同行援護・行動援護・移動支援の違い|対象者と使えない外出

「視覚障害のある人の外出を手伝うサービスは?」「知的障害のある子どもの外出に使える支援は?」「同行援護と行動援護、移動支援は何が違うの?」。障害のある人の外出を支えるサービスは複数あり、名前が似ているため混乱しやすい分野です。
結論からいうと、同行援護は視覚障害のある人、行動援護は知的障害や精神障害で行動に著しい困難がある人のための国のサービスです。移動支援は、市区町村が独自に行う地域生活支援事業で、対象や利用できる時間が地域によって違います。この記事では、3つのサービスの違い、対象者、使えない外出、選び方をまとめました。
- 同行援護・行動援護・移動支援の違いを一覧で比較
- それぞれの対象者と、支援の内容
- 通勤・通学など、使えない外出
- どのサービスを使えばいいかの考え方
同行援護・行動援護・移動支援の違い【一覧】
| 同行援護 | 行動援護 | 移動支援 | |
|---|---|---|---|
| 制度 | 障害福祉サービス(国) | 障害福祉サービス(国) | 地域生活支援事業(市区町村) |
| 主な対象 | 移動に著しい困難がある視覚障害のある人 | 知的障害・精神障害で、行動に著しい困難があり常に介護が必要な人 | 市区町村が決めた障害のある人(全身性障害、知的障害、精神障害など) |
| 主な条件 | 同行援護アセスメント調査票の基準を満たす | 障害支援区分3以上、行動関連項目の合計10点以上 | 市区町村ごとに違う |
| 支援の中心 | 移動の介助、代筆・代読などの情報提供 | 危険を回避するための見守り・援護、行動の予防的な対応 | 外出時の移動の介助 |
同行援護と行動援護は全国共通のルールで運用されていますが、移動支援は市区町村ごとに対象や支給量、利用の目的の範囲が違います。お住まいの地域の制度を確認することが大切です。
同行援護とは
同行援護は、視覚障害によって移動に著しい困難がある人の外出に同行し、移動の介助と、外出先での必要な情報の提供を行うサービスです。
- 歩くときの誘導、段差や障害物の案内
- 書類やメニューの代読、署名などの代筆
- 外出先での食事やトイレの介助
視力や視野、夜盲などの項目と、移動の困難さの項目からなる「同行援護アセスメント調査票」で対象かどうかを判断します。身体介護をともなわない場合は、障害支援区分の認定は必要ありません。ヘルパーには、同行援護従業者養成研修の修了などの資格要件があります。
新人買い物や病院の付き添いにも使えますか?
先輩使えるわ。買い物、通院、役所の手続き、余暇の外出など、社会生活に必要な外出や余暇活動などの社会参加が対象よ。病院の中の付き添いは、医療機関のスタッフとの役割分担を事前に確認しておくといいわね。
行動援護とは
行動援護は、知的障害や精神障害により自分で危険を回避することが難しく、行動に著しい困難がある人に対して、外出時や外出前後の支援を行うサービスです。
- 予定の変更や慣れない場所で起こりやすいパニックなどへの予防的な対応
- 道路への飛び出しなど、危険を避けるための援護
- 外出先での排せつや食事の介助
対象は、障害支援区分3以上で、認定調査の「行動関連項目」の合計点数が10点以上の人です(障害児の場合は、これに相当する支援の度合い)。ヘルパーには、行動援護従業者養成研修や、強度行動障害支援者養成研修の修了と実務経験が求められます。
行動援護では、外出の前に本人の特性を把握し、見通しを持てるように予定をカードで伝えるなど、事前の準備も大事な支援になります。特性を理解したヘルパーが担当することで、本人が安心して外出できるようになります。
行動援護の対象になる人は、強度行動障害のある人と重なることが多く、特性を理解した支援者の確保が課題になっています。事業所を探すときは、相談支援専門員に地域の事業所の状況を聞いてみましょう。
移動支援とは
移動支援は、市区町村が行う地域生活支援事業のひとつで、屋外での移動が難しい障害のある人の外出を支援します。同行援護や行動援護の対象にならない人も、移動支援なら使えることがあります。
- 個別に支援する「個別支援型」
- 複数の人を同時に支援する「グループ支援型」
- 福祉バスなどで送迎する「車両移送型」
どの形を用意しているか、1か月に何時間まで使えるか、自己負担はいくらかは、市区町村によって違います。
使えない外出と注意点
3つのサービスとも、原則として次のような外出には使えません。
- 通勤や営業活動などの仕事のための外出
- 通学など、毎日続く長期間の外出
- 社会通念上、適当でない外出(ギャンブルなど)
新人重度訪問介護でも外出の支援はできるんですよね?
先輩そうね。重度訪問介護は、自宅での介護と外出時の支援を、長時間まとめて受けられるサービスなの。重い肢体不自由のある人などは、重度訪問介護で外出も支えることが多いわ。
どのサービスを使えばいい?選び方
- 視覚障害があるまず同行援護を検討します。
- 知的障害・精神障害で行動の困難さが大きい行動援護の条件(区分3以上・行動関連項目10点以上)に当てはまるか確認します。
- 上の条件に当てはまらない市区町村の移動支援が使えるか確認します。
- 重い肢体不自由などで長時間の支援が必要重度訪問介護も選択肢になります。
ケアマネ・相談支援専門員が知っておきたいポイント
介護保険を使っている高齢の利用者でも、視覚障害がある場合は、同行援護を障害福祉サービスとして併用できることがあります。介護保険の訪問介護による通院等乗降介助や外出介助では、代読・代筆などの情報支援までは十分にカバーできないためです。
また、家族の高齢化によって、それまで家族が担っていた外出の付き添いが難しくなるケースも増えています。外出の機会が減ると、生活の楽しみや体力の低下につながります。本人がどんな外出を大切にしているかを聞き取り、使えるサービスを組み合わせて提案することが、支援者の大切な役割です。
よくある質問
65歳を過ぎても使えますか?
自己負担はいくらですか?
ヘルパーの車で送迎してもらえますか?
子どもも使えますか?
- 同行援護は視覚障害のある人の外出を、移動の介助と代筆・代読で支える
- 行動援護は区分3以上・行動関連項目10点以上の知的・精神障害のある人が対象
- 移動支援は市区町村の事業で、対象や時間は地域ごとに違う
- 通勤・通学など、毎日続く外出には原則使えない
- 同行援護・行動援護は介護保険にないので、65歳以降も使える
















