親の物忘れは何科を受診する?もの忘れ外来と受診の誘い方

「最近、親が同じ話を何度もするようになった」「約束を忘れることが増えた。認知症かもしれないけど、どこに連れて行けばいいの?」「本人が病院に行きたがらない」。親の物忘れが気になり始めたとき、多くの家族が受診のしかたで迷います。
物忘れが気になったら、まずはかかりつけ医に相談し、必要に応じて「もの忘れ外来」や脳神経内科・精神科などの専門医につないでもらうのが進めやすい方法です。物忘れの原因の中には、治療で改善が期待できる病気が隠れていることもあり、早めの受診が大切です。この記事では、受診の目安、何科に行けばいいか、本人を受診に誘うコツ、受診前に準備することをまとめました。
- 年齢による物忘れと、認知症の物忘れの違い
- 受診を考えたい物忘れのサイン
- 物忘れは何科を受診する?相談先の選び方
- 受診を嫌がる親を誘うコツと、受診前に準備すること
年齢による物忘れと認知症の物忘れの違い
| 年齢による物忘れ | 認知症の物忘れ | |
|---|---|---|
| 忘れ方 | 体験の一部を忘れる(昼に何を食べたか思い出せない) | 体験そのものを忘れる(昼ご飯を食べたこと自体を忘れる) |
| 自覚 | 忘れたことに気づいている | 忘れたことに気づかないことが多い |
| ヒント | ヒントがあると思い出せる | ヒントがあっても思い出せない |
| 生活への影響 | 日常生活に大きな支障はない | 買い物・料理・お金の管理などに支障が出てくる |
| 進み方 | ほとんど進まない | だんだん進むことが多い |
ただし、これはあくまで目安です。認知症の手前の段階である「軽度認知障害(MCI)」では、物忘れはあっても日常生活はおおむね自立していることが多く、家族も判断がつきにくいものです。
新人年のせいだろうと思って、様子を見てしまいそうです。
先輩その気持ちはわかるわ。でも、早く受診すれば、原因に合った治療や、生活の備えを早く始められるの。「何もなければ安心できる」くらいの気持ちで相談してみるといいわ。
受診を考えたい物忘れのサイン
- 同じことを何度も聞く・話す
- 約束や予定をすっぽり忘れる
- 置き忘れ・しまい忘れが増え、「盗られた」と言う
- 料理の手順がわからなくなる、味付けが変わる
- お金の計算や支払い、通帳の管理ができなくなる
- 慣れた道で迷う
- 趣味や外出への興味がなくなる、怒りっぽくなる
- 薬の飲み忘れや飲みすぎがある
こうした変化が以前と比べて目立つようになったときは、受診を考えるタイミングです。
治療で改善が期待できる物忘れもある
物忘れの原因は認知症だけではありません。甲状腺の病気、ビタミン不足、頭の中に血がたまる慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、うつ病、薬の影響などで物忘れが出ることもあり、これらは治療によって症状が改善することがあるといわれています。原因を調べるためにも、自己判断せずに受診しましょう。
物忘れは何科を受診する?相談先の選び方
| 相談先 | 特徴 |
|---|---|
| かかりつけ医 | ふだんの健康状態を知っている。必要に応じて専門医を紹介してくれる。本人も行き慣れていて受診しやすい |
| もの忘れ外来 | 物忘れを専門に診る外来。病院によって脳神経内科・精神科・老年科などが担当する |
| 脳神経内科・脳神経外科 | 脳の病気を調べる。MRIやCTなどの検査ができる |
| 精神科・心療内科 | うつ病との見分けや、気分の変化・妄想などの症状にも対応する |
| 認知症疾患医療センター | 都道府県などが指定する専門の医療機関。診断や相談に対応する |
| 地域包括支援センター | 受診先がわからない、本人が受診を嫌がるなどの相談ができる |
専門の外来は予約が数週間〜数か月先になることもあります。かかりつけ医がいる場合は、まずそこで相談し、紹介状を書いてもらうと、専門医の受診もスムーズになります。
受診を嫌がる親を誘うコツと、受診前に準備すること
受診に誘うコツ
- 「認知症の検査」と言わない:「健康診断のついでに」「血圧の薬をもらうついでに相談しよう」など、本人が受け入れやすい理由で誘います。
- 家族も一緒に受ける形にする:「私も物忘れが気になるから一緒に行こう」と誘うと、抵抗が少なくなることがあります。
- 本人が信頼している人から勧めてもらう:かかりつけ医やきょうだい、親しい友人の言葉なら聞き入れることもあります。
- 責めない・試さない:「また忘れたの?」「今日は何日?」と問い詰めると、自信をなくし、受診を嫌がる原因になります。
受診前に準備すること
- 気になる変化をメモするいつごろから、どんな物忘れや行動の変化があるか、具体的なエピソードを書きます。
- お薬手帳と健康診断の結果を用意する飲んでいる薬や持病は、原因を考える手がかりになります。
- 家族が付き添う本人は物忘れを自覚していないこともあるため、家族が様子を伝えることが大切です。
- 医師にメモを先に渡す本人の前で物忘れの話をしにくいときは、受付で医師にメモを渡してもらう方法もあります。
受診のあとに家族が考えておきたいこと
診断の結果にかかわらず、物忘れが出てきたら、お金の管理、薬の管理、火の始末、運転などの生活の安全を見直すきっかけにしましょう。本人がしっかり話せるうちに、今後どこで暮らしたいか、財産の管理を誰に任せたいかなどの希望を聞いておくことも大切です。家族だけで抱え込まず、地域包括支援センターなどの相談窓口とつながっておくと、困ったときに頼れる先ができます。介護する家族自身の生活や仕事との両立についても、早めに考えておきましょう。
新人認知症と診断されたら、すぐに介護サービスを使うんですか?
先輩状態によるわ。診断がついたら、要介護認定を申請して、使えるサービスを地域包括支援センターやケアマネに相談するのが一般的な流れよ。お金の管理や今後の住まいについて、本人の希望を聞いておくのも大事ね。
よくある質問
物忘れの検査ではどんなことをしますか?
本人がどうしても受診しない場合は?
軽度認知障害(MCI)と言われました。
離れて暮らしていて、親の様子がわかりません。
- 認知症の物忘れは、体験そのものを忘れ、生活に支障が出てくるのが特徴
- 同じ話をくり返す、お金の管理ができないなどの変化が目立ったら受診を考える
- 物忘れの原因には、治療で改善が期待できる病気もある
- まずはかかりつけ医に相談し、もの忘れ外来などの専門医を紹介してもらう
- 「認知症の検査」と言わずに誘い、気になる変化をメモして付き添う
















