介護予防支援の指定とは?居宅介護支援事業所の単位数と委託との違い

「居宅介護支援事業所でも、介護予防支援の指定を受けられるようになったって本当?」「委託で予防プランを受けるのと、何が違うの?」。2024年度(令和6年度)から、介護予防支援のしくみが変わりました。
結論からいうと、2024年4月から、居宅介護支援事業所も市町村から指定を受けて、介護予防支援を直接行えるようになりました。指定を受けた居宅介護支援事業所は、介護予防支援費(Ⅱ)472単位を算定できます。地域包括支援センターからの委託とは違い、事業所が直接の担当として契約し、請求も行います。この記事では、介護予防支援の指定のしくみ、委託との違い、指定を受けるメリットと注意点をまとめました(令和6年度介護報酬改定時点の内容です)。
- 介護予防支援とは何か、2024年度に何が変わったか
- 介護予防支援費(Ⅰ)(Ⅱ)の単位数
- 地域包括支援センターからの委託との違い
- 指定を受けるメリット・注意点と、手続きの流れ
介護予防支援とは?2024年度に何が変わったか
介護予防支援は、要支援1・2の人が介護予防サービスを利用するためのケアマネジメントです。要介護の人の居宅介護支援にあたるもので、介護予防サービス・支援計画(予防プラン)の作成やモニタリングを行います。
これまで介護予防支援の指定を受けられるのは地域包括支援センターだけで、居宅介護支援事業所は地域包括支援センターから委託を受けて予防プランを作成していました。2024年4月からは、居宅介護支援事業所も市町村の指定を受けて、介護予防支援を直接行えるようになりました。
| 項目 | 2024年3月まで | 2024年4月から |
|---|---|---|
| 介護予防支援の指定 | 地域包括支援センターのみ | 地域包括支援センターと、指定を受けた居宅介護支援事業所 |
| 居宅介護支援事業所の関わり方 | 委託を受けて予防プランを作成 | 委託に加えて、指定を受けて直接担当することもできる |
背景には、高齢者が増えるなかで、地域包括支援センターの業務の負担を軽くし、総合相談や権利擁護などの本来の役割に力を注げるようにするねらいがあります。
新人要支援の人の担当が増えると、包括の負担が軽くなるんですね。
先輩そうね。要支援の方が多い地域では、包括だけでは予防プランを抱えきれないこともあるの。居宅介護支援事業所が直接担当できる道ができたことで、地域全体で支える体制をつくりやすくなったのよ。
介護予防支援費の単位数
| 区分 | 単位数(1か月) | 算定する事業所 |
|---|---|---|
| 介護予防支援費(Ⅰ) | 442単位 | 地域包括支援センター |
| 介護予防支援費(Ⅱ) | 472単位 | 指定を受けた居宅介護支援事業所 |
指定を受けた居宅介護支援事業所が算定する(Ⅱ)は、(Ⅰ)より高く設定されています。初回加算などの加算も、要件を満たせば算定できます。単位数や加算の詳細は、告示・通知と保険者の案内で確認しましょう。
委託と指定の違い
| 項目 | 委託を受ける場合 | 指定を受ける場合 |
|---|---|---|
| 契約の相手 | 利用者と地域包括支援センター | 利用者と居宅介護支援事業所 |
| 報酬の請求 | 地域包括支援センターが請求し、委託料を受け取る | 居宅介護支援事業所が直接請求する |
| 報酬の額 | 委託料は地域包括支援センターとの契約で決まる | 介護予防支援費(Ⅱ)472単位など |
| 地域包括支援センターの関わり | 予防プランの確認など、責任を持って関わる | 必要に応じて市町村や地域包括支援センターと連携する |
指定を受けた場合でも、市町村や地域包括支援センターとの連携は欠かせません。市町村から求めがあった場合に、利用者の情報を提供することなどが求められています。総合事業の介護予防ケアマネジメントは、引き続き地域包括支援センターからの委託で行う形が基本です。
新人指定を受けたほうが、事業所にとって得なんですか?
先輩単位数だけを見ればそう見えるけれど、指定を受けると、人員や運営の基準を守る責任や、体制の届出・請求の事務も事業所が負うことになるの。事業所の規模や地域の状況をふまえて判断することが大切よ。
指定を受けるメリットと注意点
メリット
- 委託料ではなく、介護予防支援費を直接受け取れる
- 要支援から要介護になったときも、同じ事業所で切れ目なく担当しやすい
- 地域の要支援者を支える役割を、事業所として担える
注意点
- 介護予防支援の人員・運営の基準を満たし、指定の申請や変更の届出を行う必要がある
- 介護予防支援の利用者も担当件数に含まれるため、逓減制への影響を確認する
- 運営指導の対象になり、記録や手順の不備は返還につながる
- 市町村ごとに、申請の手続きや連携のルールが違う
指定を受けるまでの流れ
- 市町村の案内を確認する指定の申請の方法、必要な書類、連携のルールを市町村の案内で確認します。
- 体制と収支を試算する担当できる人数、ケアマネジャーの業務量、逓減制への影響、収入の見込みを試算します。
- 指定を申請する運営規程などの書類を整えて、市町村に指定を申請します。
- 地域包括支援センターと連携のルールを決める委託で担当している利用者の扱いや、情報共有の方法を確認します。
要支援の利用者を担当するときのポイント
介護予防支援は、要介護の居宅介護支援と比べて、自立支援と介護予防の視点がより強く求められます。指定を受けて直接担当する場合も、委託で担当する場合も、次の点を意識しましょう。
- 本人の「したいこと」を目標にする:買い物に行きたい、趣味を続けたいなど、本人の意欲につながる目標を立てる
- 介護保険以外の資源も組み合わせる:通いの場、ボランティア、民間のサービスなど、地域の資源を活用する
- 状態の変化を見逃さない:要介護への移行が近いサインがあれば、早めに区分変更や支援の見直しを考える
- 評価の時期を管理する:予防プランの目標の達成状況を、決めた時期に評価して次の計画に生かす
要支援の段階で適切な支援を行うことは、要介護状態になるのを遅らせ、本人が地域で長く暮らし続けることにつながります。居宅介護支援事業所が予防の段階から関わる意義はここにあります。
よくある質問
指定を受けたら、委託は受けられなくなりますか?
介護予防支援の利用者は担当件数にどう数えますか?
総合事業だけを使う人のケアマネジメントも担当できますか?
指定を受けるのに主任ケアマネは必要ですか?
- 2024年4月から、居宅介護支援事業所も市町村の指定を受けて介護予防支援を行える
- 指定を受けた居宅介護支援事業所は、介護予防支援費(Ⅱ)472単位を算定できる
- 委託と違い、利用者と直接契約し、事業所が直接請求する
- 指定後も市町村・地域包括支援センターとの連携が求められる
- 人員・運営の基準、事務の負担、逓減制への影響をふまえて判断する
















