障害者総合支援法とは?対象者・サービスの全体像と改正のポイント

「障害者総合支援法って、どんな法律?」「障害者自立支援法とは何が違うの?」「どんなサービスが使えて、誰が対象になる?」。障害福祉の仕事を始めた人や、介護保険から障害福祉の分野にかかわるようになったケアマネジャーにとって、最初に押さえておきたいのが障害者総合支援法です。
結論からいうと、障害者総合支援法は、障害のある人が地域で自分らしく暮らせるよう、障害福祉サービスの種類や利用の仕組みを定めた法律です。身体・知的・精神(発達障害をふくむ)の障害に加え、難病の人も対象になります。この記事では、法律の目的、対象者、サービスの全体像、利用の仕組み、最近の改正のポイントをまとめました。
- 障害者総合支援法の目的と、自立支援法からの流れ
- 対象になる人(難病をふくむ)
- 自立支援給付と地域生活支援事業の全体像
- 利用の仕組みと、最近の改正のポイント
障害者総合支援法とは?目的と成り立ち
障害者総合支援法(正式名称:障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律)は、障害のある人が、基本的人権を持つ個人として尊厳ある生活を送れるよう、必要な支援を総合的に行うことを目的とした法律です。
| 時期 | 主な出来事 |
|---|---|
| 2003年 | 支援費制度が始まる(行政が決める「措置」から、本人が選ぶ「契約」へ) |
| 2006年 | 障害者自立支援法が施行。身体・知的・精神の3障害のサービスを一元化 |
| 2013年 | 障害者総合支援法に改正・改称。難病の人を対象に追加 |
| 2014年〜 | 障害支援区分の導入、重度訪問介護の対象拡大など、段階的に見直し |
自立支援法では、サービスの量に応じて1割を負担する「応益負担」が批判を受けました。現在は、所得に応じた上限額がある「応能負担」が基本です。法律は施行後3年をめどに見直すことになっており、これまでも何度も改正されています。
新人障害者基本法とはどう違うんですか?
先輩障害者基本法は、障害者施策の基本的な考え方を定めた「理念の法律」よ。障害者総合支援法は、その考え方を実際のサービスとして形にする法律なの。介護保険法に近いイメージで考えるとわかりやすいわね。
対象になる人
- 身体障害のある人(身体障害者手帳を持つ18歳以上)
- 知的障害のある人
- 精神障害のある人(発達障害をふくむ)
- 難病等の人(法律で定められた疾病。手帳がなくても対象)
- 障害のある子ども(障害児の通所・入所支援は児童福祉法にもとづく)
難病の人は、障害者手帳がなくても、対象の疾病であることが医師の診断書などで確認できれば、障害福祉サービスを申請できます。対象の疾病は見直しのたびに増えており、現在は370を超えています。
サービスの全体像
障害者総合支援法のサービスは、国が全国共通のルールで行う「自立支援給付」と、市区町村が地域の実情に合わせて行う「地域生活支援事業」の2つに大きく分かれます。
| 分類 | 主なサービス |
|---|---|
| 介護給付 | 居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護、短期入所、生活介護、施設入所支援など |
| 訓練等給付 | 自立訓練、就労移行支援、就労継続支援A型・B型、就労定着支援、就労選択支援、自立生活援助、共同生活援助(グループホーム) |
| 相談支援 | 計画相談支援、地域移行支援、地域定着支援 |
| 自立支援医療 | 精神通院医療、更生医療、育成医療 |
| 補装具 | 車いす、義肢、補聴器などの購入・修理 |
| 地域生活支援事業 | 移動支援、日常生活用具の給付、日中一時支援、相談支援、意思疎通支援(手話通訳など) |
介護給付は障害支援区分の認定が必要なサービスが中心で、訓練等給付は区分がなくても使えるものが多いのが特徴です。
利用の仕組みと自己負担
- 市区町村に申請障害福祉の窓口で、使いたいサービスを伝えて申請します。
- 障害支援区分の認定介護給付を使う場合は、認定調査と医師意見書をもとに区分1〜6が決まります。
- サービス等利用計画案の作成相談支援専門員が作るか、本人・家族がセルフプランを作ります。
- 支給決定・受給者証の交付市区町村がサービスの種類と量を決めます。
- 事業所と契約して利用サービス担当者会議を経て、利用が始まります。
自己負担は原則1割で、世帯の所得に応じて月ごとの上限額が決まっています。生活保護世帯や住民税非課税世帯は0円、一般世帯は9,300円または37,200円が上限です。計画相談支援には自己負担はありません。
最近の改正のポイント
2024年4月に施行された改正では、障害のある人の地域生活と就労の支援を強める見直しが行われました。
- グループホームの支援内容の明確化:一人暮らしを希望する人への、退去後も含めた支援が位置づけられました。
- 地域生活支援拠点の整備:緊急時の受け入れや相談に対応する拠点づくりを、市区町村の努力義務にしました。
- 就労選択支援の創設:本人の希望や能力に合った働き方を一緒に考えるサービスで、2025年10月から始まりました。
- 精神障害のある人の支援:精神保健福祉法とあわせて、地域での相談支援を強化しました。
新人65歳になったら、障害者総合支援法のサービスは使えなくなるんですか?
先輩使えなくなるわけではないのよ。介護保険と同じ内容のサービスは介護保険が優先されるけれど、同行援護や就労系のサービスなど、介護保険にないものは引き続き使えるの。ケアマネと相談支援専門員の連携が大切な場面ね。
介護保険との違い
介護保険にかかわってきた人にとって、障害者総合支援法は似ているようで違う点が多い制度です。主な違いを押さえておきましょう。
- 財源:介護保険は保険料と税金ですが、障害福祉サービスは税金でまかなわれています。
- 支給の決め方:介護保険は要介護度ごとに支給限度額がありますが、障害福祉は市区町村がサービスごとに支給量を決めます。
- 計画を作る人:介護保険はケアマネジャー、障害福祉は相談支援専門員がサービス等利用計画を作ります。
- 年齢:介護保険は原則65歳以上ですが、障害福祉サービスは年齢を問わず、子どもから使えます。
介護保険では、ケアプランの中で複数のサービスを組み合わせますが、障害福祉では就労や日中活動、住まいなど、より生活全体にわたるサービスを組み合わせることが多いのも特徴です。
よくある質問
障害者手帳がないと、サービスは使えませんか?
子どものサービスは、この法律にもとづいていますか?
報酬改定はどのくらいの頻度で行われますか?
- 障害者総合支援法は、障害福祉サービスの種類と利用の仕組みを定めた法律
- 2013年に障害者自立支援法から改正・改称され、難病の人も対象になった
- サービスは国の自立支援給付と、市区町村の地域生活支援事業に分かれる
- 自己負担は原則1割で、所得に応じた上限額がある
- 2024年の改正で、グループホームや地域生活支援拠点、就労選択支援などが見直された
















