ヒートショックの予防|高齢者の冬の入浴で気をつけることと家族の見守り

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「冬になると、親がお風呂で倒れないか心配」「ヒートショックを防ぐには、何に気をつければいいの?」。寒い季節は、高齢者の入浴中の事故が増える時期です。

消費者庁によると、高齢者の入浴中の事故は11月から4月の冬に多く、1月がピークで、亡くなる人の約9割が65歳以上です。消費者庁は、高齢者が浴槽で溺れて亡くなる人数は、交通事故で亡くなる人数より多いと注意を呼びかけています。この記事では、ヒートショックが起こる仕組み、入浴前・入浴中・入浴後に気をつけること、家族ができる見守りの工夫をまとめました。

この記事でわかること
  • ヒートショックとは何か、起こりやすい人と場所
  • 入浴前・入浴中・入浴後にできるヒートショックの予防
  • 家の寒さ対策と、家族ができる見守り
  • 浴室で倒れているのを見つけたときの対応
目次

ヒートショックとは?起こりやすい人と場所

ヒートショックとは、暖かい部屋から寒い脱衣所や浴室へ移動したときなどの急な温度の変化で、血圧が大きく上下し、体に負担がかかることをいいます。めまいや失神を起こしたり、心筋梗塞や脳卒中などにつながったりすることがあります。

また、熱いお湯に長くつかると、体温が上がりすぎて意識がぼんやりし、そのまま浴槽で溺れてしまうこともあります。入浴中の事故は、温度差だけでなく、「熱いお湯」と「長湯」も原因になると考えておきましょう。

起こりやすい人起こりやすい場所・場面
65歳以上の人暖房のない脱衣所・浴室
高血圧・糖尿病・心臓病などの持病がある人冬の夜遅い時間の入浴
肥満や睡眠時無呼吸のある人寒いトイレ、寒い廊下
熱いお風呂・長湯が好きな人食後すぐ・お酒を飲んだあとの入浴

入浴中に気をつけたい体のサイン

入浴中や入浴後に、次のような様子があれば、無理をせずすぐに浴槽から出て休むよう伝えておきましょう。

  • めまい、立ちくらみ、ふらつき
  • 頭がぼーっとする、眠気が強い
  • 胸の痛みや動悸、息苦しさ
  • 手足のしびれ、ろれつが回らない

胸の痛みが続く、片側の手足が動かない、言葉が出ないといった症状は、心筋梗塞や脳卒中のおそれがあります。迷わず119番に電話しましょう。

新人ケアマネ新人

うちの親は「一番風呂の熱いお湯が好き」と言っています…。

ベテランケアマネ先輩

一番風呂は、浴室が温まっていなくて寒いうえに、お湯が熱いことが多いの。ヒートショックが起こりやすい条件がそろいやすいから、家族が先に入って浴室を温めておくのもひとつの方法よ。

入浴前・入浴中・入浴後のヒートショック予防

消費者庁が示している入浴時のポイントをもとに、場面ごとに気をつけることをまとめました。

入浴前

  • 脱衣所と浴室を暖める:脱衣所に小型の暖房器具を置く、シャワーでお湯をためて浴室を蒸気で温めるなどの工夫をします。
  • 食後すぐ、お酒を飲んだあと、薬を飲んだ直後は入らない:血圧が下がりやすく、意識がぼんやりしやすくなります。
  • 家族に声をかけてから入る:入浴することを伝えておくと、異変に気づいてもらいやすくなります。
  • 入浴前に水分をとる:入浴中は汗をかくため、コップ1杯程度の水を飲んでおきます。

入浴中

  • お湯の温度は41度以下:熱いお湯は血圧の変化や体温の上がりすぎにつながります。
  • お湯につかる時間は10分までを目安に:長湯を避けます。
  • かけ湯をしてから入る:手足など心臓から遠いところから、お湯をかけて体を慣らします。
  • 浴槽から急に立ち上がらない:立ちくらみを防ぐため、手すりや浴槽の縁につかまって、ゆっくり立ちます。

入浴後

  • 暖かい脱衣所で、すぐに体をふいて服を着る:体が冷えないようにします。
  • 水分をとる:汗で失った水分を補います。
お湯の温度と時間を「見える化」する 湯温計を浴槽に浮かべる、給湯器の設定を41度以下にしておく、キッチンタイマーを浴室の外に置いて10分で声をかけるなど、決まりを目で見て分かるようにすると続けやすくなります。

家の寒さ対策でヒートショックを防ぐ

ヒートショックを防ぐには、家の中の温度差を小さくすることが基本です。浴室だけでなく、トイレや廊下も見直しましょう。

場所できる対策
脱衣所小型の暖房器具を置く。足元にマットを敷く
浴室入浴前にシャワーで温める。浴槽のふたを開けておく。浴室暖房があれば使う
トイレ暖房便座を使う。小型の暖房器具を置く
寝室・廊下夜中にトイレへ行くときは、上着を羽織る

部屋の温度は、冬でも18度以上を保つのがひとつの目安とされています。温湿度計を居間・脱衣所・トイレに置くと、親自身も寒さに気づきやすくなります。暖房器具を置くときは、衣類やタオルが触れないよう、まわりに物を置かないようにしましょう。

手すりや浴槽台、すべり止めマットなどの住宅改修や福祉用具は、要介護・要支援の認定を受けていれば介護保険が使える場合があります。お風呂の不安は、ケアマネジャーや地域包括支援センターに相談しましょう。

家族ができる見守りの工夫

  • 入浴の時間帯を早めにする日中や夕方の、家の中がまだ暖かい時間に入ってもらいます。
  • 入浴中にときどき声をかける10分ほどたったら「大丈夫?」と声をかけます。返事がないときはすぐに様子を見に行きます。
  • 一人暮らしの親には入浴時間を決めてもらう入浴前後に電話やメッセージで連絡してもらう、見守りサービスを使うなどの方法があります。
  • デイサービスの入浴を活用する体が不安定な人は、介護職の見守りがある入浴に切り替えるのも選択肢です。
新人ケアマネ新人

浴室で倒れている親を見つけたら、どうすればいいですか?

ベテランケアマネ先輩

まず浴槽の栓を抜いてお湯を減らし、顔がお湯につからないようにして、すぐに119番に電話してね。一人で引き上げられないときは無理をせず、救急隊の指示に従うことが大事よ。

よくある質問

シャワーだけなら安全ですか?
浴槽で溺れる危険はなくなりますが、寒い浴室でシャワーを浴びると体が冷え、温度差の負担はかかります。浴室を温めてから使いましょう。
サウナや温泉でも気をつけることは同じですか?
同じです。温泉は湯温が高いことが多く、露天風呂は外気との温度差も大きいため、湯温と時間に注意し、一人で入らないようにしましょう。
血圧の薬を飲んでいる親は入浴しても大丈夫ですか?
多くの場合は入浴できますが、入浴のタイミングや注意点は、主治医に確認しておきましょう。
入浴を嫌がるようになった親にはどうすればいいですか?
寒さや、浴槽をまたぐのが怖いことが理由になっていることがあります。脱衣所を暖める、浴槽台や手すりを使う、デイサービスでの入浴を取り入れるなど、不安の原因に合わせて工夫しましょう。ケアマネジャーに相談すると、使えるサービスを提案してもらえます。
夏は気にしなくていいですか?
冬ほど温度差は大きくありませんが、熱いお湯や長湯で体温が上がりすぎることは夏でも起こります。湯温と時間の目安は一年中守りましょう。
まとめ
  • 高齢者の入浴中の事故は11〜4月に多く、1月がピーク
  • 急な温度の変化だけでなく、熱いお湯と長湯も事故の原因になる
  • 脱衣所と浴室を暖め、お湯は41度以下・つかる時間は10分までを目安にする
  • 食後すぐ・飲酒後は入浴を避け、浴槽からはゆっくり立ち上がる
  • 家族は入浴前後の声かけで見守り、倒れていたら栓を抜いて119番に通報する

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