高齢者の便秘の原因と対策|家庭でできる工夫と受診の目安

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「親が何日もお通じがないと言っている」「便秘薬を飲んでも、すっきりしないらしい」「おなかが張って食欲が落ちている」。高齢者の便秘は珍しくありませんが、放っておくと食欲の低下や体調の悪化につながることがあります。

結論からいうと、高齢者の便秘は水分・食事量の不足、運動量の低下、腹筋の衰え、薬の副作用など、いくつもの原因が重なって起こることが多いです。この記事では、高齢者が便秘になりやすい理由、家庭でできる対策、便秘薬を使うときの注意点、受診したほうがいいサインをまとめました。

この記事でわかること
  • 高齢者が便秘になりやすい理由
  • 食事・水分・運動・トイレ習慣でできる便秘対策
  • 便秘薬を使うときの注意点
  • すぐに受診したほうがいい便秘のサイン
目次

高齢者が便秘になりやすい理由

原因起こること
食事の量が減る便のもとになる量が少なくなり、腸が動くきっかけも減る
水分が足りない便がかたくなり、出しにくくなる
運動量が減る腸の動きが鈍くなる
腹筋や骨盤まわりの筋力の低下いきむ力が弱くなる
薬の影響一部の痛み止め、胃薬、鉄剤、抗うつ薬などで便秘になりやすくなることがある
トイレをがまんするトイレが遠い・寒い・介助を頼みにくいなどで、便意を逃してしまう

パーキンソン病や糖尿病、脳卒中の後遺症など、病気そのものが便秘の原因になることもあります。また、認知症の人は便意を伝えられなかったり、トイレの場所がわからなくなったりして、便秘に気づくのが遅れることがあります。

便秘が続くと、おなかの張りや痛みだけでなく、食欲の低下、いらいらや落ち着かなさ、夜眠れないといった変化として表れることもあります。「なんとなく元気がない」の裏に便秘が隠れていることもあるので、排便の様子にも気を配りましょう。

新人ケアマネ新人

何日出なかったら便秘なんですか?

ベテランケアマネ先輩

回数だけで決まるものではないの。本人がつらい、便がかたい、残っている感じがするなら便秘として対策したほうがいいわ。いつもの間隔より長く出ていないときも、気にかけてあげてね。

食事と水分でできる高齢者の便秘対策

  • 3食しっかり食べる:特に朝食をとると、胃に食べ物が入った刺激で腸が動きやすくなります。
  • 食物繊維をとる:野菜、海藻、きのこ、いも類、果物、豆類などです。かたいものが食べにくい人は、やわらかく煮たり、刻んだりします。
  • 水分をこまめにとる:食物繊維だけ増やして水分が少ないと、かえって便がかたくなることがあります。
  • 発酵食品を取り入れる:ヨーグルト、納豆、みそなどを食事に取り入れます。
  • 油を少し使う:適度な油は便をすべりやすくするとされています。

食べやすい食物繊維のとり方の例

食品食べやすくする工夫
野菜汁物や煮物にしてやわらかくする。かぼちゃ・大根・にんじんは煮るとやわらかくなりやすい
いも類さつまいもやじゃがいもをふかす、つぶしてマッシュにする
海藻・きのこ細かく刻んでみそ汁や炊き込みごはんに入れる
果物バナナ、りんごのすりおろし、キウイなど。かたいものは缶詰やコンポートにする
主食白米に麦や雑穀を少し混ぜる。かむ力が弱い人は、やわらかめに炊く

急に食物繊維を増やすと、おなかが張ることがあります。少しずつ増やして、体の様子を見るようにしましょう。

水分や食物繊維に制限がある人は主治医に確認 心不全や腎臓病で水分を制限されている人、腸の手術を受けた人などは、自己判断で水分や食物繊維を増やさず、主治医に相談しましょう。

運動とトイレ習慣でできる便秘対策

  • 毎日少しでも体を動かす散歩、椅子に座ってできる体操、足踏みなど、無理のない範囲で続けます。
  • 朝食後にトイレに座る習慣をつける便意がなくても、朝食後の決まった時間にトイレに座ると、リズムがつきやすくなります。
  • トイレでの姿勢を工夫する足台を置いてひざを少し高くし、前かがみの姿勢をとると、いきみやすくなります。
  • おなかをやさしくマッサージするおへその周りを「の」の字を書くように、時計回りにやさしくさすります。
  • トイレを使いやすくするトイレが寒い、遠い、手すりがないといった理由でがまんしていないかを確認します。
新人ケアマネ新人

寝たきりに近い親の場合はどうしたらいいですか?

ベテランケアマネ先輩

寝たままだと腸の動きが鈍くなりやすいの。体の向きを変える、座る時間を作る、おなかを温めるなどの工夫をしながら、訪問看護師や主治医に排便のコントロールを相談するのがいいわ。排便の記録をつけておくと相談しやすいわよ。

排便の記録をつけて相談に役立てる

便秘の相談をするときは、「いつ・どんな便が・どのくらい出たか」がわかると、医師や看護師が状態を判断しやすくなります。

  • 日付と時間:排便があった日と時間
  • 便のかたさと形:コロコロ・かたい・ふつう・やわらかい・水っぽい など
  • 量:少ない・ふつう・多い
  • 使った薬:便秘薬の種類と量、飲んだ時間
  • その他:腹痛、おなかの張り、食欲、水分量など

カレンダーに印をつけるだけでも十分です。デイサービスやショートステイでの排便も、連絡帳で共有してもらうと、全体の様子がつかみやすくなります。

便秘薬を使うときの注意点

  • 自己判断で量を増やさない:効かないからといって量を増やすと、下痢や腹痛、脱水につながることがあります。
  • 刺激性の便秘薬の使いすぎに注意:腸を刺激して動かすタイプの薬は、長く使い続けると効きにくくなることがあります。
  • 酸化マグネシウムを飲んでいる人:高齢者や腎臓の働きが落ちている人は、血液中のマグネシウムが高くなることがあるため、医師の指示どおりに使い、定期的に検査を受けます。
  • ほかの薬との飲み合わせ:市販薬を使うときは、お薬手帳を持って薬剤師に相談しましょう。

すぐに受診したほうがいい便秘のサイン

こんなときは早めに医療機関へ ・強い腹痛、おなかの張り、吐き気・嘔吐がある
・便に血が混じる、黒っぽい便が出る
・急に便秘になった、便が細くなった
・体重が減っている、食欲がない状態が続く
・おならも出ない
腸の病気が隠れていることもあるため、自己判断で様子を見すぎないようにしましょう。

よくある質問

便秘にいい飲み物はありますか?
特定の飲み物で解消するというより、水分の量を確保することが大切です。朝起きたときにコップ1杯の水や白湯を飲むと、腸が動くきっかけになるといわれています。
オリゴ糖や食物繊維のサプリは使ってもいいですか?
食事で足りない分を補う目的で使う方法があります。持病がある人や薬を飲んでいる人は、医師や薬剤師に相談してから使いましょう。
トイレに行くのを嫌がるときはどうすればいいですか?
寒さ、移動のつらさ、介助を頼む遠慮などが理由のことがあります。トイレを暖める、手すりをつける、夜間はポータブルトイレを使うなど、行きやすくする工夫を考えましょう。
介護サービスで便秘の相談はできますか?
訪問看護では、排便の状態の確認や浣腸・摘便などの処置を、主治医の指示のもとで行えます。まずはケアマネに相談してみましょう。
まとめ
  • 高齢者の便秘は、食事・水分の不足、運動量や筋力の低下、薬の影響などが重なって起こる
  • 3食しっかり食べ、食物繊維と水分をセットでとる
  • 朝食後にトイレに座る習慣、足台を使った前かがみの姿勢が役立つ
  • 便秘薬は自己判断で増やさず、酸化マグネシウムは医師の指示どおりに使う
  • 強い腹痛・血便・急な便秘などは早めに受診する

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