高齢者の餅の窒息を防ぐ|安全な食べ方と詰まったときの対処法

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「お正月に親がお雑煮を食べるとき、のどに詰まらせないか心配」「もし詰まったら、どうすればいいの?」。毎年、年末年始になると、高齢者が餅をのどに詰まらせる事故のニュースが流れます。

消費者庁の資料では、餅などによる窒息の死亡事故は1月に多く、特に正月三が日に集中しているとされています。餅は温かいうちはやわらかくても、冷めると硬くなり、粘りが強いため、飲み込む力が弱くなった高齢者には危険な食べ物です。この記事では、餅の窒息が起こりやすい理由、安全な食べ方の工夫、詰まったときの対処法をまとめました。

この記事でわかること
  • 高齢者が餅で窒息しやすい理由
  • 餅を安全に食べるための切り方・食べ方の工夫
  • 餅の代わりになる食べやすいもの
  • のどに詰まったときの対処法(119番・背中をたたく方法)
目次

高齢者が餅で窒息しやすい理由

理由内容
噛む力が弱くなる歯が少ない、入れ歯が合わないと、餅を小さく噛み切れない
唾液が少なくなる口の中が乾きやすく、餅がまとまったまま、のどに送られる
飲み込む力が弱くなるのどの筋肉が衰え、大きな塊を一気に送り込めない
むせる反応が弱くなる詰まりかけても、咳で押し出す力が弱い
餅の性質温かいとやわらかく伸び、冷めると硬くなる。くっつきやすい

元気で普段の食事に問題がない人でも、年齢とともに噛む力や飲み込む力は少しずつ落ちています。「去年は大丈夫だったから」と油断しないことが大切です。

新人ケアマネ新人

うちの親は元気なので、普通に食べても大丈夫だと思っていました。

ベテランケアマネ先輩

元気な人ほど、いつもの調子で大きいまま口に入れがちなのよ。本人が「大丈夫」と思っていても、まわりが一緒に気をつけることが大事ね。

高齢者が餅を安全に食べるための工夫

  • 小さく切る餅は焼く前や煮る前に、1〜2cm角ほどの小さなサイズに切っておきます。
  • 食べる前にお茶や汁物で口を潤す口とのどを湿らせてから食べ始めると、餅がくっつきにくくなります。
  • 一口の量を少なくし、よく噛む小さく一口ずつ、唾液とよく混ぜてから飲み込みます。お茶で流し込むのは危険です。
  • 座って、少し前かがみの姿勢で食べるあごを上げた姿勢は気管に入りやすくなります。テレビを見ながら、話しながらの「ながら食べ」も避けます。
  • 一人で食べない家族が一緒に食卓を囲み、様子を見られるようにします。
餅は「切る・潤す・見守る」 消費者庁も、餅を小さく切ること、食べる前にお茶などで喉を潤すこと、よく噛んでから飲み込むこと、食事の際は見守ることなどを呼びかけています。

入れ歯の人は特に注意

入れ歯に餅がくっつくと、入れ歯が外れたり、噛み切れないまま飲み込んだりすることがあります。入れ歯が合っていない人、噛む力が弱い人は、餅を控えるか、次に紹介する代わりの食べ物を検討しましょう。

餅の代わりになる食べやすいもの

飲み込みに不安がある人は、普通の餅を無理に食べなくても、お正月の雰囲気を楽しめます。

代わりの食べ物特徴
白玉団子小さく作れて、餅より噛み切りやすい。豆腐を混ぜるとさらにやわらかくなる
じゃがいも餅じゃがいもと片栗粉で作る。粘りが少なく、ちぎれやすい
介護用のやわらか餅のどに詰まりにくいよう工夫された市販品がある
お麩お雑煮の具にすると、汁を吸ってやわらかく食べられる

代わりの食べ物でも、大きな塊のまま飲み込めば詰まることがあります。小さく切る・一緒に食べて見守ることは同じように大切です。飲み込みの障害がある人は、主治医や言語聴覚士に相談して、食べてよい形を確認しましょう。

新人ケアマネ新人

デイサービスの職員さんに、お正月の食事のことを相談してもいいですか?

ベテランケアマネ先輩

もちろんよ。食事の様子は介護職や看護師がよく見ているから、ふだんむせることがあるかどうかを聞いておくと、家での食べ方を決める参考になるわ。

お正月の前に家族で確認しておきたいこと

  • ふだんの食事でむせていないか:お茶や汁物でむせる、食べるのに時間がかかるようになったら、飲み込む力が落ちているサインです。
  • 入れ歯が合っているか:痛くて外している、ぐらつくなどの場合は、年末の前に歯科で調整しておきます。
  • 誰と食べるか:一人暮らしの親が餅を食べる日は、電話やビデオ通話でもよいので、食事の時間に様子を見られるようにしておくと安心です。
  • 救急のときの連絡先:119番の伝え方(住所・状況)を、家族で共有しておきます。

餅がのどに詰まったときの対処法

のどに詰まると、声が出ない、苦しそうにのどを押さえる、顔色が青紫になるなどのサインが出ます。声が出ない、咳ができないときは、すぐに119番に電話し、救急車が来るまで次の方法で取り除きます。

  • 咳ができるなら、強く咳をしてもらう咳で出せる場合は、まず咳を続けてもらいます。
  • 背部叩打法(はいぶこうだほう)本人を前かがみにさせ、後ろから手のひらの付け根で、肩甲骨と肩甲骨の間を強く何度もたたきます。
  • 腹部突き上げ法後ろから両腕を回し、おへその少し上で片方の手を握りこぶしにして、もう片方の手で包み、上に向かって素早く突き上げます(妊婦や乳児には行わない)。
  • 反応がなくなったら心肺蘇生ぐったりして反応がなくなったら、床に寝かせて胸骨圧迫(心臓マッサージ)を始めます。
取れたあとも受診を 腹部突き上げ法を行った場合や、詰まったものの一部が気管に入った可能性がある場合は、取り除けたあとも必ず医師の診察を受けましょう。あとから肺炎を起こすことがあります。

よくある質問

餅を食べるのを本人がやめたがりません。
楽しみを取り上げると反発されることもあります。小さく切った餅を1〜2個にする、家族と一緒のときだけにするなど、量と場面を決めて楽しんでもらう方法があります。
掃除機で吸い出すといいと聞きましたが?
口の中やのどを傷つけるおそれがあり、一般的な応急手当としてはすすめられていません。まず119番に通報し、背中をたたく方法などを行いましょう。
焼いた餅と煮た餅ではどちらが安全ですか?
どちらにも粘りがあり、どちらが安全とは言い切れません。どちらの場合も小さく切り、冷めて硬くなる前に、少しずつ食べることが大切です。
餅以外で詰まりやすい食べ物は?
ご飯、パン、こんにゃく、肉の塊、あめなども窒息の原因になります。ふだんの食事でも、一口を小さくすることを心がけましょう。
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※食事形態が合うかは、主治医や言語聴覚士・管理栄養士にも確認しましょう

まとめ
  • 餅の窒息事故は1月、特に正月三が日に多い
  • 噛む力・唾液・飲み込む力が落ちた高齢者は、元気でも注意が必要
  • 小さく切る、口を潤してから食べる、よく噛む、一人で食べないを守る
  • 飲み込みに不安があれば、白玉やじゃがいも餅、介護用の餅を検討する
  • 詰まったら119番に通報し、背部叩打法・腹部突き上げ法で取り除く

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