肺炎球菌ワクチンの定期接種|高齢者の対象と2026年度からの変更点

「65歳になったら、肺炎球菌ワクチンの案内が届いた」「前に受けたワクチンと違うの?親は受けるべき?」。高齢者の肺炎球菌ワクチンの定期接種は、2026年4月から使うワクチンが23価から20価(プレベナー20)に切り替わりました。
肺炎は高齢者の命に関わる病気で、その原因として多いのが肺炎球菌です。定期接種は65歳になる年度の1回きりの機会で、逃すと自治体の助成を受けられなくなることがあります。この記事では、肺炎球菌ワクチンの定期接種の対象者、2026年度からの変更点、費用、受けるときの注意点をまとめました。
- 肺炎球菌とはどんな菌か、高齢者が気をつけたい理由
- 肺炎球菌ワクチンの定期接種の対象者
- 2026年度からのワクチンの変更点(23価→20価)
- 費用の目安と、受けるまでの流れ・注意点
肺炎球菌とは?高齢者が気をつけたい理由
肺炎球菌は、鼻やのどにすみつくことがある細菌で、体の抵抗力が落ちたときに肺炎や気管支炎、中耳炎、髄膜炎などを起こします。大人の肺炎の原因として多い菌のひとつとされています。
- 高齢になると免疫の力が落ち、肺炎にかかりやすく、重症になりやすくなります。
- インフルエンザにかかったあと、肺炎球菌による肺炎を起こすこともあります。
- 肺炎で入院すると、体力や歩く力が落ち、退院後の生活に影響が残ることがあります。
肺炎球菌には100種類以上の型(血清型)があり、ワクチンはそのうち病気を起こしやすい型を防ぐものです。すべての肺炎を防げるわけではありませんが、重い感染症を減らす効果が期待されています。
新人インフルエンザのワクチンを受けていれば、肺炎も防げるんですか?
先輩それは別物なの。インフルエンザワクチンはインフルエンザウイルスに、肺炎球菌ワクチンは肺炎球菌という細菌に対するものよ。両方を受けておくことで、冬の重い感染症をより防ぎやすくなるわ。
肺炎球菌ワクチンの定期接種の対象者
| 対象 | 内容 |
|---|---|
| 65歳の人 | 65歳の誕生日の前日から66歳の誕生日の前日まで、または65歳になる年度など(自治体により案内が異なる) |
| 60〜64歳の人 | 心臓・腎臓・呼吸器の機能に障害があり、身の回りの生活が極度に制限される人(身体障害者手帳1級程度) |
| 60〜64歳の人 | HIVによる免疫の機能に障害があり、日常生活がほとんどできない人 |
以前は、70歳・75歳・80歳など5歳刻みの人も対象にする経過措置がありましたが、現在は終了しています。過去に定期接種で肺炎球菌ワクチンを受けた人は、対象にならないのが一般的です。対象期間や条件は市区町村の案内で確認しましょう。
2026年度からの変更点|23価から20価ワクチンへ
2026年4月から、高齢者の定期接種で使うワクチンが、これまでの23価ワクチン(ニューモバックスNP)から20価ワクチン(プレベナー20)に変わりました。対象者と接種回数(1回)は変わっていません。
| 2026年3月まで | 2026年4月から | |
|---|---|---|
| 使うワクチン | 23価肺炎球菌ワクチン(PPSV23) | 20価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV20) |
| 防ぐ型の数 | 23種類 | 20種類 |
| 接種回数 | 1回 | 1回 |
| 対象者 | 65歳など | 変更なし |
型の数は減っていますが、20価ワクチンは「結合型」と呼ばれる種類で、免疫の記憶が残りやすいように作られているのが特徴です。ワクチンの価格が上がるため、自己負担額を引き上げた自治体もあります。
すでに23価ワクチンを受けた人は?
過去に定期接種で23価ワクチンを受けた人は、20価ワクチンの定期接種の対象にならないのが一般的です。追加で受けるかどうかは、任意接種として医師と相談して決めます。
肺炎球菌ワクチンの費用と受けるまでの流れ
定期接種の自己負担額は自治体ごとに違い、数千円程度に設定されていることが多いです。生活保護を受けている世帯などは、自己負担が免除される自治体もあります。任意接種は全額自己負担で、医療機関によって料金が異なります。
- 市区町村の案内を確認する対象期間、自己負担額、予診票の有無を確認します。案内が届かない自治体もあるので、ホームページも見ておきます。
- 接種できる医療機関を探す市区町村が指定する協力医療機関で受けます。かかりつけ医が対応しているか確認しましょう。
- 予約して受ける接種当日は、体調がよいことを確認してから受けます。
- 接種後は様子を見る注射した部分の痛みや腫れ、だるさ、発熱などが出ることがあります。続く場合は医療機関に相談します。
新人インフルエンザや帯状疱疹のワクチンと同じ時期に受けても大丈夫ですか?
先輩医師が必要と認めれば、同時に受けられる組み合わせもあるわ。ただ、接種の順番や間隔は医師と相談して決めるのが安心ね。冬はワクチンが重なりやすいから、家族が日程を整理してあげるといいわ。
家族が手伝えること
- 親が65歳になる年に、案内が届いているかを確認する
- 過去に肺炎球菌ワクチンを受けたことがあるか、お薬手帳や接種記録で確認する
- 通院が難しい場合は、訪問診療の医師やケアマネジャーに相談する
- 接種した日とワクチンの種類を記録しておく
ワクチン以外でできる肺炎の予防
高齢者の肺炎には、食べ物や唾液が気管に入って起こる「誤嚥性肺炎」も多く、ワクチンだけでは防げません。毎日の歯みがきや入れ歯の手入れで口の中を清潔にする、食事のときの姿勢を整える、手洗いやうがいをする、栄養と睡眠をしっかりとるといった生活の工夫も大切です。むせることが増えた、熱が続く、食欲が落ちたなどの変化があれば、早めにかかりつけ医に相談しましょう。
よくある質問
肺炎球菌ワクチンは何年ごとに受けるのですか?
66歳を過ぎてから気づきました。もう受けられませんか?
ワクチンを受ければ肺炎にならないのですか?
接種当日に熱がある場合は?
要介護で寝たきりの親でも受けられますか?
- 肺炎球菌は大人の肺炎の原因として多く、高齢者は重症になりやすい
- 定期接種の対象は65歳の人などで、1回きりの機会
- 2026年4月から、使うワクチンが23価から20価(プレベナー20)に変わった
- 自己負担額は自治体ごとに違い、引き上げた自治体もある
- 過去の接種歴を確認し、ほかのワクチンとの日程はかかりつけ医に相談する
















