障害年金とは?受給の3要件と金額【令和8年度】・申請の流れ

「病気やけがで働けなくなったら、障害年金はもらえる?」「障害者手帳がないと申請できない?」「いくらもらえるの?」。障害年金は、障害のある人の生活を支える大切な収入ですが、制度が複雑で「自分は対象外」と思い込んでいる人も少なくありません。
結論からいうと、障害年金は、病気やけがで生活や仕事に支障がある人が受け取れる公的年金です。障害者手帳がなくても申請でき、うつ病・発達障害・がん・糖尿病など内部疾患も対象になります。この記事では、障害年金の種類、受け取るための3つの要件、令和8年度の金額、申請の流れをまとめました。
- 障害基礎年金と障害厚生年金の違い
- 受け取るための3つの要件(初診日・保険料・障害の状態)
- 令和8年度の障害年金の金額
- 申請の流れと、つまずきやすいポイント
障害年金とは?2つの種類
障害年金は、国民年金・厚生年金の制度の一つで、病気やけがによって生活や仕事が制限されるようになった人に支給される年金です。高齢者がもらう老齢年金と違い、20歳以上65歳未満の現役世代でも受け取れます。
| 障害基礎年金 | 障害厚生年金 | |
|---|---|---|
| 対象 | 初診日に国民年金に加入していた人(自営業・学生・無職など)、20歳前に初診日がある人 | 初診日に厚生年金に加入していた人(会社員・公務員など) |
| 等級 | 1級・2級 | 1級・2級・3級(さらに一時金の障害手当金) |
| 金額 | 等級で決まった定額 | 給料と加入期間で決まる(1・2級は障害基礎年金も上乗せ) |
会社員として働いていた時期に初めて病院にかかった病気なら障害厚生年金、それ以外は障害基礎年金が基本です。障害厚生年金は3級まであるため、比較的軽い障害でも対象になることがあります。
新人障害者手帳を持っていないと、障害年金はもらえないんですか?
先輩いいえ、障害年金と障害者手帳は別の制度なの。手帳がなくても申請できるし、手帳の等級と年金の等級が一致するとも限らないのよ。
障害年金を受け取るための3つの要件
1. 初診日要件
障害の原因となった病気やけがで、初めて医師の診察を受けた日(初診日)に、国民年金か厚生年金に加入していることが必要です。20歳前や、60〜64歳で日本に住んでいる間に初診日がある場合も対象になります。初診日は、どちらの年金になるか、保険料の要件を満たすかを決める大事な日です。
2. 保険料納付要件
初診日の前日の時点で、次のどちらかを満たしている必要があります。
- 初診日のある月の前々月までの加入期間のうち、保険料を納めた期間と免除された期間が3分の2以上ある
- 初診日に65歳未満で、初診日のある月の前々月までの直近1年間に未納がない(特例)
20歳前に初診日がある人は、保険料の要件はありません。ただし、本人の所得による支給制限があります。
3. 障害状態要件
原則として、初診日から1年6か月たった日(障害認定日)に、国が定める障害等級に当てはまる状態であることが必要です。その時点で当てはまらなくても、後で悪くなった場合は、65歳の誕生日の前々日までなら請求できます(事後重症)。障害認定日の時点で等級に当てはまっていたのに請求していなかった場合は、さかのぼって請求できることもあります(最大5年分)。
| 等級 | 状態の目安 |
|---|---|
| 1級 | 他人の介助がなければ、身の回りのことがほとんどできない |
| 2級 | 日常生活がとても不自由で、働いて収入を得ることが難しい |
| 3級(厚生年金のみ) | 働くことに大きな制限がある |
障害年金の金額(令和8年度)
令和8年4月分からの障害基礎年金の金額は次のとおりです(昭和31年4月2日以後生まれの人の場合)。
| 等級 | 年額 | 月額の目安 |
|---|---|---|
| 1級 | 1,059,125円 | 約88,260円 |
| 2級 | 847,300円 | 約70,600円 |
| 子の加算(2人目まで) | 1人につき243,800円 | - |
| 子の加算(3人目から) | 1人につき81,300円 | - |
障害厚生年金は、働いていたときの給料と加入期間をもとに計算されるため、人によって金額が違います。1・2級の人は、障害基礎年金に障害厚生年金が上乗せされます。3級には最低保障額があります。金額は毎年度見直されるので、最新の額は日本年金機構の案内で確認しましょう。
障害年金の対象になる病気・障害
障害年金は、手足の障害だけでなく、幅広い病気が対象です。
- 精神の障害:うつ病、双極性障害、統合失調症、発達障害、知的障害、高次脳機能障害など
- 目・耳・言葉の障害、肢体の障害
- 内部の障害:心臓病、腎臓病(人工透析)、呼吸器の病気、肝臓病、糖尿病など
- がん(治療による体力の低下なども含めて判断)、難病
「働いているともらえない」と思われがちですが、働き方や職場での配慮の状況も含めて判断されるため、働きながら受け取っている人もいます。
新人うつ病で休職中の利用者さんの家族から相談されたことがあります。
先輩精神の障害は、日常生活でどれだけ支援が必要かが等級の判断の中心になるの。診断書を書く医師に、普段の生活の様子をきちんと伝えておくことが大切ね。
障害年金の申請の流れ
- 年金事務所や市区町村の窓口に相談する初診日と保険料の納付状況を確認してもらいます。障害基礎年金だけの人は市区町村の窓口でも相談できます。
- 初診日を証明する初診の病院が今の病院と違う場合は、受診状況等証明書を書いてもらいます。カルテが残っていない場合は、ほかの資料で証明します。
- 医師に診断書を書いてもらう障害の種類ごとの専用の診断書です。
- 病歴・就労状況等申立書を書く発病から今までの経過や、日常生活の困りごとを本人や家族が書きます。
- 書類を提出し、結果を待つ結果が出るまで3か月程度かかることが多いです。
初診日の証明や申立書の作成は、つまずきやすいポイントです。手続きが難しい場合は、障害年金を専門にしている社会保険労務士に相談する方法もあります。
よくある質問
障害年金をもらうと、会社や周りに知られますか?
65歳を過ぎてからでも申請できますか?
老齢年金と障害年金は両方もらえますか?
一度もらえたら、ずっともらえますか?
- 障害年金は、病気やけがで生活や仕事に支障がある現役世代も受け取れる公的年金
- 初診日の加入制度で、障害基礎年金(1・2級)と障害厚生年金(1〜3級)に分かれる
- 要件は初診日・保険料納付・障害の状態の3つ。手帳がなくても申請できる
- 令和8年度の障害基礎年金は1級1,059,125円、2級847,300円(年額)
- 初診日の証明や申立書でつまずきやすいので、早めに年金事務所や専門家に相談する
















