冬の高齢者のかくれ脱水|サインの見分け方と水を飲まない親への工夫

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「脱水って夏のものだと思っていた」「冬は汗をかかないから、親もあまり水を飲んでいない」。実は、冬も高齢者の脱水が起こりやすい季節です。のどの渇きを感じないまま、体の水分が少しずつ足りなくなる状態は「かくれ脱水」とも呼ばれます。

結論からいうと、冬は暖房による乾燥と、寒さで水を飲む量が減ることが重なり、高齢者は気づかないうちに脱水になりやすいです。この記事では、冬に脱水が起こる理由、家族が気づきたいサイン、水分をとってもらう工夫、受診の目安をまとめました。

この記事でわかること
  • 冬に高齢者のかくれ脱水が起こりやすい理由
  • 家族が気づきたい脱水のサインとチェック方法
  • 水を飲まない親に水分をとってもらう工夫
  • すぐに受診したほうがいい症状
目次

冬に高齢者のかくれ脱水が起こりやすい理由

  • 体の水分がもともと少ない:高齢者は筋肉が減るため、体の中にためておける水分が若い人より少なくなります。
  • のどの渇きを感じにくい:年齢とともに渇きを感じる働きが弱くなり、水分が足りなくても「飲みたい」と思いにくくなります。
  • 暖房で空気が乾燥する:皮膚や呼吸から、気づかないうちに水分が失われます(不感蒸泄)。
  • 寒くて水を飲みたくない・トイレに行きたくない:冷たい水を避けたり、夜中のトイレを減らすために水を控えたりする人が多くなります。
  • かぜや感染症:発熱、下痢、嘔吐があると、一気に水分が失われます。冬に多い感染性胃腸炎は特に注意が必要です。
新人ケアマネ新人

冬は汗をかかないから、そんなに飲まなくても大丈夫だと思っていました。

ベテランケアマネ先輩

そう思う人が多いの。でも、汗をかかなくても、呼吸や皮膚から毎日かなりの水分が出ていっているのよ。特に暖房の効いた部屋で過ごす時間が長いと、思った以上に乾燥しているの。

家族が気づきたい脱水のサインとチェック方法

サイン見るポイント
口や舌の乾き唇がかさかさ、舌の表面が乾いている、口の中がねばつく
皮膚の乾燥・張りの低下手の甲の皮膚をつまんで離したとき、元に戻るのが遅い
尿の変化尿の量や回数が減る、色が濃い
便秘便がかたくなる、出にくくなる
元気・意識の変化ぼんやりしている、反応が鈍い、だるそう、ふらつく
体重の減少短い期間で体重が減った
簡単なチェック方法 ・手の甲の皮膚を軽くつまんで離し、3秒以上もとに戻らない
・親指の爪を押して白くなったところが、離して2秒以上ピンク色に戻らない
どちらかに当てはまる場合は、脱水の可能性があります。ただし目安なので、気になる症状があれば医療機関に相談しましょう。

水を飲まない親に水分をとってもらう工夫

「水を飲んで」と言うだけでは、なかなか飲んでもらえないものです。生活の中に自然に水分補給を組み込む工夫をしましょう。

  • 飲む時間を決める起床時、毎食時、10時と15時のおやつ、入浴の前後、寝る前など、時間を決めてコップ1杯ずつ飲みます。
  • 温かい飲み物にする白湯、お茶、ほうじ茶、スープ、みそ汁など、冬は温かいものが飲みやすくなります。
  • 食事からもとる汁物、鍋料理、おかゆ、果物、ゼリー、ヨーグルトなど、水分の多い食べ物を取り入れます。
  • 見える場所に置く好きなコップやペットボトルを手の届く場所に置き、飲んだ量がわかるようにします。
  • ゼリーやとろみを使うむせやすい人は、水分補給用のゼリーや、とろみをつけた飲み物を使います。

飲み水の量の目安は、持病や体格によって違います。一般的には、食事以外に1日1〜1.5リットル程度が目安とされることが多いですが、心不全や腎臓病などで水分を制限されている人は、必ず主治医の指示に従ってください。

新人ケアマネ新人

夜中のトイレが心配だからと、夕方から水を飲まないんです。

ベテランケアマネ先輩

その気持ちもわかるわ。だから、午前中から日中にかけてしっかり飲んでもらい、寝る前は少なめにするといいのよ。トイレの心配が強い場合は、ポータブルトイレや尿とりパッドを使う方法もあるわね。

1日の水分補給スケジュールの例

「こまめに飲んで」より、「この時間にこれを飲む」と決めておくほうが続きやすくなります。コップ1杯を約150〜200mlとした例です。

時間飲み物・食べ物の例量の目安
起床時白湯・常温の水コップ1杯
朝食みそ汁・お茶・牛乳コップ1〜2杯分
10時ほうじ茶・ゼリーコップ1杯
昼食スープ・お茶コップ1〜2杯分
15時紅茶・果物・ヨーグルトコップ1杯
夕食汁物・お茶コップ1杯分
入浴の前後水・麦茶コップ半分〜1杯

一度にたくさん飲むより、少しずつ回数を分けて飲むほうが体に吸収されやすく、トイレの心配も減らせます。デイサービスやヘルパーを利用している場合は、利用中の水分補給もお願いしておくと、1日の量を確保しやすくなります。

離れて暮らしている場合は、電話のときに「今日は何を飲んだ?」と聞いたり、飲み物の宅配を利用したりするのも一つの方法です。ペットボトルを1日分ずつ並べておくと、本人も家族も、どれだけ飲んだかがひと目でわかります。

部屋の環境を整えて脱水を防ぐ

  • 湿度を保つ:加湿器や洗濯物の室内干しで、湿度50〜60%程度を目安にします。
  • トイレや廊下を暖かくする:トイレが寒いと、行く回数を減らそうとして水を控えがちです。小型のヒーターなどで寒さを和らげます。
  • 暖房の温度を上げすぎない:室温は20℃前後を目安にし、厚着しすぎて汗をかかないようにします。
  • 電気毛布やこたつに注意:長時間入っていると、気づかないうちに汗をかいて脱水になることがあります。寝るときは電気毛布を切るか弱めましょう。

すぐに受診したほうがいい症状

こんなときは早めに医療機関へ ・呼びかけへの反応が鈍い、意識がもうろうとしている
・水分がまったくとれない、吐いてしまう
・下痢や嘔吐が続いている
・半日以上尿が出ていない
・立ち上がれない、ふらついて転びそう
迷うときは、かかりつけ医や、地域の救急相談窓口(#7119など、地域によって番号が違います)に相談しましょう。

よくある質問

お茶やコーヒーでも水分補給になりますか?
水分補給になりますが、カフェインには尿を出しやすくする作用があります。たくさん飲む場合は、麦茶や白湯なども組み合わせるとよいでしょう。
経口補水液は毎日飲んでもいいですか?
経口補水液は、脱水のときに水分と塩分を補うためのものです。塩分が含まれるため、普段の水分補給には水やお茶を使い、使い方は医師や薬剤師に相談しましょう。
脱水を防ぐために塩分もとったほうがいいですか?
普段の食事をしっかり食べていれば、特別に塩分を足す必要はありません。下痢や嘔吐があるときは塩分も失われるため、医師に相談のうえで経口補水液などを使います。高血圧などで塩分を控えている人は自己判断で増やさないようにしましょう。
認知症の親が水を飲んだか覚えていません。
飲んだ量を記録する表を作る、1日分の飲み物をペットボトルに分けて置いておくなど、見てわかる工夫が役立ちます。デイサービスやヘルパーにも水分補給をお願いしましょう。
まとめ
  • 冬は暖房の乾燥と飲む量の減少で、高齢者のかくれ脱水が起こりやすい
  • 口の乾き、尿の減少、便秘、ぼんやりするなどがサイン
  • 飲む時間を決め、温かい飲み物や水分の多い食事で補う
  • 湿度を保ち、電気毛布やこたつの使いすぎに注意する
  • 意識がぼんやりする、水分がとれないなどのときは早めに受診する

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