入院時情報連携加算とは?(Ⅰ)(Ⅱ)の要件と営業時間外の入院の扱い

「夕方に家族から入院の連絡があったけど、今日中に情報提供しないと(Ⅰ)は取れない?」「土日に入院した場合はどうなるの?」。入院時情報連携加算は、令和6年度の介護報酬改定で区分の基準が大きく変わった加算です。
結論からいうと、入院時情報連携加算は、利用者が病院・診療所に入院したときに、ケアマネジャーが医療機関に利用者の情報を提供した場合の加算です。入院した日のうちに提供すれば(Ⅰ)250単位、入院日の翌日か翌々日に提供すれば(Ⅱ)200単位を、1か月に1回算定できます。この記事では、入院時情報連携加算の単位数と算定要件、営業時間外の入院の扱い、情報提供の進め方をまとめました(令和6年度介護報酬改定時点の内容です)。
- 入院時情報連携加算の単位数と(Ⅰ)(Ⅱ)の違い
- 令和6年度改定で変わった点
- 営業時間外・休日の入院の扱い
- 医療機関に提供する情報と、算定のための記録
入院時情報連携加算とは?
入院時情報連携加算は、利用者が入院したときに、ケアマネジャーが持っている在宅での生活の情報を、すばやく医療機関に伝えることを評価する加算です。
病院は、入院した患者の自宅での暮らしぶりや家族の状況、使っていた介護サービスを詳しく知りません。ケアマネジャーが早く情報を伝えることで、入院直後から退院後の生活を見すえた治療や退院支援を始められるようになります。入院が長引くと生活機能が落ちやすい高齢者にとって、早い段階での連携はとても大切です。
入院時情報連携加算の単位数(令和6年度改定)
| 区分 | 単位数 | 情報提供のタイミング |
|---|---|---|
| 入院時情報連携加算(Ⅰ) | 250単位 | 入院した日のうちに情報を提供(入院日より前の提供を含む) |
| 入院時情報連携加算(Ⅱ) | 200単位 | 入院日の翌日または翌々日に情報を提供 |
(Ⅰ)と(Ⅱ)は、どちらか一方を1か月に1回まで算定します。同じ入院について両方を算定することはできません。
令和6年度改定で変わった点
| 区分 | 改定前 | 改定後 |
|---|---|---|
| (Ⅰ) | 入院後3日以内に提供・200単位 | 入院した日のうちに提供・250単位 |
| (Ⅱ) | 入院後4日以上7日以内に提供・100単位 | 入院日の翌日・翌々日に提供・200単位 |
改定で、より早い情報提供が求められるようになった一方、単位数は引き上げられました。入院の連絡を受けたらすぐに動ける体制づくりが、算定のカギになります。
新人入院の日のうちに、というのはかなり急ぎですね。夜に入院したらどうなるんですか?
先輩そこは配慮があるの。営業時間が終わったあとや、営業日以外の日に入院した場合は、その翌日に提供しても(Ⅰ)として扱えるのよ。事業所の運営規程で営業時間をはっきりさせておくことが前提ね。
営業時間外・休日の入院の扱い
| 入院したタイミング | (Ⅰ)になる提供日 |
|---|---|
| 営業日の営業時間内 | 入院した日のうち |
| 営業日の営業時間が終わったあと | 入院日の翌日まで |
| 営業日以外の日(土日・祝日など、運営規程による) | 入院日の翌日まで |
たとえば、金曜日の夜や土曜日に入院し、事業所の営業日が平日だけの場合などは、扱いが複雑になります。翌日が営業日でない場合の具体的な取り扱いはQ&Aで示されているため、算定前に確認しておきましょう。迷う場合は保険者に相談します。
算定の基準になるのは、ケアマネジャーが入院を知った日ではなく利用者が入院した日です。家族からの連絡が遅れると(Ⅰ)を算定できないことがあるため、日ごろから「入院したらすぐに連絡してほしい」と伝えておきましょう。
算定要件と情報提供の進め方
- 入院に備えておく契約時に、入院したらケアマネジャーの氏名と連絡先を医療機関に伝えるよう、利用者・家族にお願いしておきます(運営基準で求められています)。介護保険証と一緒に名刺を保管してもらう方法もあります。
- 入院の連絡を受ける家族や医療機関、サービス事業所から入院の連絡を受けたら、入院日と入院先を確認します。
- 情報を提供する医療機関の担当者(病棟や地域連携室など)に、利用者の情報を提供します。方法は、訪問して手渡す、FAX、郵送、ICTなど、どれでもかまいません。
- 記録する提供した日時、相手、方法、提供した内容を、支援経過などに記録します。
医療機関に提供する主な情報
- 心身の状況(疾患・病歴、認知機能、ADL、IADL など)
- 生活環境(家族の構成と介護力、住まいの状況)
- 使っているサービスと、在宅での生活の様子
- 本人・家族の意向、退院後の生活の希望
- ケアマネジャーの連絡先と、連携の窓口
国が示す「入院時情報提供書」の様式を使うと、必要な項目を漏れなく伝えられます。ふだんから最新の情報で下書きを作っておくと、入院当日にすぐ提供できます。
入院当日に情報提供するための準備
(Ⅰ)を確実に算定するには、入院の連絡を受けてから情報提供書を作り始めるのでは間に合わないことがあります。ふだんから次のような準備をしておきましょう。
- 情報提供書の下書きを用意する:担当する利用者ごとに入院時情報提供書の下書きを作り、モニタリングのたびに最新の内容に更新しておく
- 連絡の流れを決める:家族やサービス事業所から入院の連絡が入ったとき、誰が受けて誰が提供するかを事業所内で決めておく
- 担当不在時の対応を決める:担当のケアマネジャーが休みの日でも、ほかの職員が提供できるようにしておく
- 医療機関の窓口を把握する:よく入院する病院の地域連携室の連絡先や、FAXの送り先を一覧にしておく
こうした準備は、加算のためだけでなく、入院直後から病院と在宅の情報がつながり、退院支援がスムーズになるという利用者にとっての大きなメリットがあります。
よくある質問
情報提供は電話でもいいですか?
月の途中で2回入院した場合は2回算定できますか?
入院した月に居宅サービスを使っていなくても算定できますか?
入院前に情報を提供した場合はどうなりますか?
家族から入院の連絡が数日後に来た場合はどうなりますか?
入院先の病院が遠方の場合も、情報提供が必要ですか?
- 入院時情報連携加算は、入院時に医療機関へ利用者の情報を提供した場合の加算
- 入院当日の提供で(Ⅰ)250単位、翌日・翌々日の提供で(Ⅱ)200単位、月1回まで
- 営業時間外・営業日以外の入院は、翌日の提供でも(Ⅰ)として扱える
- 提供方法は問われないが、日時・相手・方法・内容を記録する
- 入院時情報提供書の下書きを用意し、すぐに動ける体制を整える
















