契約を結ばずに、体調や障害の特性に合わせて作業できるサービスです。作業の成果に応じて「工賃」が支払われます。平均工賃は月2万円台で、A型より少なめです。
B型の対象は、次のような人です。
- 就労経験があり、年齢や体力の面で一般企業での雇用が難しくなった人
- 50歳以上の人、または障害基礎年金1級を受給している人
- 上記にあたらず、就労アセスメント(就労選択支援など)で、B型が適していると判断された人
新人B型は「工賃が安い」と聞くと、ためらってしまいます。
先輩収入だけで比べないことが大切よ。生活リズムを整えたり、人とかかわったりする場として、B型から始めてA型や一般就労にステップアップする人もいるわ。
自分に合うサービスの選び方
| こんな人に | 向いているサービス |
|---|---|
| 一般企業で働きたい。週5日通える体力がある | 就労移行支援 |
| すぐに収入がほしい。決まった時間に働ける | 就労継続支援A型 |
| 体調に波がある。短い時間・少ない日数から始めたい | 就労継続支援B型 |
| どれが合うかわからない | 就労選択支援で一緒に考える |
2025年10月から、就労選択支援というサービスが始まりました。作業の体験や面談を通して、本人の強みや必要な配慮を整理し、どの働き方が合うかを一緒に考えるものです。B型の利用を考える人などは、原則としてこのアセスメントを受けることになります(地域によって準備状況は異なります)。
事業所選びでは、次の点を見学で確認しましょう。
- 作業の内容が本人の興味や得意に合っているか
- 通いやすい場所か、送迎はあるか
- 就職の実績(就労移行支援)や、平均の賃金・工賃(A型・B型)
- 職員の雰囲気、相談のしやすさ
利用の流れと費用
- 市区町村の窓口や相談支援事業所に相談するどのサービスが合うか、事業所の情報も教えてもらえます。
- 事業所を見学・体験する複数を見比べるのがおすすめです。
- 申請して受給者証を受け取るサービス等利用計画案を出し、支給決定を受けます。
- 事業所と契約して利用開始A型の場合は、あわせて雇用契約を結びます。
利用料は原則1割ですが、世帯(本人と配偶者)の所得に応じて月の上限額があり、多くの人は0円で利用しています。昼食代や交通費などの実費がかかる事業所もあります。
よくある質問
障害者手帳がなくても利用できますか?
B型からA型や一般就労に移ることはできますか?
障害年金を受け取りながら利用できますか?
就労移行支援の2年が終わったらどうなりますか?
- 就労移行支援は一般就労を目指す訓練の場で、原則2年まで
- A型は雇用契約を結んで働き、最低賃金以上の賃金がもらえる
- B型は雇用契約なしで自分のペースで作業し、工賃がもらえる
- 迷ったら2025年10月に始まった就労選択支援や、相談支援事業所に相談する
- 利用料は所得に応じた上限があり、多くの人は0円で利用している
















