個別支援計画とは?作成の流れと書き方のポイント・目標設定のコツ

「個別支援計画って、何をどう書けばいいの?」「長期目標と短期目標の違いがわからない」「サービス等利用計画とは何が違う?」。障害福祉サービスの現場で、サビ管になったばかりの人や、計画づくりを手伝う支援員からよく聞かれる悩みです。
結論からいうと、個別支援計画は、サービス管理責任者(サビ管)が、本人の希望とアセスメントをもとに、事業所での支援の目標と内容を決める計画です。「本人の言葉で書いた希望」と「達成したかどうか確かめられる具体的な目標」を入れることが、いい計画の条件です。この記事では、個別支援計画の基本、作成の流れ、項目ごとの書き方のポイントをまとめました。
- 個別支援計画とは何か、サービス等利用計画との違い
- アセスメントからモニタリングまでの作成の流れ
- 本人の希望・長期目標・短期目標・支援内容の書き方
- 運営指導で指摘されないための注意点
個別支援計画とは?サービス等利用計画との違い
個別支援計画は、障害福祉サービスの事業所が、利用者一人ひとりについて作る支援の計画です。作成の責任者はサービス管理責任者(障害児のサービスでは児童発達支援管理責任者)で、作成は基準で義務づけられています。
| サービス等利用計画 | 個別支援計画 | |
|---|---|---|
| 作る人 | 相談支援専門員 | サービス管理責任者(児発管) |
| 役割 | 生活全体を見て、使うサービスの組み合わせを決める | その事業所で、どんな支援をするかを具体的に決める |
| 介護保険でいうと | ケアマネのケアプラン | 各サービスの個別サービス計画(訪問介護計画など) |
個別支援計画は、サービス等利用計画の目標や方針をふまえて作ります。サービス等利用計画が「家全体の設計図」なら、個別支援計画は「部屋ごとの詳しい図面」のようなものです。
新人ケアプランと考え方は同じなんですね。
先輩そうね。どちらも本人の望む暮らしから出発して、目標と支援を組み立てるのが基本よ。ケアマネの経験がある人は、考え方をそのまま生かせるわ。
個別支援計画の作成の流れ
- アセスメント本人と面接して、希望、心身の状態、生活の様子、得意なことや苦手なことを把握します。面接の場所や日時を記録に残します。
- 個別支援計画の原案を作るアセスメントとサービス等利用計画をもとに、サビ管が原案を作ります。
- 個別支援会議を開く支援にかかわる職員で原案を検討します。2024年度からは、本人も会議に参加することが原則になりました。
- 本人・家族に説明し、同意をもらうわかりやすい言葉で説明し、文書で同意を得ます。
- 計画を交付する本人に交付し、相談支援専門員にも計画を渡します。
- モニタリングと見直し少なくとも6か月に1回(就労移行支援などは3か月に1回)以上、計画の実施状況を確認し、必要に応じて見直します。
項目ごとの書き方のポイント
本人の希望・意向
「本人が何を望んでいるか」は、計画の出発点です。できるだけ本人の言葉をそのまま書くのがポイントです。言葉で伝えるのが難しい人は、表情や行動、家族の話から読み取った内容を、そのことがわかるように書きます。
- よくない例:「日中活動に参加する」
- よい例:「作業所でお菓子の袋詰めをがんばって、給料で好きなCDを買いたい」
長期目標と短期目標
長期目標は、1年程度で目指す姿です。短期目標は、長期目標に近づくための、3〜6か月程度で達成をめざす具体的な目標です。短期目標は、達成したかどうかをモニタリングで確かめられる書き方にします。
| あいまいな目標 | 確かめられる目標 |
|---|---|
| 生活リズムを整える | 週5日、9時30分までに事業所に来られる |
| コミュニケーション力をつける | 困ったときに、職員に「手伝ってください」と伝えられる |
| 作業に集中する | 休憩をはさみながら、30分間続けて袋詰めの作業ができる |
支援内容・担当者・頻度
目標ごとに、「誰が」「いつ」「どのように」支援するかを具体的に書きます。職員が交代しても同じ支援ができるように、声のかけ方や、使う道具(スケジュール表、タイマーなど)も書いておくと実際に役立ちます。
- 例:「朝の到着時に、生活支援員がスケジュール表を一緒に確認する(毎日)」
- 例:「作業中は、30分ごとにタイマーで休憩を知らせる(作業時)」
新人本人が「何もしたくない」と言う場合は、どう書けばいいですか?
先輩その言葉の背景を考えることが大切よ。疲れているのか、不安なのか、選び方がわからないのか。「まずは安心して通える」ことを目標にするのも立派な計画なの。小さな目標から始めてみてね。
モニタリング記録の書き方
モニタリングでは、短期目標ごとに「できたこと」「まだ難しいこと」「本人の感想」「次の方針」を書きます。「順調」「変わりなし」だけで終わらせず、具体的な場面や回数を書くと、次の計画につなげやすくなります。
- 例:「10月は20日中18日、9時30分までに到着できた。本人は『朝の準備表があると忘れない』と話している。目標を達成したため、次は自分で準備表をチェックすることを目標にする」
障害児の個別支援計画で押さえたいこと
児童発達支援や放課後等デイサービスでは、児童発達支援管理責任者が個別支援計画を作ります。2024年度からは、「健康・生活」「運動・感覚」「認知・行動」「言語・コミュニケーション」「人間関係・社会性」の5領域とのつながりを明らかにして、支援内容を書くことが求められるようになりました。
また、子どもの場合は、保護者の希望と子ども本人の思いの両方を聞き取ることが大切です。学校や保育園、ほかの事業所とも情報を共有し、家族支援や移行支援(就学・進学に向けた支援)も計画に盛り込みます。
運営指導で指摘されないための注意点
- 作成日と同意日の順番:サービスを始める前に、計画の同意と交付を済ませます。
- サビ管がかかわった記録:アセスメント、会議、モニタリングにサビ管がかかわったことを記録に残します。
- モニタリングの期限:期限を過ぎて見直していないと、計画がない状態とみなされることがあります。
- 会議の記録:個別支援会議の日時、参加者、検討内容を残します。
よくある質問
支援員が計画を作ってもいいですか?
本人が会議に参加できない場合は?
計画に変更がなくても、モニタリングは必要ですか?
- 個別支援計画は、サビ管が作る事業所ごとの支援計画で、作成は義務
- サービス等利用計画(相談支援専門員)の方針をふまえて作る
- アセスメント→原案→会議→同意・交付→モニタリングの流れで、記録を残す
- 本人の希望は本人の言葉で、短期目標は達成を確かめられる形で書く
- 同意前のサービス提供やモニタリングの期限切れは、減算につながるので注意
















